陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

さいごの毛布 近藤史恵著

2014-09-20 04:32:48 | 


老犬ホーム「ブランケット」が舞台のお話。
老健施設でなく、老犬。
老犬を飼えない人がお金を支払って、預ける所。
原則は10歳以上と言うことだけれど、事情があって若い犬も居る。

「三つの名前を持つ犬」同様、社会適合が少々むつかしい人物が登場してくる。
物語の最後に、
犬がよろこびなど感情をストレートに表すのは、群で生活するのに必要な能力かも知れないと、主人公の気づきシーンがある。

ストーリーは施設に預けられても飼い主をひたすら待っている犬の気持ちと
母親に見捨てられた観を持って大人になった人間の気持ちがクロスして展開し、
良い方向に流れて終わる。

老犬の死が少しきれい過ぎはしないか?
目や耳が聞こえない老犬や歩くのがやっとの老犬を散歩させているのも
近隣で目にする。
ペット用品にオムツがメジャーになって久しい。
医師の常駐しない施設で、具合が悪くなったら車移動が必要な病院頼りと言う設定も安直な感じ。

ここのところ二匹、腎臓の病で点滴なしで生きられない高齢猫を見送った。
最後の最後は点滴の意味もわからない猫に、点滴の苦痛を強いているのは、私のエゴのような気がしてきた。
だんだん弱る最後の最後は飼い主の私が決めたようなもの。
嫌がる点滴はもう止めようと。
その晩、どちらの猫も膝に抱っこで、目から光が失われる時を過ごした。

人の自宅介護の限界もさんざん見る仕事に携わっていたこともあって、
老犬の世話がこうきれいごとであるはずがないと余計、思うのかもしれない。

施設入所を拒まれる理由に
愛犬、愛猫のことが確かにあった。
どこか最期まで安心して預けられる施設が実在すれば助かる。
人の入所費用も人手での在宅介護費用も出せない経済状況も珍しいことではない。
あってもお金次第...

こんなことを書いていると、犬と人間の関係も甘過ぎ?な気がしてきた。
読んで気持ちが軽くなる小説ではあるけれど。

三つの名前を持つ犬 近藤史恵 著

2014-09-18 07:16:49 | 


これはミステリーの範疇になるのかな?
犬は飼い主によってしあわせ度が違ってくる。
犬に関わる人間はどうしようもなく努力が無理な易きに流れるタイプ。
昨日、シルバー人材センターの説明会に行って
もっと高齢な人たちの労働意欲を横目に
「私には無理」
とすごすご帰った自分と寸分違わない感じで読み進んだ。

エルとササミとナナの三つの名前を持つ犬はホームレスに飼われていた。
そっくりの犬は動物愛護ボランティアの里親会でもらったミックス。
血統正しいペットショップの犬でないところが私好み。

ダメな方へダメな方へ流れる自分に自己嫌悪な飼い主を
やわらかい毛玉の体温が慰め
真人間への意欲を引き出してくれる。

分かるわぁ~
拾い猫のモコもじっとっと沈んでいると
すり寄って顔や涙を舐めてくれる。

共感しつつ一気に読んだ。
犬も飼いたい衝動にコピっと駆られている。
いかん…ダメ!!!

近藤史恵リクエスト!ペットのアンソロジー

2014-09-17 19:17:13 | 


近藤史恵を知らなかった^^;
ペットに惹かれて借りてきた。
ペットは犬猫はもとより鳥に爬虫類と甘くならない構成。

今、猫と二人?暮らし。
自由を奪って人間の都合のいいようにして。
モコが居るから安定していられる自分も感じている。
なんだかんだって、最終的にペット愛溢れるお話は
「ご馳走さま」
と、言う感じ。
もっとも、爬虫類より手触りのいいモフモフのペットがいいけど。

なかなかの作家と内容のセレクトだったから、
近藤史恵の犬が出てきそうな小説を二冊借りてきた。
「三つの名前を持つ犬」
「最後の毛布」




旅屋おかえり 原田マハ著

2014-09-16 15:05:14 | 
泣かせてくれる。
悪い人が一人も出ない。
人はみんないいとこもわるいとこも持ち合わせてなんぼ。

落ち目のタレント 丘えりか が主人公。
旅からおかえり。
名前から笑える。
ご都合の良い偶然が重なってストーリーが展開するが、
心身お疲れモードの時はいいかも?



って、言うか最近はお固いのは無理に成って来ている感じ。

喘息の秋

2014-09-16 07:13:15 | Weblog


久々の喘息発作がきた。

もともと、
春は鼻炎と目のカイカイ。
初秋は喘息。
アレルギー反応に差があった。
春はメジャーなスギとヒノキ花粉。
秋はイネ科の植物花粉。
気温の日内変動もダメ要因かな?
お盆明けから子供たちの運動会頃が最悪だった過去がある。
アレルゲンを検査してもらったら、
猫の表皮ってのにも反応してたっけ…

ずっと大丈夫だったんだけど^^;
三連休が開けたので、かかりつけの病院に行って来ます。
仕事を辞め、念願の家のコピっと改築も済んで気が緩んだかな?

