細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

ベストティーチャー賞

2008-05-11 08:05:39 | 教育のこと
平成19年度の横浜国立大学のベストティーチャー賞を受賞したとの連絡がありました。とてもうれしいです。

講義だけでなく,普段の教育に対する思いが評価されたものだと勝手に理解して,励みにさせていただきます。

教育に対しては私なりに思うところがいろいろとあり,それなりに熱心にやってきたつもりではあります。しかし,数年前まではベストティーチャー賞をいただけるようなことはないだろうと思っていました。講義で特段にツールを工夫しているわけでもない。学生との双方向の授業を心がけているわけでもない。ただ単に「熱心に」やっているだけ,と自分では思っていました。

しかし,その「熱心に」をもう少し突き詰めていくと,いろいろな工夫が出てきます。「熱心に」やるということは,そのベースになる私の思いがあります。ただ単に漫然と熱心にやるのではなく,ストレートにその熱心さを一つ一つ形にしていくようになってきました。講義の初回は90分すべてを費やしてイントロダクションに当てています。講義中の雑談にも思いをこめています。どうせ学生と一緒に講義の時間を過ごすのであれば,ぜひ一緒に楽しんで欲しいし,私から少しでも多くのヒントを学んで欲しい。徹底してそう思うと,それが工夫として表れることになります。

最近,私が思っていることは,「講義はテクニックではない」ということです。学生に何かを伝えたい,という気持ちは教員であれば誰でも持っていると思います。その伝え方はそれぞれの先生で得意技が違うと思います。結局は,その得意技を徹底して突き詰めるしかありません。中途半端にテクニックだけ磨いても学生の心には響かないと思います。

今回の受賞を励みに,私は私の得意技にもっと磨きをかけていこうと思います。その方向性が間違ってはいない,という自信を与えてくれました。