グリーン上の妖精、菅沼菜々(23)がプロ6年目にして初優勝を挙げた。3打リードの首位から出た最終日、3バーディ、ボギーなしの「69」で回り、通算16アンダー、楽勝かと思えた。ところが昨日コースレコード「61」で終え、今日もフィールドベスト「66」で回り、最終ホールで神がかった神谷そらに並ばれて、プレーオフとなった。1ホール目は両者ボギーで分け、2ホール目、バーディで妖精が神がかりを振り切った。それにしてもツアールーキーの神谷そらは飛距離も出るし、凄みを感じる。
菅沼は昨季、未勝利ながらトップ10が15回でメルセデスランキング8位。今季もトップ10を4回経験、それでも優勝に届かず悔しい思いを毎回していた。ようやく念願の優勝で、この実力なら賞金女王も視野に入ると言いたいところだが、広場恐怖症という持病を抱え、飛行機や電車など公共交通機関が利用できないので車移動可能な本州でのトーナメントに限定せざるを得ない。運転はコーチを兼ねている父親、ようやく親孝行ができた。1999年度生まれの日本選手では、通算12勝の稲見萌寧に次いで2人目のツアー優勝者となった。
稲見萌寧は11アンダ-5位タイにつけ、復調の兆しが見え、5位タイには好調を維持している小祝さくら、桑木志帆もはいり、後半の女子プロは益々目が離せない。