母親ウエスタン 原田ひ香著

2014-09-09 22:37:27 | 


母のない子を求めて、押しかけ母になり、理想の母親になりきる。
父子家庭に落ち着きがでてきたら、風のように去って行く女。
なるほど題名の「母親ウエスタン」

実の母より一時の俄か育ての母を乞う子供。
いつまでも子離れしたくない実母。
私自身、母親であり子供でもある。
いろいろと思うとこあり。

転々とする地方のコチンコチンの考え方や感じが
田舎に住んでいるからこそとなんだか分かりすぎるとこもあったわ。

読み易くて手ごたえがあって、
久々にコレ、当たり

ホントは原田ハマさん作と間違えて借りてしまったんだけど(~_~;)





アククレピオスの恋人 林真理子著

2014-09-08 04:15:15 | 
ええまいど、やっぱり登場人物は金と美とお家柄という分かりやすい上層階級ばかり。

アククレピオスというのは
ギリシア神話医術つかさどる神様。
いつも杖を持っていて、それで病人を治すが、杖にヘビがからみついていたそうで、
主人公の属するWHOのマークになっているそう。

医者の話なので、とりわけお家柄にもこだわり。
医者家庭に育って医者になるもの。
サラリーマン家庭から一族の夢背負って成る者との差。
こう言う細かな階級区別のいやらしさを書かせたらこのひとの右に出る人はないかも?

彼女の上向志向、劣等感の裏返し?
どうでもいいけれど、ブツクサ言いながら全部スイスイ読んでしまう。
この読みやすさに惹かれては林真理子を読んでしまう。

WHOとのことで、今世の中を震撼させているデング熱もエボラ出血熱も登場してくる。

人間模様の絡み、人の底意地の悪さ、俗人だらけの医師の医師たる真髄をみせて物語は終わる。

素人と著者がかなり調べて書いている努力感じた。
これだけ医者ブランド好きに書かしてみようという編集者の意図もあったかな?
と、言う気もしないでもないでもない。



リボン 小川糸著

2014-09-03 04:03:13 | 


何日かけて読んだ。
小鳥と人との交流が幾つかの物語で構成され
どこかで人が絡んで大きな話の流れになっているんだけれど、
最近は、本を開く度に前に読んだ部分を忘れ...
何度も重複して読み返し話を追う感じだった。
一気に読んだ方が良い話だったかな?

リボンはオカメインコの名前。
おばぁさんのすみれちゃんがなんとお団子に結った頭の中で孵化させる。
このすみれちゃんが老いる過程と孫の成長も読みどころ。

著者ならではの感受性豊かなというか
どちらかと言うとデリケートすぎる登場人物がやさしく描いてある。

孫で語り手のひばりが大人になって傷つき過ぎているとこ。
大人っていろいろあって大人になるワケだけど、ちょっとついて行けなかったかなぁ~

人と人と、人と小鳥と魂で繋がるリボン。
題名と小説の命題がラストで合致なんだけど...
なんとなく私は醒めた。

糸さんファンごめんなさい。

野良犬

2014-09-02 07:50:33 | Weblog


同じ野良犬だろうか?
少し向こうでも出会った気がする。
人間不信。
私の姿を認めただけで逃げ出す。
白い和犬。
柴犬くらいの大きさ。
下腹は相当に薄汚れていた。
シェイプされ過ぎの肢体は飼い犬のものではない。
子を産んでしばらく経ったような垂れたまだ乳が出そうな乳房。

こんな体で母になった。
子はどうした?
今日の餌はどうなんだろう?

お洋服を着たリードのワンコに何匹も出会った朝散歩。
この子の写真は
怖がらせそうで撮らなかった。

廃材の水車と室生犀星の詩

2014-09-01 15:51:29 | Weblog




朝ランウォークはいつもと違うコースをとった。
小川になにやら金属の水車。
製作者とおぼしきシニアが微調整中。
声をかけてしっかり見せていただく。
昔は自動車の整備をされていたとかで、
不用品を加工するお道具はバッチリだそう。
ケーブルテレビが取材に来たとか。

「ちょうど通学路で子供たちが見てくれるでしょう?」

と、問うと
最近の子はさっぱり興味を示さないそう。
立ち止まるのは暇なシニアだけ?

いろいろと工夫の苦労を語られた。
なんだか楽しそう。
人の評価なんかどうでもマイワールド。
そうそう(*^^*)

昨日聞いたNHKFMきらクラ。

8月31日放送の「お題」
◇BGM選手権 :
僕は気がつくと裸で
ひるま街を歩いていたのであつた
こんなことはあるべき筈ではないと
手をやつて見ると何も着てゐないのであつた
何といふ恥かしいことだ
僕は何か着るものがないかと
往来を見まはしたけれど
ボロ切れ一つ落ちてゐなかつた
電車や馬車やは
明るい日ざしの下に街とともに動いてゐた
僕はくらい小路に逃げ込んだ
やはりその小路にも疎らに人は通つてゐた
みんな不審さうに僕の方を見てゐた
巡査でも来たら大変だと思つた
しかし着るものがない
今はからだ一つしかない
世の中の人はみんなああやつて着てゐる
はだかで居るのは僕ひとりだ
僕はどうすれば着れるのだ
とある軒下に佇つてぼんやり考へてゐた
たれか知人でも通らないかと
いやしい心を叱りながらも
やはりそれを求めてゐた
だれも通らなかつた
かまはない
裸で歩いてやれと思つた
自分は大胆に大きく
自分の踏むべき土を踏んで行つた
はげしい往来へ出て行つたけれど
ふしぎに人人は咎めなかつた
人人は安心したやうな目つきで
自分を眺め あるものは握手さへ求めた

(室生犀星 著「愛の詩集」から「よく見るゆめ」より)

人は人、我は我。
人の目、評価はどうでもいい。
自信を持って
私も自分の楽しみを~🎵