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万葉文化館「万葉コレクション展 新しき仲間たち4」、おすすめです!

2017年01月09日 | 美術館を訪ねて
大谷記念美術館に続いて、7日に万葉文化館に行き、「万葉コレクション展 新しき仲間たち4」を観てきました。この展覧会は2月26日(日)まで開催されています。

今回も大谷同様に館蔵品展で、絵画は三部構成の展示でした。

第1部は「新しき仲間たち」として2015年度に寄贈された37点の作品を展示、第2部は「万葉コレクション」として歴代の寄贈作品18点が展示され、第3部は「万葉日本画大賞展」で、これまで万葉文化館が主催した「万葉日本画大賞」の受賞作品のうち15点が展示されていました。他に、万葉陶磁器人形10点と、常連の感がある大亦観風の「万葉集画撰」から10点が展示されていました。

絵画はいずれも名品ぞろいで見ごたえタップリ。

第1部は、井上 稔と烏頭尾 精の作品がズラリと並んでいて壮観でしたが、私は中路 融人(なかじ ゆうじん)の『山湖』と、三瀬 夏之介の『風土の記(かぜつちのき)』が良かったです。『山湖』はそれほど大きな作品ではないのに遠目からも目立つインパクトのある絵でした。対照的に『風土の記』はパネル8枚組の大作で、力強い筆致でド迫力。

第2部では、新井 冨美郎の『穂高岳』、久保 嶺爾の『曽爾冬声』、三輪晃久の万緑』と由里本 出の『激つ瀬(たぎつせ)』が印象に残りました。

三輪晃久の『万緑』です↓


とくに久保 嶺爾の『曽爾冬声』は、学生の時よく通った曽爾高原がリアルに描かれていて、冬の静かな高原のたたずまいや、遠くに描かれた古光山がなつかしく、しばらく画面に見とれていました。

第3部は万葉文化館が主催した「万葉日本画大賞」の第1回から第5回までの受賞作品が展示されていました。いずれもさすがに受賞作品だけあって逸品ぞろい。この展示だけでも見ごたえ十分でした。
中でも第2回の大賞に選ばれた古屋 雅子の『緑薫(りょくぶ)』がよかったです。↓(当日購入した絵葉書から)


次は第1回の準大賞に選ばれた大矢眞弓の『秋色』と、

第2回の準大賞作品の長谷川 喜久の『アサヨヒ』が

甲乙つけがたいいい絵でした。

でも、館蔵品展とはいえ今回も観客は少なくて、その分ゆっくり観られたものの、いささか寂しかったです。おかげで何度も展示会場を往復したりして楽しめましたが、ヨメさんも「せめて大谷ぐらいのお客さんがあればね」と嘆いていました。やはり交通の便が悪いのでしょうか。でも定期バスは通っているので、知名度が低いせいかもと思ったり。

観終えて、館内のカフェで昼食。
私は、サンドイッチ+カレーセット、ヨメさんはスペシャルサンドと水出しコーヒーを注文しました。パンは天然酵母でおいしかったですが、ランチメニューが少し前から無くなってしまったのが残念。
ミュージアムショップで絵葉書や便箋などを買いましたが、会場内に見本があった中路融人展の図録が売り切れでプチがっかり。

というわけで、館蔵品展なのであまり期待せずに出かけたのですが、大谷記念美術館に続いていい絵が観られて、満足でした。

万葉文化館は完全バリアフリーで、車椅子利用者も快適に見られるし、富本銭の出土遺構や、万葉集の時代の生活を紹介する展示も多彩で、本当にいい施設だと思います。

ぜひ皆さんもお出かけになってご覧ください。おすすめです。



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