月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

羽田ーウィーン フライト当日の朝

2019-12-10 23:15:01 | 羽田ーウィーンの旅


12月1日 日曜日(晴れ) 朝


朝5時半に起きて30分、お風呂。
「翼の王国」(2019年2月号)。しまおまほさんの書かれたウィーンのエッセイをよんだ。(4度めくらい)。







滞在中のカフェだけに絞り込んで書かれている。今旅のテーマだ。


昨晩のお風呂(夜中12時)は、浴内全ての照明を消し、外からの灯りだけではいった。薄灯りの中だと、音も消える! と発見。その分、お湯や石鹸の強い香りが鋭敏につたわってきた。私の場合、海外へ行く前の日は眠れないので、少しでも安眠しやすいようにと、思ったのだ。


今朝の風呂は、昨晩の名残があって、
一面に水素の蒸気が漂っているよう。
昨晩。11時に入った水素風呂を落とさなければよかったと少し後悔したが、ゆっくりと浸かっている暇はない。(私の場合はお風呂から何かをはじめ、一日の終止符を打つのが習慣だから)



明日の早朝からのウィーン行きで、絶対に行きたいカフェに再びチェックをいれて、さぁもう、お風呂からあがろう。
すこぶる頭が冴えているのか、この時、忘れ物を3つほど思いついた。ひとつはモロッコのスリッパ(バブーシュ)。いま進行している雑誌の途中経過の刷り上がり。機内で鞄をくるむ袋。2種のサプリメント。もしかしたら、旅立つ前のこういった瞬間が一番好きなのかも知れない


6時40分に家を出て伊丹空港へ。






8時のANA便でまず羽田空港へ行き、編集の若い女性と落ちあう予定だ。

機内ではずっと、ラフマニノフの「楽興の時」を聴いていた。前日にヨドバシカメラで購入したBOSEノイズキャンセリング(QuietControl 30 wireless headphones)の機能は想像以上!






エンジン音はほぼ聞こえない。空を、滑るように飛ぶ不思議な浮遊飛行。音が官能的なまでにかたりかけてくるサウンドの中をドラマチックに飛べる。


ラフマニノフは、波のような旋律で訴えかけてくる。
脳に一節一節、刻み込まれていく揺るぎない解釈。

つたえたいものが伝わってくる力のある音。
愛しく、哀しげに、どこまでも訴えてくる調べだけに集中して聴いていた。

ラフマニノフを聞きながら、飛行を続け、12月号の「翼の王国」をよむ。

いつも真っ先に開き、今回もやはり開いた吉田修一氏の「空の冒険」 。今月号は「ジンセイハツノトークショー」 ……。

眼下にはいくらでも白い雲がふえていく。







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