月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

丹波篠山「澤藤」さんの箱寿司

2020-07-18 23:54:00 | コロナ禍日記 2020

 

ある日。  5月26日(火曜日)晴

 

 朝7時に起きる。瞑想20分。きょうの瞑想には、みのり苑の「沈香」の線香を焚いた。

 気持ちを落ちつけて原稿にむかおうとするも「きょうは4時から会議なので、篠山に野菜を買いにいく日でしょ」とパパさんから即され、切りのよいところで片づけて、準備。

 朝食には、グリーンサラダ。果物にはマンゴー、バナナ。トーストとコーヒーで。

 10時に出発し、途中、セブン-イレブンでコーヒーラテを買い、ジャパンでマスクや消毒シートを買う。丹波篠山のJA味土里館へ。フルーツと野菜がメーン。

たけのこ、実山椒、小松菜、レタス、サンチュ、空豆、えんどう、きぬさや、原木しいたけなど、多々。篠山牛のきりおとし、薄切り肉、5分づきのお米……。

 

 篠山市内にたちよって「清明堂」さんで、草餅をかう。4回チャレンジして売り切れだったので、一体いつになれば買えるのだろうとため息を諦めていた。今朝は11時半。午前中なら買えるだろう。

 「ありますよ。あとこれだけ」とみせてもらった。和菓子をいれる黄色いプラスチックケースが5箱みえるが、最後の箱。あと30個くらい。あとこれだけ……!

 おじいちゃんが、アルミのはさみで和菓子を持ち上げ、緑色の包みにいれてくれる。恐れ多くも8個買う。1個140円である。ああ、草餅。楽しみでたまらない。



 


 

 このあと、Nとパパさんは茅葺き屋根の古民家で自然薯のそばをたべさせてくれると看板をみて知り、そこでお昼をとろうと目論んでいるようだった。

 賛成のつもりだったが、ふとみると、以前、友人3人で立ち寄ったことがある〝押し寿司〟が名物の「澤藤」さんがみえて、思わずストップ!ここしよ!と強くいってしまい、パパさんは不機嫌ながら、車をとめた。まずい空気が流れ、「蕎麦でもいいのよ」と言い直したがあとの始末。仏頂面を吊り下げた面々でそちらへ向かう。

 

 室内は、よく掃除がとどいて清潔な店内だ。

 

「いらっしゃいませ」の声が、きれいに聞こえた。やわらかい物腰の地のおばさんの接客である。

 

 箱寿司と巻きずしのセット。鯖寿司。吸い物、赤出汁をオーダー。

 しばし待つ。5分ほどで供されようとしている寿司の色と上品な酢の香りに、思わずごくりを唾をのんだ、と思う。それほど見た目にもおいしそうで、これはと期待が高鳴った。

 

 穴子と鯛。卵と鱒ます 新鮮で下処理の丁寧に施された魚も活がよくやわらかく。素材のうまみをぎゅっと、ほんわりと仕上げた素朴な押し寿司。

 寿司飯にだしをたしている、と思われるが、より魚と米の味をうまく引き出している、と思う。よかった。これは気に入った。鯖寿司の酢加減、鯖の脂のりも上々だ。昆布で締めてあるのだろう、臭みもなく、体のおちつく、よい昼食となった。コロナで外食自粛中に、食べられたことが、心にしみた。





 

 麻のれんをでると、雨がふりだした。入店前とは大違いで私たち3人は満足し、頬を緩ませつつ、小走りに車に乗り込んだ。

 

 帰宅後。仕事を1時間半。

 

 夕ご飯には、きゃべつと丹波篠山の山の芋をまぜて、お好み焼きにした。普段は、おたふくソースだが、この日は高級千房のソースで。(パパさんの接待のおみやげ品)。鹿児島の豚バラ肉、干しエビ、こんにゃくなども、いれた。外はカリッと香ばしく焼き上がり、中はもっちり粘りがある。強い山芋の香り。お代わり!の声に、追加で1人2枚、するするっとお腹に消えた。



 

 夜。仕事を2時間だけして、1時40分に就寝。