日差しの強さで目が覚めた。ベッドの下に投げたままにしていたiPhoneを拾ってみると七時半だ。飛び起きて、窓の近くに立つ。カーテンは閉めていないので、空も海も、きれいな水色をしているのがよくわかった。きょうも、波は穏やかに、打ち寄せて、ひく。ざーっ。ざーっ。
朝食レストランは、数十年前に訪れた時と同じだった。あの頃は熱帯の植物を多く置き、バリのリゾートのように、砂地とフローリングの場所があって、ビーチから草履のままでレストランに入れたように記憶している。(たぶん……)。
わたしたちは、海に近いオープンテラス席を選ぶ。
コロナ禍なのでビニール手袋をしての、ビッフェ。
マンゴーや、シークワーサーのジュースがおいしい。海藻のサラダ、種々のチーズにはハチミツを。オムレツや、トマトのひよこ豆煮や。普段は加工されたものはあまり食べないのだが、ハム、サーモン、ポテト料理も皿にたっぷり盛り付けて。海沿いの席で、コーヒーをのみ、六〇分近く、心地よい朝の時間を過ごす。
若いカップルの姿がやはり多い。女性が黙っているところは、男性もうつろ眼で携帯をみている。昨晩のレストランは、ご年配の夫婦が多かったがもう済まされたのだろうか。
食事のあと、着替えて海中公園まで散歩した。
プールには、日よけ用の布パラソルが出ていた。木戸を押して、砂浜へ出る。昨日、Nが踊った場所。海中公園までは、ホテルの送迎カートもあったが、私たちは歩いて日差しの中を歩いていく。途中、ハイビスカスやブーゲンビリアが咲くところがある。植物と海が調和している。
三月の沖縄は、みずみずしく、清らか。眠りから覚めたみたいに美しい。
海の色がほんとうにエネラルドに耀いている。私たちは、クジラ型のグラス低ボートで、漕ぎ出した。海からホテル全景をみる。室内から望めばとても穏やかにみえるのに、波の中にいると躍動感いっぱい。光が、きれきら遊ぶ。ボートが水面を撥ね、真っ白な波がソーダーのようにどんどん大きくなって泡立つ。黒い小さな魚の群れ。餌付け。グラスボードから海中をみる。
「あれがカクレクマノミ」「ポニョですね」「あ、尾びれまで瑠璃色のは、ルリスズメダイです」「サンゴに隠れているでしょ、あれ、ハナグロチョウチョウイオ」。スタッフが教えてくれる。
サンゴ礁は魚たちの母だ。とても多くの魚を隠している。
(餌付けをすると、魚たちが群れてきます)↑
ホテルに帰って、プールサイドのデッキで、しばらく読書をした。昨晩、サックスの演奏が行われた場所だ。ゴールデンウィークには、こうは、のんびりといかないだろう。ホテルのショップをのぞく。焼き物がいっぱい。読谷村には車がないからいけない。けれど……。「そうだ! 帰りに壷屋やちむん通りを歩いてみよう」と決めた。
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