WOWOWを付けていて何気なく始まったこの映画を観ることになる。
吸い込まれるように映画に入り込んだのは自分が香港が大好きということも大きい。
アンディー・ラウをはじめ、香港映画のスターたち、
特に「インファナル・アフェア」に登場してくる役者たちが次々と友情出演で現れる。
リャン家に60年間仕えてきた住み込みの家政婦タオさん(ディニー・イップ)
もはやリャン家の家族はすべてアメリカへと移住し、
一人残り香港映画界でプロデューサーをするロジャー(アンディー・ラウ)と暮らしている。
かつて心臓を患い手術をしたロジャーの健康を気遣い、
香港の市場に出掛け、魚や野菜を吟味しつつ、丁寧に食事の支度をし、
何気なくそれを食卓に出し、家の掃除やロジャーの衣服を洗濯する。
そのタオさんが突然、脳卒中に倒れ、
ロジャーは本人の希望に添い、老人ホームをみつけ入所させ、
当り前のように彼女の面倒をみる。
これはこの映画のプロデューサーの実話を基にしているそうだ。
映画に感銘を受けたのと特典映像が観たかったので、DVDを購入し再度鑑賞する。
タオさんへのロジャーの深い愛情は最初からあったものではなく、
余りに身近過ぎて気付かなかったタオさんの存在への感謝が、
徐々に過去を振り返りながら、
そして現在形で交流していく中に育まれてくることがわかる。
生まれた時から世話になり、ロジャーが病気の時も手厚い看病をし、
その後も自分の生活を支えて来てくれたこと、
今、ロジャーとの一時が彼女の喜びになっていること。
けっして愚痴は言わず、甘え過ぎず分をわきまえたタオさんの謙虚さ。
優しいだけではなく、強さも併せ持った人柄。
ロジャーはたまたま尋ねられて「はい。」と返事して以来、
人に聞かれると彼女のことを「義理の母」と紹介し、
自分の映画のプレミアにも連れて行く。
タオさんが持っている数少ない衣類の中から精一杯装い、
髪を整え、口紅も薄く指で塗る仕草が微笑ましい。
この映画のプレミアの帰り道の様子、親子というよりも恋人同士のようだ。
タオさんほど自分を想い尽くしてくれる女性は、
一生に二度と会うことはないとロジャーも知っている。
タオさんにとってもロジャーの晴れ舞台に連れて行かれたことは、
彼からの最高のプレゼントだとわかっていて、
その浮き立つ乙女心が画面から伝わってくる。
アンディー・ラウの普段のオーラ全開と違い、
抑えた演技がひたすら渋い。
香港の日常、食事風景、食べ物を選ぶことに拘りを持つシーン、
市場の活気や料理をする様子がリアルだ。
「ムコイ」という広東語、香港では「すみません」「ちょっと」などの意、
万能語だと思ってはいたが、
タオさんも「トーチェ(多謝)」「ありがとうございます。」という言葉、
ロジャーの母が訪ねてきた時には使っているが、普段は「ムコイ」で通している。
ロジャーの母に対してタオさんはあくまでも長年仕えてきた奥様として接し、
作ってきてくれたツバメの巣の料理にもお礼は伝えるが不出来も指摘する。
そこですねた表情をするお母さんも可愛い。
お見舞いを渡そうとしてもガンとして受け取らないタオさん。
せめてもの気持ちとして自分のマフラーをタオさんの首に巻くロジャーの母。
ロジャーがタオさんの世話をする内に母親に対しても心遣いをするようになる。
半面、タオさんと一緒に住んでいて全く人の気配がなかった部屋が、
母と一緒だと気詰まりな部分も描かれていて、いかにタオさんが存在を消しながら、
ロジャーと過ごしてきたかがわかる。
購入者からの感想を読むと、感動したという人もいれば、
これはファンタジーで現実には在り得ないと書く人もいる。
確かに夢物語かもしれないが、こんなことがあってもいいと思わせるものがある。
