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国語のおさらい:キャベツと善光寺

2024-08-22 06:29:19 | 日記
政治家ご用達

 齢70間近の身として知っていなければ恥ずかしい言葉は数あれど、
時節柄押さえておきたいのは「秋波を送る」です。
酷暑が続く日々に秋の気配は全く無いけれど、自民党の総裁選が話題の昨今。
新聞紙面では政治家が別の政治家に誘い文句を投げる際などにこの言い回し
が使われます。
 その程度に目にする機会はありますが、自分が実際に使う場面はまずありません。
だからうっかりすると「あきなみをおくる」だったか「しゅうはをおくる」
だったか、読み方にさえ迷ってしまいます。
 大人のたしなみとして最低限の知識を持つべく、今週はこの言葉のおさらい
です。

 <しゅうは(秋波):色目、流し目の意の漢語的表現。ウインク>
(新明解国語辞典 より)
もう少し詳しい解説では<①異性の関心を引こうとして色目を使うこと 
②自分の利益のために相手の関心をひこうとすること>(goo辞書 より)
政治家の場合は典型的な②の用法。
 元々は中国の言葉だそうで。
<秋の澄んだ波のことで、美人の涼し気な目元にたとえた。
そこから媚びた目つき、色目を使うことをいう様になった。
現代では政治関係のニュースで多く使われる。
性別、個人団体を問わず相手の関心を引こうとすることを言う>
(故事ことわざ辞典 より)
 秋波を送るとは相手の気を引きたいときに使う言い回し、最低限これだけ
は押さえました。

 同じ意味合いの四字熟語がありました。
「媚眼秋波」と書いて「びがんしゅうは」と読むそうで。
意味するところは<美人の媚びた目つき。
意味だけ見ると下心があるように感じる人もいるが、悪気なく使う人も多い。
もしもこう言われたら褒め言葉と受け取れば良い>(TRAns.BIZ より)

春波の読み方

 秋波があれば春波だってありそうな。
そう思って調べたらありました。
キャベツの名前です。
 ちなみにこちらの読み方は「はるなみ」
<春に収穫される春キャベツのひとつ。
とにかく葉が柔らかく歯触りが良いのが特徴。
鮮やかな緑色をしている上部はふんわりとした円形で、中心部になるにつれ
淡い黄色へのグラデーション。
水分が多く瑞々しく市場での評価も高い>(お役立ち!季節の耳寄り情報 より)
 家庭菜園に精を出す知り合いは多いけれど、こんな素晴らしい春波を贈って
くれる知人は悲しいかな、ひとりもいません。

 長野市民としては「しゅうは」と聞いて即浮かぶのは善光寺。
宗派を越えるお寺として身近にある存在です。
 <日本で初めて仏様を本尊とした。
つまり宗派が生まれる前に創建された寺>(信州長野善光寺参り より)
 善光寺は秋波を送る、ならぬ「宗派を除ける」寺なのでした。
コメント
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