アンの絵本日記&g

大人にも楽しめる絵本の紹介と
稲垣吾郎さんについて(時々)語ります。

カシコギ

2007-08-25 00:10:38 | ソ・ドヨン
「カシコギ」
趙昌仁(チョ・チャンイン):作
金淳鎬:訳
サンマーク出版:発行
2002.3.20初版 3.25第2刷(1600円)

ソ・ドヨンくんのFCにて“彼が読んだ本”として紹介された本の中の1冊。

カシコギは不思議な魚なんだ。
ママカシコギは産卵後、どこかに逃げてしまう。卵たちがどうなろうと構わないんだよね。パパカシコギが残って卵の世話をする。卵に襲いかかる他の魚たちと、命をかけて戦うんだ。寝食を忘れて熱心に卵を守る。卵は孵化して稚魚たちがぐんぐん大きくなると、子どものカシコギたちはパパカシコギを捨てて、それぞれ自分の道に行ってしまう。子どもたちがみんな去った後、ひとり残されたパパカシコギは岩の間に頭を突っ込んで死んでしまう。

話し半ばでのタウムのセリフだ。

白血病を患ったタウムを父のチョンは献身的に世話する。
2人を捨てた妻を責めることなく・・・。
しかし、最後は妻の手にタウムを渡す事になる。
その理由がまた涙を誘うのだが、理由を隠してタウムを「父親離れ」させるべくチョンが取った態度に鬼気迫る迫力を感じる。
辛くて悲しくてやり切れない物語。
「父性愛」がテーマなのだ。韓国の小説だ・・・と思った。
日本の父親にこんな状況が想定できるか???・