月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

フランスの美しい村 ブブロン・オン・オージュ村で (4)

2017-12-17 23:52:27 | 海外の旅 パリ編

バスは、パリの街中を走っていた。
あ!凱旋門。と思い、立派な彫刻に見とれているうちに門の下をくぐる。
そして、しばらく走ると、今度はオアシスのように濃い緑が繁っている公園があり、
どうやらブローニューの森のようだった。

運河や湖もあるという。
あぁ、ここがいつか行ってみたかったブローニューの森なのか。
車窓から、絵はがきのようなパリのあちらこちらを、こうしてスポットでみせてもらい、
そこを空想しながらドライブするというのも素敵だ。

もう少し走ると、ハイソなアパートメントが続き、高級住宅街へと進む。
変化のない車窓風景をみながら、写真のチェックなどを。

3月のパリの空はうす曇っている。

しばらく走ると、今度は牛や羊を放牧している農村風景があった。緑が濃い。



3月というのに、濡れたような緑だ。
この国の、赤のきれいさにも驚かされたけれど、緑の、生きている緑色の明るさにもまた驚かされる。
これがヨーロッパの緑なのだ、と静かに瞼に刻み込む。

しばらく、目をとじて眠ろうかな。などと、うとうととしている間にもぐんぐんとバスは進み、
もう一度、牧歌的な風景がまた現れた。

パリの中年ガイドさんによると、ノルマンディの小さな村へさしかかり、そこで1時間半ほど休憩するのだという。
フランスの美しい村に指定されている「ブブロン・オン・オージュ村」(ブブロン村)である。
街中に入る前に、石造りの小さな家と馬小屋をみた。








ライラック並木が近くにみえる村役場のようなところに車を停めて、私たちはバスから降りた。
ひさしぶりの地面を踏む感触。足がお酒によっぱらったように、不安定な歩き方に。
「ブブロン・オン・オージュ村」。
ほんの30分ほどで歩けてしまう小さな、小さな観光の店が集う村だった。

Nは、ウインドウにきれいに飾られたマカロンに目が吸い寄せられて、
そのまま2個かって食べながら歩いていた。





小物を置く店やアクセラリーショップ。
少し行くと、リネン類を売る店があった。

薄い麻布に刺繍がさしてあるテーブルセンターや布小物がたくさん並んでいる。
最初は観光客相手のおみやげもの屋さんのたぐいかと思ったら、
そうでもなく、生活に根ざしたリネン類や小物をおいている、感じのいい店だった。
やはり人の手でつくられたものは美しい。アンティークの布に惹きつけられたが、高かったのでやめた。

それで家のダイニングテーブルの中央に敷く、長い長方形のセンターテーブルクロスを沢山の中から選んで購入した。

いろいろ欲しいものがあったが)ここは一番にだけ絞った。
買い物を終えると、一仕事終えたようなちょっとした疲労と爽快感が、一気に押し寄せてきた。





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