パワハラ、セクハラは聞いたことがあるけど、エイジハラスメントって?
朝青竜ですっかりおなじみの内館さんが何を言ってるんだろう?
興味津津で図書館の棚から抜いた。
読み終わってじっくり表紙を見るとすべてが納得できるイラストになっていた。
最初から惹きつける言葉が登場。
女性誌は
「女の魅力は40歳から」とか「あるがままの自分を受け入れることが女の魅力を増す」と
女の魅力は年齢ではないページの一方で
「アンチエイジング」「シワを目立たなくするマッサージ」特集を載せていると。
40代後半の男性上司から就職した日に
私の紹介の後で「ここはおばさん率が高くなった」と冗談めかして言われた事は
この小説で言う『エイジハラスメント』であったらしい。
言われた本人である私が傷ついていないから、ハラスメントであるとは気がつかなかったが。
若さを誇って『年寄り』をバカにして優位に立ったところで
誰もがいつか行く道が今現在バカにしている『そこ』なので、
そう言う人を見ると『想像力欠如』を思うだけ。
老いに竿たてて若さ奪還の34歳と
若さを誇る21歳の痛烈なバトルがおもしろい。
古女房が安定をくれている現実を忘れて
うかうかと若い女と浮気をしてしまう夫が「女の魅力は年齢を重ねたところ」などと言う白々しさが笑える。
最終的に自分の若くありたい呪縛からの脱却は、自分自身の自立度だと気がつくところで終わっている。
アンチエイジングが人生の最大の関心事ではなく、
自分が何を成したいか?しっかりと目標持って歩めば、
自分から自由に成れると言う。
強い内館牧子精神に一理あり。
若さも健康もジワジワと下ってゆくのは自然なこと。
若い時のままのキープが生きる目的になっては、今を楽しめない。
私は専業主婦でずっといるつもりだったが、突如、伴侶の死を持って『専業主婦』を失業させられた。
経済的にも自分で立たなければ、遺族年金は「生かさず殺さず」微妙な金額でしかなかった。
シングルになって
夫頼りで夫の風除けの中で生きていた私と知って、愕然とした日から九年目が巡っている。
気がつけば、曲がりなりにも自分の足で立っている。
逆境だと思えば逆境。
自然のまま流れるがままの自分を
『あらあら~うふふ』と受け入れたら、不幸感や辛さの半分は消える気がする。
『これじゃあダメだ』『どげんかせんといかん』と私はあまり思わない。
子を産み育てる性は、
環境順応が自然と身についている気がする。
逆境も見方にする術が子を守るために与えられているように思う。
決して、『強い』わけではない。
今日は折しもひなまつり。
『原始、女性は太陽であった』
女性である事を賛美しよう。