月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ホコリっぽい異国の風吹く小食堂。スリランカ料理「ワーサナ」。

2014-03-30 00:50:46 | 大阪ごはん



今年は早くもサクラシーズンに突入らしい。この冬は、お籠もりの仕事が長く続いたので、もう春?という気がする。
心の準備がまだ出来ていない感じ。
春になるまでに、あれもしよう、これも片付けてしまおう、あの人にも会いたい、などと予定を決めていたのに。
出来ず仕舞いです。

それでも、ようやく一段落。来週の半ばまでは急ぎのお仕事もなくて、少しだけゆっくり出来そう。
明日は母が実家からこちらへ出てくるというので、京都を案内することにしました。



さて、そのまえに。今回はこんなお話を。
だいぶ前のことなのですが、スリランカ料理を食べに行った時のこと。

福島の「ワーサナ」は、広告代理店のクライアントさんに教えてもらった小さな店です。
当時その方はベトナムや韓国、アメリカに仕事でよく行かれていて。今度「おいしいスリランカのカレーの店があるので、ぜひ行きましょう」と、
だいたいの日程まで連絡を頂戴していながら、すっかりお忙しいようなので。
とうとう待ちきれずに行ってしまったのでした。

早い時間に入店したのでダイニングには私達の組だけ。

聞くところカレーが評判!と後で知ったのですが。
この日は、スリランカ家庭料理とは一体どんなものかしら、と気になって仕方なく
「わが心のスリランカ家庭料理コース(2500円)」を、オーダーしました。
お料理がくる間、店内をぐるりと見わたす。
うーん、全く気取りないこの雑然さ(片付いていないところ)がいいねー。



店の雰囲気は、テーブルが3卓くらいのこじんまりとした店ながら、国旗や調度品やスパイスやらが
たくさん飾られ、派手さいっぱいのインテリアは、
まさにアジアの食堂。
バリ島のワルン(ローカル食堂)を彷彿するものがありました。

お料理をこしらえるのは、店主のラッキーさんただ一人。ほかにお手伝いもいず…。





だから、お料理にも当然時間がかかるのけれど、慌ただしさがなく、
ゆっくりマイペースなところもよく。
こちらも、ビールを飲みながらリラックス。

うーむスリランカ。スリランカ。と気分はすでに空を飛んで。
(昨今、とてもめざましく発展を遂げてホテルやビルの立ち並ぶ建設ラッシュだと聞くけれど)。
もし、インドに行くことができたなら、ぜひ足をのばしたい小さな島なのであります。
(紅茶の名産地だからね。スリランカ産の紅茶には毎朝のようにお世話になっている)

さてさて、前置きはさておき。メニュー。
サラダ、ロティ、ピクルス、チキンマサラ、キリホディ
ベジタブルサンバル、イディアッパー、デザート、紅茶というラインナップであります。


まずは、ピクルスやサラダ。
この味付けなら、うん!いけると確信。
(やや甘めのカレー味で食べやすい。



「ロティ」はノンイーストで仕上げたパン。
甘いメープルシロップをかけたり、
野菜のピクルスをのせて食べます。





続いては、「チキンマサラ」。




こちらも、インドのそれよりは辛くなく。マイルドな味付けながら多種にわたるスパイス使いがユニークで。
現地の味さながら、庶民的な味。

「これはうまい!と」思わずライオンビールをオーダーです。
ああ~アジアの料理はなんてワクワクするのだ。


そして「キリボディ」。
現地でのスリランカ料理は一つのお皿に様々な料理を混ぜながら盛るらしく、
そんな時に辛みを和らげたりコクを引き出すのが、
この「キリボディ」。
ココナッツスープのようでちょっとクセになる味付け。コクがあってバター風味。
様々なお料理とともに、いただきました。



いよいよ、野菜のココナッツミルク煮「サンバル」が登場。

スリランカの主食のひとつ、「イディアッパー」(米粉のヌードル、写真の茶色い麺)に、たっぷりと混ぜていただきます。
「サンバル」だけで食べるのとは、また違った風味と食感が楽しめて、口が飽きない。






「イディアッパー」は、これまで食べたことのない不思議なもの。
うまい比喩だとはいいがたいのですが。ソーメンをゆでて、そのまま2時間くらい放置していたような感じ。汁けはなく、少しだけモチッと感があって。
ソーメンとざるそばの中間といったところ。
(味はないので、乗せるお料理をひきたてる)。
ヌードル特有の食感が面白く、個々のお料理のクセを緩和させ、素朴感たっぷりのヌードルでありました。


そして、インドでは祝祭に登場するというビリヤニ(ごちそう炒飯)も。





細長いタイ米ながら、野菜のコクとココナッツの甘味と辛みが複雑に絡みあい、おいしかった。

しかし、これらのローカル料理。
沢山いただくと、すごく癖があって。様々なスパイスやソースの独得の匂いにやられそうでした。
このチラチラと揺れる赤い電球が飾られた店内といい、
ラッキーさんの温かい笑顔といい。

まるでバリのホコリっぽい道路脇のワルンでローカルフードをいただいている心境に。

外に飛び出したら、ものすごい交通量でオートバイが走り抜けてガジュマルの木が屋根の下までたれ下がっていて、
亜熱帯な熱さと匂いと人のおしゃべりと。太陽の強い光線に額まで汗するような。
そんなアジアな錯覚まで思い起こした、ちょっと変わったディナーでありました。


おしまいにラッキーさんと少しだけおしゃべり。

私が「スリランカの紅茶はおいしい!大好き」と褒めると、
すごくうれしそうな顔でこんなパフォーマンスまで披露してくれました。






この紅茶。お砂糖をたっぷり入れるので甘いのですが、キャラメルのようなコクがあるミルクティーで、味もさすが。
何杯でもお替わりできるほど。
私は結局、デザートをいただきながら3杯もいただきました。
ラッキーさん曰く「酸素をたっぷり含んだティーは最高に味がよい」のだとか。








おみやげに紅茶と赤いろうそくまで頂戴して親切な方でした。また次はカレーをいただきに行きますね。
ごちそうさまでした。

WASANA(ワーサナ)

大阪府大阪市福島区福島6-4-5

電話:06-6342-8813

日曜定休  営業時間11:00~22:00


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
旅行気分も味わえそう (しろくま)
2014-03-30 08:02:31
外国にきた気分になりそうですね
ビリヤニおいしそう~
全部一人でされてるのはすごい…
紅茶のパフォーマンス見てみたいですね~
返信する
紅茶のパフォーマンス (アンデル)
2014-04-06 22:27:12
だいぶ前にいったのですが、
よーく記憶にのこっているお店です。
ラッキーさん、すごく親切な方でした。
紅茶のパフォーマンス、うんすごいよ。
3杯、おかわりして。
おみやげにティーバッグまでいただきました。
返信する

コメントを投稿