シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

異形のものを主流になれないものが救う話

2018-03-11 12:55:12 | Weblog

「シェイプ・オブ・ウォーター」昨日劇場にて鑑賞。

この作品がオスカーで作品賞を取ったことって、見終わった後も意外だな~という想いが続きましたね。私個人はとても好きだなって思えたけれど、「アカデミーの最高賞を受賞」はなんとなくシックリこないなと・・

でも、いいや、これでデルトロ監督も色々やりやすくなるだろうから。

出だしは「アメリ」を思いださせたね。ヒロインの部屋の様子、インテリア、日々やっていること。いい感じでした。

彼女が清掃係を務める研究所に「今までにない研究対象」が運び込まれてくる。それがアマゾンで神と崇拝されていた半魚人。

このクリーチャーは水陸両用(あまり長く陸にはいられないみたいだけど)、2足歩行もします。

でも、見た目はまさに「異形」のもの。まあ、ハッキリ言えば、気持ち悪いわけです。

そんな彼なのに、ヒロインが惹かれ、心を通わせるのに、あまり時間がかからなかったのは、共に「孤立した存在」であるからなのか。

この作品のキャラは、どれもある意味「異形」というか、1960年代初頭の頃には決して「主流」とは言えなかったような存在ばかり。

ヒロインは孤児で言葉を発することができない。
ヒロインの隣室の初老の男、イラストレーターはゲイ、会社を首になってフリーランス。
ヒロインの職場の親友は黒人、どう頑張っても社会的に強者にはなれない。

そんな切ない人間たちが、不思議な生き物を守るっていう
ある意味、今までにもよくある話だったような気もするが。

でも、それでも「コクがある」のは、カメラの素晴らしさだったり、彼らの演技の素晴らしさのおかげかな。

生き物と「やった」日のヒロインが職場でニタニタしているのを友人が見かけて
「何、笑っているの?ちょっとまさか~~あれって、あれはついているの?」
と問いかけるあたり。
劇場内で笑っていたのは女の人だけだったねと相方が言っていた。

生き物の体がブルーに発光するのが美しい。

もう一度じっくり見たいので、DVDで出たら買いだね。

でもさ、やっぱり不思議、なんで作品賞が「スリー・ビルボード」(未見)じゃなかったんかな?