脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

NHKためしてガッテン、「慢性痛」を見て

2008年12月02日 | つぶやき
ろくろさんの情報で、
NHK「ためしてガッテン」で慢性痛をやることを知り、
番組を見ました。

見て、まず思った感想は、

この番組の監修の医師は、おそらく、
麻酔科系、ペインクリニック系、または
内科系の痛みの専門家の医師であって、脳脊髄液減少症をあまり知らない医師だな?
という感想でした。

少なくとも、
脳脊髄液減少症の痛みについて詳しい脳外科医は
監修にかかわっていないなと感じました。

それに、「慢性痛に意味はない。」と言い切ってしまっては
マズイのではないか?と思いました。

たしかに、脳脊髄液減少症の慢性痛も
「神経の誤作動で痛み信号が乱射され」、
痛む場所の体の各部には異常がないという意味では
たしかに「意味のない痛み」であったかもしれませんが、

その「神経の誤作動」を引き起こした原因が
私の場合、脳脊髄液減少症なのですから、
慢性痛にはきちんと意味がある場合もあるのです。

「痛みを感じる神経が、交感神経と混線すれば、天候の変化やストレスを感じただけで痛みを感じてしまうようになってしまう」という説明も
納得できません。

脳脊髄液減少症では、天候が悪く気圧が低いと人の体や脊髄硬膜にかかる圧力も低くなるため、
チューブに入った水の原理で、チューブにかかる圧力が弱まれば、中の水は上に上がらないように、脳脊髄液も脳のある上にあがる量が減って、
もともと脳脊髄液の少ない患者は、天気が悪く気圧が低いと症状が悪化するのではないかと思います。

それを、「ストレス」のせいにされたのでは、たまりません。

これは私ひとりの患者の経験ではなく、
天候に症状が左右されることや、痛みの原因がわからず、
ストレス、気のせい、「心配のない意味のない慢性痛」と
かたづけられた脳脊髄液減少症患者さんは
多いのではないでしょうか?

心配ないどころか、
意味がない不調、ストレス、気のせい、精神的なものどころか、

脳脊髄液が正常量より減っているのに、
誰もそのことに気づけないのです。

たとえ一見「意味のない」慢性痛に見えても、
実は「脳脊髄液減少症」のような原因がしっかりあるのに、

一般的な検査では異常が見当たらないし、
慢性的に痛みは続くし、原因がわからないから、
「これは痛みに意味のない、慢性痛だ。」と、されてしまうことも
実際にあるのです。

体が必死で発している、痛みの原因を「意味のない痛み」としてしまうことで、
本当の痛みの原因を見逃す可能性があると思いました。

脳脊髄液減少症をよくわかっていない医師はもちろん、
患者本人にまで、
「正体をなかなか見抜かせない」という意味で
本当に恐ろしい病です。

現状の認識では、
慢性痛と言われている原因不明の痛みの症状を訴える患者の中に、
「脳脊髄液減少症患者」が存在する可能性もあるのに、

「意味のない痛み」でかたづけられてしまっては、
脳脊髄液減少症やその他の原因を見逃してしまう危険もあります。

この番組を見た一般の慢性痛を抱える方がたや、
脳脊髄液減少症のことを良く知らない医師が、
慢性痛には意味はない、と簡単に思ってしまったら、
脳脊髄液減少症の見逃しはこれからも続き、とても危険だと思いました。


