月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

雨の音を聴きながらロスの空を思う

2018-03-21 02:24:17 | writer希望を胸に執筆日記







3月19日(日曜日)

最近は寒の戻りで、部屋の空気も心なしか寒い。背中がスースーする。寒さは苦手なはずなのに、こうひんやりとした空気だと安堵を覚える。春までにやろうと思うことを、じっくりじんわり考えても良いのだぞと執行猶予を与えられたようなそんな気して心なしか
ホッとする。雨の音は素敵。こんな日は読書がしたい。

それでも、今日も依頼案件の原稿を2本上げなければならないので、そわそわ。
提出は翌日正午だ。
パソコンに向かっていたら、NからのLINEを知らせるぴよぴよと泣く鳥の声の着信音(メールの着信音は鳥の鳴き声にしている)。
約10時間のフライトを終えて今はロサンゼルスの空港そばの店で先輩と一緒にハンバーガーを食べているのだという。












いかにもアメリカっぽい青い空。日本の2倍ほどに広い道路と低い建物のレストランや家々と。
やや年配のアメリカ人夫婦が大きなハンバーガーを食べている姿を瞼の中に想像する。
たちまち、さっきまでの鬱蒼とした気持ちは消えて、心はカリフォルニアへと飛んだ。

それでお風呂に湯をためて、
JALの機内誌スカイワード3月号を持ち込む。
「We Love Camping!」の特集だった。
ロサンゼルスの空港でレンタカーを借りて、海岸線にのびる通を北上にオーハイからブエルトン、そしてジョシュア・ツリー国立公園へのキャンプの旅を記したものだった。
アメリカの大地に抱かれて眠る、それを想像しただけでワクワクした。
キャンプ地で飲むアメリカンコーヒーとはそれは格別なんだろうな。

10年前にアメリカを旅して美味しかったのは、分厚い赤身のステーキと
朝HOTELで飲んだ無料のコーヒーだった。軽くて飲みやすく、朝が待ちきれないくらいだった。

キャンプの魅力って?とたずねたら
「日常から離れてリラックスすること」 「家族だけでもしくは友人と過ごす特別な時間」
「自然を深く感じること」という答えが返ってきたという。

すごく得てしてわかる回答だった。どの答えもいきるために必要なものばかり。

桜の開花を待つ、薄曇りの日本にいながら、湯気のたつお風呂のなかでしばしアメリカ気分を味わえるとは。
お風呂から上がってから気持ちを現実へと戻すために10分だけ家の周囲を散歩して、再び、原稿に戻った。

東京から京都の北伊根町に移住した建築設計デザイナーのビジョンを伝える講壇からの記事作成。約2500ワード。伊根浦湾の見事な舟屋風景や人と人が交わることで生まれる熱いコミュニティーを思いながら記事にまとめた。
もうひとつは、パーソナルトレーニングジム&加圧トレーニングルームを主宰する
女性パーソナルインストラクター春からの筋トレを教わるインタビュー記事だった。

結局、仕上がったのは翌日の1時10分…。それからもう一度お風呂に入って就寝。
明日、もう一度朝から推敲して提出しよう。





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