細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

現場、人、体感、つながり

2021-11-07 16:08:19 | 研究のこと

講演をするにしてもオンラインであったり、学内や学会などでの会議の大半がオンラインとなってしまった現状ですが、10月に入って、少しずつ対面でのものが増えてきました。

横浜国立大学は10月から秋学期が始まりましたが、大学の方針により10月一杯はオンラインでの講義が原則で、11月に入って対面での講義が開始となりました。

10月29日(金)に、大豊建設の技術フォーラムにて1時間の講演。「我が国の発展のために真に求められる生産性向上とインフラの耐久性向上」というタイトルで講演しました。対面での講演はかなり久しぶりで、もしかすると1年以上、対面での講演をしていなかったかもしれません。講演にも熱が入り、私が重要と思う雑談もたくさん差し込んでいったので、用意していたスライドはかなり残ってしまいました。しかし、いくつか大変鋭いご質問もいただき、講演も楽しんでいただけたようで、今後のご縁につながる時間となったかと思います。聴衆には社長を始め、会社の幹部の方々もおられました。会場の60人程度の聴衆に加え、オンラインでの聴講の社員の方々もおられたようで、各地でハイブリッド型の講演会が根付いていっているようです。このご縁は、NEXCO中日本の上東さんにいただきました。「招待講演するなら誰がよいか」という主催者側からの相談に、上東さんが私を推薦してくださったとのこと。やはり日々の積み重ね、でご縁ができていくのですね。

10月31日(日)は約2年ぶりの鞆の浦。変わらず羽田さん(「崖の上のポニョ」のリサとグランマンマーレの両方のモデルである(と細田が確信している)羽田冨美江さんのご家族)ファミリーに歓待していただき、また新しいお友達もたくさんでき、相変わらずの鞆の懐の深さに感激。11月1日(月)は小中一貫校となった鞆の浦学園の小4の総合的な学習の時間で、防災授業を2コマ担当しました。担当の元気はつらつの小田先生がこれまでにかなり積み重ねてきておられたので、防災に関する基礎的な知識をそれなりに身に付けた生徒たちに、「公助」の重要性・役割を一緒に考える授業を提供しました。公助なしには真の防災はあり得ず、鞆の浦のようなコンパクトな地域は、山も海も含んで、様々な防災関連施設を直接見ることができます。大都会ではなかなかそうはいきません。生徒たちの極めて活発でハイレベルな質問に私も活性化しまして、大変に刺激的な授業をすることができました。今後、防災の冊子を生徒たちが創り込んで行ったり、地域の介護施設(さくらホーム)のおじいちゃん、おばあちゃんたちと生徒たちの交流も予定されているようで、より魅力的な取組みに発展していくことを期待しています。


(前列は、私の大好きな羽田さんご夫妻と細田)



11月2日(火)は自宅から今度は、静岡県の河津トンネルの現場での勉強会に向けて移動。午後に3つの会議がありましたが、特急電車の中や、民宿についてからのオンライン参加で無事にこなすことができました。勉強会の本番は翌日でしたが、夜の懇親会には産官学のメンバーが集い、熱い技術者論・教育論で盛り上がりました。東北の復興道路・復興支援道路の現場で同志となった安藤ハザマの佐々木照夫所長もこの勉強会のために東北から来て下さり、深夜まで大いに語り合いました。



11月3日(水)は文化の日でしたが、中部地方整備局の河津トンネルの現場での勉強会・品質計測。この現場に通うのも4回目となりましたが、技術や品質に熱い気持ちを持つ様々な立場の方々が集い、連携し、とても良い雰囲気の現場になっていることを大変うれしく思いました。11月26日(金)の午後に、国交省の品質確保の試行工事に関連するオンライン講習会を開催しますが、この河津トンネルでの取組みを発表してもらうことになっています。







11月6日(土)の夕刻に岐阜へ移動。7日(日)は、西松建設の岐阜山縣トンネルにて、覆工コンクリートの養生システムの技術開発。今回の実験では、NATMトンネルの標準断面部と拡幅部(非常駐車帯のため)の両方に適用できる養生システムの走行試験がメインミッション。相当に大変な準備を経て、本日7日に私も視察させていただき、本番の実験となりました。走行試験は非常に上手く行き、今後、本格的な社会実装に向けての課題も明確になってきました。

この技術開発は、大嘉産業と進めていますが、実現場に実装していく際にどうしてもゼネコンの力が必要です。私がいろいろと考えた結果、使い物になるまでの開発は西松建設と進めることにしました。私の教え子で、東北のいくつかの現場で私もいろいろと教えてもらった八巻大介さんに、今日もアドバイザーとして来てもらい、良い検証と今後の課題の洗い出しができました。





岐阜山縣トンネルの発注者の中部地方整備局の監督官は、私が別に取り組んでいる品質確保の試行工事でもお世話になっている監督官で、やはり一つ一つの仕事をみんなで連携しながら誠実に実施していると、様々なところで自然につながっていくのだな、ということを今回も改めて感じました。

やっぱり私は現場が好きでして、リアルな体感を伴う人との付き合い、土木という自然そのものを相手にする営み、に圧倒的な魅力を感じます。


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