細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

進化とトイレ掃除

2016-12-29 12:47:26 | 職場のこと

12月の勤務日が昨日、28日で終了しました。今日から休暇ですが、家族のことをやりながら、空き時間は仕事か読書(「海辺のカフカ」(二度目))です。重要な論文原稿(英語)の添削や、教務関係の時間のかかる仕事に着手しています。

12月の日々はあっという間に終わりましたが、極めて充実していました。このブログでも何度か登場した、√2倍論、ですが、日々進化する感覚を敏感に感じていました。脱皮していくような感覚です。

今年は、4月から研究室を大きく改善したいという決意とともにありとあらゆる出来得ることを実践してきたつもりですが、それらが連鎖し始めた12月だったと認識しています。

12月21日、22日の昼休みに開催されたYNU21主催の会合もその一つでした。もう形だけの会議や、文章だけで何も中身の無いビジョンづくりなど、止めよう。私はそうは言っていませんが、実質的にそう言ったことになるでしょう。学長も、理事の方々も皆さんがおられる場で、そう言いました。その代わり、教員も職員も、そして学生も巻き込んで徹底的にコミュニケーションしよう、するための場を創っていこうと。

昨日は、私の提案で研究室の大掃除をやりました。実験室もみんなで連携してやってくれましたが、私は「トイレ担当をやる」と申し出ました。土木工学棟の3階の男子トイレがあまりにも汚い。おそらくすべてのトイレが同じでしょう。業者のクオリティが極めて低い。最低限の掃除しかやっていない。

でも、業者に文句を言っても仕方がない。なら、自分たちでやろう。自分たちの住む環境なのだから、本来の日本人であれば、自分たちでやるはずだ。

13時からの掃除で、12時50分に着替えて、いろいろと作戦を考え始めました。まずはアシスタント募集。男子学生数名がやることになりました。

夜の懇親会で、「ちょこちょこっと適当に掃除するだけだと思ってました」と最初にアシスタントに命じられた学生は白状していました。

トイレの入り口のドアがまず汚い。ドアの枠もゴミだらけ。徹底的にやることを決めました。

入口から、床から、便器から、換気扇から、窓、窓枠、手洗い場、用具洗いの水場、すべて徹底的にやりました。あまりにも汚い状況でしたが、私が率先して便器を磨いている姿を見て、学生たちも完全に覚悟を決めたようでした。ワイワイ、下ネタのオンパレードでしたが、徹底的に掃除しました。

後でトイレを見た人はみな驚いていました。

トイレ掃除中に、隣の研究室の学生たちもチョロチョロと出てきて、廊下を少し掃除していました。

中村文彦先生にも夕方お会いし、「自分たちの環境を自分たちできれいにする、って本来当たり前のことだよね。土木棟全体で、住んでいる3つの研究室全体でやってもよいかも。」と言われました。私は、「もちろん近い将来そのように提案するつもりですが、まず実践してから提案しようと思っています。」と答えました。

まず実践。実践した人の発言には力が宿ります。私が常にやってきたことです。

上記のYNU21、トイレ掃除の例を出したのは、私が学内のことも真剣にやろう(やり始めよう)、と決意し、実践を始めた、という意味だからです。それだけで、√2倍になったと言って過言ではないと思っています。

トイレ掃除、実験室掃除も完了し、私の指示で学生たちが買出しへ。すき焼きとかにすきにしました。すき焼きは今半のお肉と割り下。ゼリンさんがバングラデシュのおいしい食事も作ってもってきてくれました。たくさんの留学生とその子どもも二人参加の懇親会で、もう慣れっこですが、極めてインターナショナルなパーティーです。その場で、もちろんトイレ掃除のことも話したし、徹底的に実践することの本質も伝えました。自分たちの研究室のことを好きになってほしいし、それが自分たちや後輩たちのためにもつながっていきます。

2016年最終出張のデンカ青海工場での一日も極めて充実していました。材料のトップ企業と言ってもよい電気化学工業のトップ技術者の盛岡さんのチームと研究させていただけるのは本当にありがたいことです。私が20代の前半からかわいがっていただいている方々ですが、私もようやく何とか人や社会のお役に立てる状況に至り、研究も本当に楽しいです。高炉セメント+膨張材のRC床版のスケーリングに関する研究(M2中川さん)、無機系の表面被覆工法で補修した農業用RC水路の高耐久化(M2木下さん)、彼女らの頑張りは凄まじく、二人の研究ともにデンカの技術陣にがっちりとバックアップしていただいています。この二つの研究の議論も楽しかったですが、クロロプレンゴムについてのレクチャー、吹付けコンクリートについてのレクチャーもいただき、たった一日ですが、赤子のように情報を吸収し、何枚か脱皮したような感覚でした。

24日(土)に今年最後のプールに次女と行きました。今年はプールによく通いましたが、12月に入ってからプールでの感覚も極めて心地よく、その日の相当に泳ぎ込んだ段階で、イルカになったような気分を味わうことが2回くらいありました。泳ぎたいから、ただ泳ぐ、というような感覚です。とても気持ちよい感覚なので、来年も味わえるよう、プールにも通い続けたいと思います。

進化は手段であり、目的は社会に貢献することです。

この年末年始にしかできない仕事をしっかりと進め、家族・親族とのコミュニケーションもしっかりとしたいと思います。

今日のお昼は、これまでで一番おいしいチャーハンができ、家族も喜んで食べていました。細部にまで相当にこだわって作りました。

夜は、カキの鍋を作ります。健康的な食事を家族に食べてもらいたいからです。

今現在は、私の実家に預かってもらっていた次女をお迎えに向かう最中です。次女に久しぶりに会うのが楽しみです。