旅の楽しみは地元の料理と酒だが、今回の青森でのホテルでは地産の食事もせんべい汁、いかの刺身、リンゴのポタージュなど新鮮な野菜だけでなく毎回大いに楽しんだ。地方に行くとワインがないこともあり、晩酌用にフランス産メルローを持参したが、今回は必要なかった。ホテルで出会った初めてのワイン、ラベルはちょっと簡便だが下北で採れた地ワインがすばらしかった。こういうワインに出会えるとは長生きするものだ。
以前下記ブログで触れた「甲州」を欧州で飲んだ時に日本ワインの質の高さを実感したが、この陸奥でもこれほどのワインができるとは・・・日本ワインの裾野の広さを感じた。
http://blog.goo.ne.jp/ajimayukuo/e/c9500bb09443628a406353e99427f15b
30年前に六ヶ所村を視察した時、初めて下北半島を一周した。その折り、冬の寒さと強風で根菜類しか育成できないと聞いていたので下北で葡萄を有機栽培すること事態が驚きだった。このサンマモルワイナリーは恐山の山麓で、陸奥湾に面した斜面にあると聞いて、北風は山で遮られ、陸奥湾の暖気が幸いしていると納得できた。
ホテルで飲んだのは青森ブラッシュ(白)と青森ルージュ(赤)でどちらもスチューベン種から作られている。この初めて聞いた葡萄の種類はニューヨークから持ってきたとのこと。甘みが強く、評判は良いようで津軽地方では生食用で販売している。
スチューベン種は赤用の葡萄ということだが、白の方がすばらしい。辛口と表示されているが葡萄の本来の甘さが活かされ、私には甘口の部類で、気品あるきりりとした柑橘類系の味はナイヤガラとリースニングの良いところを取った若飲みタイプだ。ホテルではグラスで770円、ボトルで2000円という強気の値段、帰宅してホームページでサンマモルワイナリーから直接注文したら1580円だった。
もちろんこのワイナリーでは田崎伸也さんが薦めているピノノワールだとかドイツ系の白も生産しているが今回は味わうチャンスはなかった。