月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

日本とフランスの贅と美、極まる世界に震えた夜。

2013-10-12 19:47:58 | 大阪ごはん


台湾旅行記をアップしようと思いながら、忙しさMAXで全く余地なしである。


しかし、週半ばにはまだ余裕があって、インターコンチネンタルホテル大阪の20階フレンチ「ピエール」にてリッチに女子会。




WEB上で知り合ってブログを交換し、
以来はじめての顔合わせである。

ドレスコートがいる高級レストランなんて久々なので超緊張するが、
想像以上にリラックスした雰囲気のなか、Smileを交わし合う。
ここは高層階とあって眺めは最高。
淀川の流れとラグジュアリー度満点の大阪駅周辺を壮観でき、いい気分。
黒服のサービスはクオリティ高く、ほか若いスタッフも感じよかった。


最初のアミューズは手でつまんで頂く。こんなかわいらしいお皿。



アンティチョークのスティック。
イカスミのカナッペ。エビの包み揚げ。キウイの下には濃厚チーズがサンド。こんな想像以上に楽しい前菜からスタートする。



パンもかたちはユニークだし、種類違いの小麦で3種類。
噛むごとに小麦の不思議な香りと豊かさが味わえる。
チーズも岩塩をいれたものが登場。





次いで鴨肉のジュレ、水茄子添え。(写真なし)

島根県産のカキとアワビにマスカット(果物)をちりばめて、
クリームとシェリーのソースで味付けた一皿。
海の幸が、シュリー酒とよくあい、こちらも驚きの味。愉しかった。





一口のソルベ。お口直し。





次いでニュージーランド産の子羊を香草と甘酸っぱい茄子で包んだメーン。
臭みも全くなく、不思議な口当たりとソース使い。あっという間に胃袋に
ストンと落ちる。





(下の一皿は、友人の子牛のソテー)


次いでコンテンポラリーなレモンタルト。




タルトといってもロール状のお菓子がヨーグルトのソースで包まれていて、
これまた洋酒使いがおもしろい。
エディブルフラワーなどがあしらわれてキレイ。



最後はコーヒーに、ミニャルディーズ。



見た目だけでなく味もキュートで。
マンゴーソース入りのチョコやマカロン、キャラメルなどが一皿に盛られて。楽しかった。
帰りには桐の小箱にはいった、おみやげも渡された。すごく居心地のいいサービス。娘のNもよい環境で働かせてもらってよかった、よかった。

リッツカールトンのフレンチ「ラベ」のようなもてなし方だと想像したが、こちらのほうがずっとカジュアル。
ゲストも若い人が多くモード感がある。



お友達とは、初めてあったとは想像できないほど、話ははずみ愉しい時間はアッという間。
彼女は英語が堪能でそのほかに中国語も習いはじめたとか。
娘さんは西大和の高校に通うエリートさんで、私が台湾の話をいろいろ紹介するとものすごく喜んでくれ、ノリで西天満の中国茶の店へも案内(笑)。
再会を約束して分かれた。




普通はコレで自宅へ帰り仕事するでしょう…。
しかし私ったら
そのあと、なぜか宮崎駿監督の「風立ちぬ」、を観たくなって、一人でステーションシネマへ。
なぜなのかな、あまりに優雅で豊かな心地に包まれすぎて、感性が敏感になっていたのかもしれない。
それか、堅実で人の手のぬくもりのする、
温かい世界に居たかったのかもしれない。

「風立ちぬ」。いきねば。


田園風景や、軽井沢も昭和レトロなところも、
そして大切な愛するを思う純情というか、
こころとこころの、純粋な結びつき方があまりに美しくて、いい世界だった。

ずっーといつまでも観ていたかった。

宮崎監督がホントに描き残しておきたかった世界観。
飛行機は夢だ、映画も美しい夢だ、とあるように、
日本の(戦争の悲劇はもちろんあるけれど)輝くドリームがそこには描かれていた。

「風立ちぬ」は、ジブリ作品のなかでは、「トトロ」や「ポニョ」「千と千尋の神隠し」に並ぶ、好きな作品となるかもしれない…。
元々、堀辰雄は好きなんだけど。
あれほど、日本の美しさ(田園、軽井沢、汽車等)が描けるアニメーターは
やはり宮崎監督の他にいないと思う。昭和レトロな大好きな時の日本。
大人のアニメでもあった。

それは紛れもない真実、空想なんかでは決してない。あの日の日本の姿。
日本人は規律正しく、勤勉で、そして誠実。あんな風にクリエーターは仕事して、高度経済成長を勝ち取ったのだ。日本の技術力はそうやって伸びたのだ。
宮崎監督は、本当に素敵だった日本のありし姿を残しておきたかったのかもしれないと思った。

そして宮崎監督自身が「死」というものを視野にいないではいられない年齢。心はまだ夢を追う少年のようでありながら、
あの日。戦争時代にいつでも死が隣り合わせであったように、監督自身もいま死が親しいものとして、存在するのだろう。
人生は、まだあんなに美しく、生気にみちて輝いているというのに…。



本当にこの晩は、日本とフランスの贅と美、極まりない世界に震えた夜だ。


そして。

この晩の、1本の電話からはじまって、翌朝には電話で打ち合わせ。

昼からは3本の電話と2本のメールなどによって、一気に仕事が動き始めた。

これまで聞いていた案件や、止まったままになっていた案件も含めると、お断りすることもできず、あー、こんなに沢山のものをクオリティを落とさずに出来るかしらと、
ちょっとしたプレッシャーに打ちひしがれそうになりながら、仕事をしている。

台湾紀行、続きを書きたいけれど、いつになるかなぁ。
もし、続きをはやく読みたいと思ってくださっている方があれば申し訳ないです。ヒマを見つけては更新します。



フレンチレストラン「ピエール」
06-6374-5700
大阪市北区大深町3-60 インターコンチネンタルホテル大阪20階
11:30~15;00、18;00~23;00