えー、ここで販売士1級の問題を再び出題してみますので、よければ
トライしてみてください。
【問題】週間販売計画策定の重要性について、簡単に説明しなさい。
【模範解答】
1週間を基準とした販売計画を作成し、それを忠実に実行していくことが
小売業の基本的業務である。
年間や月間を単位とした販売管理では、成熟した今日の消費市場の変化や、
国民の祝・祭日、そして地域行事などにきめ細かく対応できないからである。
今回は少し難しかったかもしれませんね。
まず、週間販売計画とはどういうものかといいますと、小売業に従事している
方なら理解できるとは思うのですが、ある商品を1週間でどれくらいお客様に
販売する、あるいはできるのか、という販売計画のことを指しています。
食料品店「A社」を例に挙げて説明しましょう。
たとえば、1個100円の缶ジュースがあったとします。
ここでは、銘柄をペプシコーラにしておきましょう。
さて、A社ではこのペプシコーラを取り扱っているのですが、来年度の仕入計画を
そろそろ立てていく時期となり、担当者は今年度の販売量を帳簿で確認しながら
今年度の傾向を分析しています。
すると、帳簿からはいろいろなことが分かってきたのです。
まず、1年間の売上量自体は、過去と比較して微増傾向にあり、月間で
比較した場合でも、今年度の売上量は夏の暑い時期に、過去と比較して
倍近く売り上げていることがわかりました。
また、秋(9~11月)においても、今年度の売上は例年よりも高い売上
となっていることが分かりました。
つまり、過去に遡れば遡るほど売上量は減少し、月間の売上量は変化の少ない
数字になっていた、その一方で、今年度の売上は大きな季節変化を受けた
売上数量となっていた、ということがわかったとしましょう。
これはどういうことなのかを考えてみましょう。
ジュースというのは、一般的には暑い季節に大量に販売されることは、
皆さんもよくご存知のことだと思います。
寒い日にわざわざよく冷えたコーラを購入する人なんて、あまり御目に
かかることは出来ませんよね。
つまり、ジュースを販売する会社にとっては、売れる時期にどれほど売上を
伸ばすか、反対に売れない時期にいかに在庫を減らしておくかが、重要な
販売計画の骨子となります。
そして、売れる時期を7月と仮定した場合、7月を5週に区切り、その1週間
あたりに何本売れるかという販売計画を具体的に策定し、仕入を行っていく
ことが重要になります。
ここで特に大切なことは、売れ筋商品を欠品させない、ということです。
せっかく店に置いておきさえすれば売れる商品なのに、欠品等の理由で店に
置いていなければ、「販売機会(チャンス)の損失」となってしまい、売上は
上がらないわ、肝心のお客様にも逃げられてしまうわ、という事態に陥って
しまいます。
ですから、A社においては、売れる時期に売れる商品を欠品させることなく、
仕入れを行って、店の目立つ場所に陳列するように、POSデータや需要動向
の変化、地域イベント情報を収集しながら、年々、販売計画を正確に出せるよう
工夫していたのです。
たとえば、秋には、各地でさまざまなイベントが実施されているのですが、A社
ではイベントでよく売れるビールやお茶などの飲み物を多く仕入れ、売上に
結び付けています。
また、冬には炭酸系の飲み物の取り扱い量を減らす代わりに、鍋物などにもよく
合うウーロン茶などの飲み物を、2ℓや1.5ℓサイズのペットボトルで仕入れ、
鍋物のコーナーに陳列し、関連販売を行っています。
このようにした販売計画・販売努力によって、A社のジュースの売上は効率的に
なり、売りたい時期にドンッと売れるようになり、売れない時期には売れる商品に
切り替えて売上を維持する販売努力をするようになったのです。
ここで大切なことは、仕入れと連動した販売計画を、担当者が週単位で計画して
いくことなのです。
もちろん、年初販売計画は年間から月間へとブレークダウンするのですが、実際に
店頭に陳列することを意図した具体的な販売計画においては、週単位で計画・実施
していくことが望ましい場合が多くあります。
ただし、これは仕入れが1週間以内で可能は商品に限定されます。
したがって、「プレステ3」のように、話題の新商品であり、かつ流行商品のような
場合では、仕入れに時間が掛かりすぎて週間計画には適さない、ということに
なります。
そんなわけで、週間で販売計画を策定し、その計画に基づいて仕入れを実施し、
仕入、受入、検収、店頭での陳列・販売へと結び付けていくことになるのです。
そもそも、販売計画というのは「販売予測」のことですから、担当者は売上を
予測しなければならないのです。
いくら、年初に正確な販売計画を予測・立案したからといって、そのとおりに
販売できることなんていうのはごくマレであり、大体の場合は不測の事態によって
販売計画は修正されます。
したがって、予測というものは、予測したい日に近ければ近いほど、正確な予測
が可能になるのは、当たり前のことです。
つまり、1週間先の売上を予測する場合と、明日の売上を予測する場合では、
明日の売上を予測する方が当たる確率が高いということなのです。
小売店での販売予測は、仕入期間・陳列上の物理的問題があるため、さすがに
日単位での販売計画の立案は難しいのですが、週単位なら比較的予測しやすいし、
発注-仕入期間にも比較的に余裕を設けられるのです。
ここに週間販売計画の必要性があるのです。
地域行事や消費者の動向、祝・祭日の影響などは、予測を立てる日が近ければ
