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雑草の日:とん挫した探索

2024-08-13 06:29:09 | 日記
銀を吸収

 毎日の様に歩く市内の森林公園。
ここは多くの野鳥や昆虫が生息している場所。
それだけでなく植物の宝庫でもあり、専門家の調査によると21種のシダ
の分布が確認されたそう。
その貴重な報告書をたまたま頂き、掲載された写真と園内の実物を見比べては
楽しんでいます。
 一覧表の中に1種類だけ、どうしても探す気になれないシダがあります。
それがイワデンダ科メシダ属のヘビノネコザ。
ヘビ嫌いとしては名前が嫌だし、見つけたとしても近寄る気にはなりません。
ところが突然風向きが変わり、園内の何処かにあるとされるそのシダを急に
探す気になっちゃいました。

 切っ掛けはある小説の一節。
<あかるい緑色で、羽毛のようなかたちをしている。
葉脈の一本一本が、夜空の星を集めたかの如く、瞬いている。
よく見ると、光の粒が葉の中を動いていた>
<ほうよ、蛇の寝ござよ。
それも、ようけ銀を吸うとるわい。
~これはな、銀の在処を教えてくれる羊歯じゃ>(千早茜 しろがねの葉 より)
 シダ植物のヘビノネコザが銀鉱脈を探す重要な手がかり。
これが小説の中の作り話なのか、はたま実際にこのシダが銀を吸収するのか、
実物に触れて真偽を確かめたくなるってものです。

如何にもシダ

 驚いたことにこの情報は間違いのないものでした。
検索結果のほぼ全てに関連する解説が出て来ます。
代表的なものの抜粋です。
 <古くからカナヤマシダとかカナグサと呼ばれ、鉱脈探査の指標種とされている。
鉱山跡地などの重金属類が蓄積され他の植物が進入できない様な場所で群生し、
重金属類を蓄積することで有名>(関西の花 より)
 <古くから山師や鉱夫たちの間で、銅、鉛、亜鉛、銀などの鉱床探しの
指標植物として注目されてきた>(山河草木図譜 より)
 銀鉱脈のありかを教えてくれるシダが毎日歩き回っている森林公園に生えて
いると知ったら、次にやるべきはただひとつ。
実物を探し出すことです。

 それにはヘビノネゴザの特徴を把握せねばなりません。
<姿かたちは普通の、如何にもシダといった感じ>(山河草木図譜 より)
<中型の夏緑性シダ。
葉は30~80センチ、ソーラスは楕円形もしくはかぎ形>(関西の花 より)
 何とも頼りない解説が並びます。
毛色が違うのは<葉の表面はなめらかで光沢があり、触れると涼し気な感触>
(TERRARIUM より)
あれこれ触りまくれば探し物に辿り着けそうな情報ですが、気になるのは次の一節。
 <葉の形状などがまるでヘビの鱗の様>
ヘビ嫌いはヘビに似たものですら近寄りたくありません。
そう言えばとぐろを巻いたヘビがこのシダの上にいるのが名前の由来の解説もあったし。
 急速に気持ちは萎え、ヘビノネゴザ探しはとん挫したのでした。

コメント
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