細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

学生による論文(47) 「私たちの唯一の故郷・日本を守るために」舟本 耀 (2022年度の「土木史と文明」の講義より)

2022-11-11 05:43:57 | 教育のこと

「私たちの唯一の故郷・日本を守るために」 舟本 耀

 かつて「世界の工場」と呼ばれていた中国。今でもそのイメージを持っている日本人は一定数いて、日本>中国であるという考えを抱く人もいるだろう。しかしながら、実際に見てみるとそんなことは無いのだ。一般的に国力と言われる経済力や科学技術力、その国が国際社会に与える影響力等の分野それぞれについて見てみても、日本は中国に対して全分野で大きく遅れを取っているように思える。「東洋の奇跡」と呼ばれ後にも先にも類を見ないスピードで経済成長を遂げた日本がなぜそこまで落ちぶれたのか。そして、日本は中国の植民地と化す日が来るのか否かを私なりの視点で考えていきたい。

 日本が他の先進国にさまざまな分野において大きな遅れを取った理由として、日本人のグローバルな変化に対する感度の鈍さが挙げられる。はっきり言って、現在の日本は国際的な変化に乗り遅れたからといって短期的に目先のことで困ることはまず無いだろう。なぜなら、それは日本がこれまでに培ってきた経済力や技術力があるからだ。そのため、日本人がグローバル化などの世界の変化に対する遅れに危機感を抱く人が少なく、気づかないのである。そして、政治家は票を取るために高齢者向けの政策ばかりを行う。だからこそ、この国は退化の一途を辿る一方なのである。皮肉なことに、日本は自分自身の技術のために遅れに気づかず、気づいた時には世界から大きく取り残されてしまっていたのだ。

 そして、その間にも、世界は刻一刻と進化し続けている。例えば橋梁技術について見てみると、先生が前回の講義で例に挙げられていたように、かつて明石海峡大橋は世界1位の長さの吊り橋であったが、2022年3月に完成したトルコのチャナッカレ大橋に世界1位の座を明け渡してしまった。チャナッカレ大橋の竣工には韓国の企業が携わっており、少し昔であれば日本と韓国の技術力の差は歴然であったが、日本はいつの間にか韓国に追いつかれ、そして追い抜かれているのである。以上が、日本が国際社会に大きく遅れをとった理由であると考える。

 次に、日本がこのまま中国の植民地となってしまう日が来るのかについて考えていきたい。先生は今日の講義で「日本は中国にどんどん植民地化されている。」と何度も仰っていた。確かに近年の日本を見ていると、かつて「世界に誇る」と言われた日本の名だたる企業がいくつも中華系企業の傘下に入っている。NECや富士通のパソコン事業、TOSHIBAなどの大企業がどんM&Aされており、中国の対日M&Aは今後もますます加速していくと予想できる。簡単に、中国資本になるデメリットを挙げると、中国人の資本家が日本人労働者の給与の決定権を握り、日本人は奴隷のように安い賃金で働かされ搾取され続けるのだ。それに加えて、日本の企業が何十年とかけて培ってきた技術までもが中国資本に全て持っていかれる。それだけなら良いものの、国防に関連する軍事技術さえも中国資本に流出する危機がある。中国資本である限り、日本人は道具の1つに過ぎず、日本の機密事項が中国に流れ続けてしまうのだ。政府が歯止めをかけずに、このまま日本企業が中国資本にM&Aされ続けると、日本は中国の経済的植民地となり、国防にも大きな穴が空くことになるだろう。加えて、近年では水源等がある山林も中国人に買収されている。水源を外国に握られしまっては、その下流で暮らす人々の生活に影響を与えることは目に見て分かる。経済だけでなく実質的な植民地化も秘密裏に進められているのだ。

 日本は気づかずうちに中国に植民地化され続けている。これを止めるためには、今すぐに手を打っていくことが必要である。手遅れになる前に一刻も早く行動しなければならない。故郷・日本を守っていくことが出来るのは、私たちが最後の世代なのかもしれない。


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