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身近な生き物:トラフのフ

2024-08-21 06:29:59 | 日記
猛虎模様

 見つけた途端にドキリとして全身に緊張が走る虫、その最たるものが
スズメバチ。
黒と黄色のタイガーズカラーは「近づくなよ、刺すぞ」の正に警告色。
過去に何度も痛い目にあっている身としては条件反射ですくみます。
 先日も森林公園で葉の上でもそもそしている虎模様を見つけて身を屈めました。
恐る恐る様子を伺うと何故かスズメバチにしては輪郭が変。
もう少し近づいてガン見するとあるべき場所に翅が無い。
 何のことは無い、スズメバチに擬態しているトラフカミキリ。
結構数が少ない稀少な種です。

 スズメバチは戦闘力がバカ高い虫ではあるけれど無敵ではありません。
<幾ら強い生き物でも長期的に見れば生き残り易いとは限らない。
敵との戦いを避けるのも重要な生き残り戦略。
天敵を寄せ付けない様に強いものの姿に似せ、自身に有利な状況を作る手法
も有効。
それがベイツ型擬態>(ネイチャーエンジニア いきものブログ より)
 その実践形がトラフカミキリ。
脚の先までまっ黄色の全身に黒い帯模様。
正面から覗けば黒い大きな眼と長い触角。
標準的な大きさは15~25ミリなのでキイロスズメバチを髣髴させます。
 でも同じくスズメバチに擬態するアブなどと比較すると透明な翅が見え
ないのが若干手抜き。
恐怖に震える老眼オヤジに違和感を抱かせ、本物か否かと悩ませます。

改名の理由

 そんなトラフカミキリの面白情報を見つけちゃいました。
<かつてこの虫はトラカミキリと呼ばれていた>(とある虫屋のむし写し より)
 そう聞くと「トラフ」の「フ」は何なのか気になります。
でも改名に関する解説はないので、その先は想像するしかありません。
 思い浮かぶのは斑入りなどの「フ」
辞書には<ふ(斑):まだら、ぶち>(新明解国語辞典 より)とあるので、
トラみたいな斑があるカミキリムシの意味で加えた可能性があります。
 あるいは「膚」の字を当ててトラみたいな皮膚を意味しているかもしれません。
はたまた「不」を使い「あんたはトラ程強くないゾ」と諫めたとも思えます。
フの謎は解けません。

 もしかしたら虎+フでなくズバリ「トラフ」を付けたのでは、そんな思いも
浮かびました。
大地震を誘発するとされる南海トラフのトラフです。
意味するところは細長い海底盆地で6000mよりも浅いもの。
 トラフカミキリの幼虫が樹皮の下を食べ進めトラフ状の穿孔を残すことが
命名の由来。
一瞬そうも考えましたが色々な面でこじつけ感が滲むので可能性は無し。
真相に迫れずに途方にくれました。
 トラフカミキリを見つけて悩み、名前の由来に悩み。
こんなに悩むオヤジって、数を減らしているトラフカミキリ並みに貴重かも
しれません。
コメント
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