細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

ブログの効用

2014-05-06 18:30:15 | 研究のこと

ブログの記事を書く時には、あまり時間はかかっていません。

日本にいるときであれば、例えば通勤中などに、ぼやっと感じた「テーマ」があり、それをブログという形で文章に一気に書きます。ぼやっと感じていることを、文章で表現することは、脳の中に散らばっているいくつかの情報をつなぎ合わせて一つの形にするという作業です。

フランスに来てからも、せっせとブログを書いていますが、これは私にとっては大切な作業です。読む方にとっては、駄作や似たような内容のオンパレードかと思いますが、基本的にはこれは日記ですので、自分のために書いているものです。教育という仕事をしていますので、周囲の皆様の人生が素敵なものになるためにわずかなりとも貢献できれば、という気持ちも持って書いてはいます。

フランスに来てからの記事は、日本にいるときよりも執筆に時間がかかっているように思います。

頭の動きが鈍っていることもあるのかもしれませんが、私の推察では、これまでよりも、脳の中でつなぎにくい情報をつなげようとしているからではないか、と思っています。

もともと多くのことに興味がある人間ではありますが、フランスにいる間は、今後の自分の活動を展開していくために必要な肥やしを自分の脳に与える時間だと認識していますので、日本にいるときよりも脳にインプットする情報が多岐に渡っています。情報をインプットして、脳が感じたことを、ブログで文章にしますので、私自身が「つなぐ」ということで格闘している一つの証拠かなと思っています。

そして、この格闘が大事。脳では、良著「海馬」でも勉強したように、神経細胞がつながり、回路が強化されることが重要。回路を通しておけば、いつでも回路を活用することができるはず。
(この「海馬」という本は素晴らしいです。人間に対する応援歌、とあとがきにも書かれていますが、本当にそう思います。しかも、読みやすく、超お薦めです。)

私の研究者としての仕事の特徴に、解説文や論説文を書く機会が相対的に多い、ことがあると思っています。まだ若造ですので、あくまで相対的な話ではありますが、いろいろお声掛けいただいて、貴重な機会を与えていただいています。研究者にはいろいろなタイプがいていいし、いろんな役割があると思っていますが、私は研究論文ももちろん書きますが、解説文や論説文の執筆機会が今後も増えるのではないかと想像しています。

その際に、 誰でも書けるような文章を書きたくはない。フィロソフィーの詰まった、読んだ人の中に少しでも共感してくださる方がいて、何かの変化につながるような文章を書きたい。

ブログを書くという日常行為で自分の脳の回路を鍛えておくことは、日常での講演や講義等のクオリティを上げ、解説文や論説文等の執筆機会を増やし、それらの文章のクオリティを上げることにもつながると考えています。

数日前から、「品質確保と人」というタイトル(仮題)で「コンクリート工学」誌から寄稿を依頼された原稿を書き始めていますが、まさにフランス留学中に勉強したことや、復興道路、山口県等での議論から日々学んでいるフィロソフィーを詰め込んだ文章にしたいと思っています。

論文ではいつも「主観」が多い、と叱られてばかりの私ですが、上記の論説分では、独りよがりにならないように、現時点の私にできる最大限の配慮をしながら、適切に主観を述べたいと思っています。参考文献に村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」も挙げる予定です。 


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