近いほど、販売計画に反映させやすいのです。
トライしてみてください。
【問題】週間販売計画策定の重要性について、簡単に説明しなさい。
【模範解答】
1週間を基準とした販売計画を作成し、それを忠実に実行していくことが
小売業の基本的業務である。
年間や月間を単位とした販売管理では、成熟した今日の消費市場の変化や、
国民の祝・祭日、そして地域行事などにきめ細かく対応できないからである。
今回は少し難しかったかもしれませんね。
まず、週間販売計画とはどういうものかといいますと、小売業に従事している
方なら理解できるとは思うのですが、ある商品を1週間でどれくらいお客様に
販売する、あるいはできるのか、という販売計画のことを指しています。
食料品店「A社」を例に挙げて説明しましょう。
たとえば、1個100円の缶ジュースがあったとします。
ここでは、銘柄をペプシコーラにしておきましょう。
さて、A社ではこのペプシコーラを取り扱っているのですが、来年度の仕入計画を
そろそろ立てていく時期となり、担当者は今年度の販売量を帳簿で確認しながら
今年度の傾向を分析しています。
すると、帳簿からはいろいろなことが分かってきたのです。
まず、1年間の売上量自体は、過去と比較して微増傾向にあり、月間で
比較した場合でも、今年度の売上量は夏の暑い時期に、過去と比較して
倍近く売り上げていることがわかりました。
また、秋(9~11月)においても、今年度の売上は例年よりも高い売上
となっていることが分かりました。
つまり、過去に遡れば遡るほど売上量は減少し、月間の売上量は変化の少ない
数字になっていた、その一方で、今年度の売上は大きな季節変化を受けた
売上数量となっていた、ということがわかったとしましょう。
これはどういうことなのかを考えてみましょう。
ジュースというのは、一般的には暑い季節に大量に販売されることは、
皆さんもよくご存知のことだと思います。
寒い日にわざわざよく冷えたコーラを購入する人なんて、あまり御目に
かかることは出来ませんよね。
つまり、ジュースを販売する会社にとっては、売れる時期にどれほど売上を
伸ばすか、反対に売れない時期にいかに在庫を減らしておくかが、重要な
販売計画の骨子となります。
そして、売れる時期を7月と仮定した場合、7月を5週に区切り、その1週間
あたりに何本売れるかという販売計画を具体的に策定し、仕入を行っていく
ことが重要になります。
ここで特に大切なことは、売れ筋商品を欠品させない、ということです。
せっかく店に置いておきさえすれば売れる商品なのに、欠品等の理由で店に
置いていなければ、「販売機会(チャンス)の損失」となってしまい、売上は
上がらないわ、肝心のお客様にも逃げられてしまうわ、という事態に陥って
しまいます。
ですから、A社においては、売れる時期に売れる商品を欠品させることなく、
仕入れを行って、店の目立つ場所に陳列するように、POSデータや需要動向
の変化、地域イベント情報を収集しながら、年々、販売計画を正確に出せるよう
工夫していたのです。
たとえば、秋には、各地でさまざまなイベントが実施されているのですが、A社
ではイベントでよく売れるビールやお茶などの飲み物を多く仕入れ、売上に
結び付けています。
また、冬には炭酸系の飲み物の取り扱い量を減らす代わりに、鍋物などにもよく
合うウーロン茶などの飲み物を、2ℓや1.5ℓサイズのペットボトルで仕入れ、
鍋物のコーナーに陳列し、関連販売を行っています。
このようにした販売計画・販売努力によって、A社のジュースの売上は効率的に
なり、売りたい時期にドンッと売れるようになり、売れない時期には売れる商品に
切り替えて売上を維持する販売努力をするようになったのです。
ここで大切なことは、仕入れと連動した販売計画を、担当者が週単位で計画して
いくことなのです。
もちろん、年初販売計画は年間から月間へとブレークダウンするのですが、実際に
店頭に陳列することを意図した具体的な販売計画においては、週単位で計画・実施
していくことが望ましい場合が多くあります。
ただし、これは仕入れが1週間以内で可能は商品に限定されます。
したがって、「プレステ3」のように、話題の新商品であり、かつ流行商品のような
場合では、仕入れに時間が掛かりすぎて週間計画には適さない、ということに
なります。
そんなわけで、週間で販売計画を策定し、その計画に基づいて仕入れを実施し、
仕入、受入、検収、店頭での陳列・販売へと結び付けていくことになるのです。
そもそも、販売計画というのは「販売予測」のことですから、担当者は売上を
予測しなければならないのです。
いくら、年初に正確な販売計画を予測・立案したからといって、そのとおりに
販売できることなんていうのはごくマレであり、大体の場合は不測の事態によって
販売計画は修正されます。
したがって、予測というものは、予測したい日に近ければ近いほど、正確な予測
が可能になるのは、当たり前のことです。
つまり、1週間先の売上を予測する場合と、明日の売上を予測する場合では、
明日の売上を予測する方が当たる確率が高いということなのです。
小売店での販売予測は、仕入期間・陳列上の物理的問題があるため、さすがに
日単位での販売計画の立案は難しいのですが、週単位なら比較的予測しやすいし、
発注-仕入期間にも比較的に余裕を設けられるのです。
ここに週間販売計画の必要性があるのです。
地域行事や消費者の動向、祝・祭日の影響などは、予測を立てる日が近ければ
近いほど、販売計画に反映させやすいのです。