細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

続・源平

2010-10-11 14:56:30 | 趣味のこと
昨日から,吉川英治の「新・平家物語」を読み始めました。文庫本で16巻もあるので,超大作です。

平清盛が20歳のところから物語が始まります。描写が巧みであっという間に引き込まれてしまいました。すごく面白い。

吉川英治の作品はいくつか読んでいますが,さすがに16巻もの大作とあって,端折る雰囲気が全くなく,庶民の生活なども細かく描かれており,また登場人物の心情描写も細かく,とても読み応えがあります。

海音寺潮五郎いわく,日本の歴史の6大スペクタクルの一つが源平の争いだそうで,いつか新・平家物語を読みたいと思っていました。

しかし,16巻の構成を見てみると,それぞれのコンテンツは私も何となく勉強したり,知っていることが多いです。平清盛についてはほぼ無知ですが,頼朝や義経を通してのこのスペクタクルについてはそれなりの知識は持っています。

たて穴を掘る力と,横に展開するπ型もしくはT型の力。日本の歴史を学んでいく上で,この二つの力の大切さを痛感します。源平については,私はいくつかのたて穴は掘ってきたのでしょうが,横に展開して全体像をつかむ努力をしてこなかった。意識すればすぐにできます。「新・平家物語」は私にとって,源平という我が国の歴史のスペクタクルの一つを,縦にも横にも学ぶことのできるとても楽しみな歴史小説です。

研究も全く同じ。たて穴を掘る力と,全体を見渡して本質をつかむ力とどちらも必要。

今年の終盤は平家物語でどっぷりいきそうです。