爽やかで淡々としているだけに深い余韻が残る。
吸い込まれるように映画に入り込んだのは自分が香港が大好きということも大きい。
アンディー・ラウをはじめ、香港映画のスターたち、
特に「インファナル・アフェア」に登場してくる役者たちが次々と友情出演で現れる。
リャン家に60年間仕えてきた住み込みの家政婦タオさん(ディニー・イップ)
もはやリャン家の家族はすべてアメリカへと移住し、
一人残り香港映画界でプロデューサーをするロジャー(アンディー・ラウ)と暮らしている。
かつて心臓を患い手術をしたロジャーの健康を気遣い、
香港の市場に出掛け、魚や野菜を吟味しつつ、丁寧に食事の支度をし、
何気なくそれを食卓に出し、家の掃除やロジャーの衣服を洗濯する。
そのタオさんが突然、脳卒中に倒れ、
ロジャーは本人の希望に添い、老人ホームをみつけ入所させ、
当り前のように彼女の面倒をみる。
これはこの映画のプロデューサーの実話を基にしているそうだ。
映画に感銘を受けたのと特典映像が観たかったので、DVDを購入し再度鑑賞する。
タオさんへのロジャーの深い愛情は最初からあったものではなく、
余りに身近過ぎて気付かなかったタオさんの存在への感謝が、
徐々に過去を振り返りながら、
そして現在形で交流していく中に育まれてくることがわかる。
生まれた時から世話になり、ロジャーが病気の時も手厚い看病をし、
その後も自分の生活を支えて来てくれたこと、
今、ロジャーとの一時が彼女の喜びになっていること。
けっして愚痴は言わず、甘え過ぎず分をわきまえたタオさんの謙虚さ。
優しいだけではなく、強さも併せ持った人柄。
ロジャーはたまたま尋ねられて「はい。」と返事して以来、
人に聞かれると彼女のことを「義理の母」と紹介し、
自分の映画のプレミアにも連れて行く。
タオさんが持っている数少ない衣類の中から精一杯装い、
髪を整え、口紅も薄く指で塗る仕草が微笑ましい。
この映画のプレミアの帰り道の様子、親子というよりも恋人同士のようだ。
タオさんほど自分を想い尽くしてくれる女性は、
一生に二度と会うことはないとロジャーも知っている。
タオさんにとってもロジャーの晴れ舞台に連れて行かれたことは、
彼からの最高のプレゼントだとわかっていて、
その浮き立つ乙女心が画面から伝わってくる。
アンディー・ラウの普段のオーラ全開と違い、
抑えた演技がひたすら渋い。
香港の日常、食事風景、食べ物を選ぶことに拘りを持つシーン、
市場の活気や料理をする様子がリアルだ。
「ムコイ」という広東語、香港では「すみません」「ちょっと」などの意、
万能語だと思ってはいたが、
タオさんも「トーチェ(多謝)」「ありがとうございます。」という言葉、
ロジャーの母が訪ねてきた時には使っているが、普段は「ムコイ」で通している。
ロジャーの母に対してタオさんはあくまでも長年仕えてきた奥様として接し、
作ってきてくれたツバメの巣の料理にもお礼は伝えるが不出来も指摘する。
そこですねた表情をするお母さんも可愛い。
お見舞いを渡そうとしてもガンとして受け取らないタオさん。
せめてもの気持ちとして自分のマフラーをタオさんの首に巻くロジャーの母。
ロジャーがタオさんの世話をする内に母親に対しても心遣いをするようになる。
半面、タオさんと一緒に住んでいて全く人の気配がなかった部屋が、
母と一緒だと気詰まりな部分も描かれていて、いかにタオさんが存在を消しながら、
ロジャーと過ごしてきたかがわかる。
購入者からの感想を読むと、感動したという人もいれば、
これはファンタジーで現実には在り得ないと書く人もいる。
確かに夢物語かもしれないが、こんなことがあってもいいと思わせるものがある。
爽やかで淡々としているだけに深い余韻が残る。