私は「痛みには何らかの意味がある。」と思っています。

それが、慢性痛であっても、脳の痛みの記憶によるものであっても、
精神的なものであったとしても、
必ず「意味がある」し、

人体が発するメッセージや信号に、意味のないものはないと
私個人は思っています。

だから、今回の「ためしてガッテン」は、
全くガッテンできませんでした。

たとえ痛みの専門家であっても、
なかなか消えない痛みを実際に経験し、何年も苦しんだ医師は
ほとんどいないことでしょう。

座学だけで、「慢性痛」を語っているのだと思います。


健康に生きてきて、
慢性痛の苦しさも知らないような、一部の医師側の言い分だけを鵜呑みにしたような番組づくりはとても合点がいきませんでした。

それに、線維筋痛症の患者さんが、手を筆でなでる映像を見ただけで痛い、
というのは、

脳が過去に、「筆で触られて痛みを感じた記憶」が元になっていると
番組で説明していましたが、

もともと、筆で触っても痛いような状態を作りだした、
痛みの原因が、何か必ず存在していていて、
それが改善しないまま放置されたからこそ、

痛みの記憶が脳に刻まれたのだと思います。

そのもともとの痛みを作りだした原因が、
特定できないまま、取り去られることなく、

脳が痛みを感じ続けた結果、
筆で手をなでる映像を見ただけで、痛みを感じるようになってしまったとしたら、

脳脊髄液減少症の状態が長く放置されても、「線維筋痛症」状態になる可能性があるのではないかと感じました。

その、筆でなでられる映像を見ただけで痛みを感じるような、
条件反射のような記憶が脳に刻まれてしまうほど、
長年繰り返し過酷な痛みにさらされるとは、
あまりにつらすぎます。

「脳の記憶として刻まれるほどの痛み」を
「神経の誤作動」「痛み信号の乱射」「神経の混線」と片付けるまえに、

その異常を作り出す原因を
もっと研究してほしいと思います。

患者さんも、体の痛み信号を「意味のない痛み」と簡単にかたづけないで、
体の発する異常信号、SOS信号かもしれないのですから、
もっと貪欲に、原因を探し続けてほしいとも思いました。

その痛みの原因が、何かわからない、ということは、
その原因が、脳脊髄液減少症である可能性もあるはずです。

今の段階では、多くの内科医は、
脳脊髄液減少症を診断するのは難しいでしょうから、
脳脊髄液減少症が見逃されている可能性は否定できないと思います。

番組に出ていた線維筋痛症患者さんは、
内科系の線維筋痛症の専門医だけではなく、
脳神経外科の脳脊髄液減少症の専門医に
セカンドオピニオンを受けられたのでしょうか?

それでも、原因がわからないのでしょうか?

それとも、まだ、外科系の脳脊髄液減少症の専門医には相談はしていないのでしょうか?

とても気になり、心配になりました。

原因もわからないし、
患者さん自身も思い当たるふしがないのに痛みが続く状態は、
交通事故ではない、
脳脊髄液減少症患者さんの痛み症状と非常に似ています。

原因が思い当たらないのは、
スポーツで転倒したり、暴力を受けたりしても、

脳脊髄液減少症の症状はすぐにはでてこないで、
1ヵ月後とか、3ヵ月後とか、時間差でいろいろな症状が出てくるから、
原因と症状がなかなか本人も周囲も結びつかないからだと思います。

この何かの体への衝撃を伴うできごと、と、症状の出現に
時間差があることも、

脳脊髄液減少症という、計算高い犯人の
巧妙なアリバイ工作のようです。

この時間差がアリバイ工作となって、
脳脊髄液減少症をさらに気づきにくくしています。

この脳脊髄液減少症の、
まるで自分の犯罪を周囲に気づかせないためのアリバイ工作のような時間差が

患者自身にさえ、おもいあたるふしをなくさせるのだと思います。

この恐ろしい特徴も、
私が、「悪魔の病」と思うゆえんです。

線維筋痛症の患者さんが痛みの記憶の回路ができてしまっているのは、
本当におつらいことと思います。

でも、その大元の痛みは、必ず何らかの原因で起きていて、
気のせいでも精神的なものでも、脳の記憶が起こす錯覚でもなく、

現実に人体に異常を知らせる危険信号としての痛みが現実に存在していて、

でも、その痛みの原因に現代医学がたどりつかないために、
治ることなく患者さんが苦しみ続けて、慢性痛にさらされた結果が、
線維筋痛症という病ならば、

もし、早期に、
最初の痛みの出現時に何らかの原因を探り当て、
その原因を取り払うことができていれば、

もしかしたら、二次的に形成された
脳も痛みの条件反射の回路は、
作られずにすんだかもしれないと番組を見た後、思いました。

慢性痛は「意味のない痛み」に過ぎず、
ペインクリニックですべてが解決するような印象を
番組は与えないでほしいと思いました。

この番組を見て、さらに痛みの真相から遠ざかってしまった患者さんが
いるかもしれないと思うと、とても心配です。

確かに、その痛みを感じる「場所」には怪我は病気など、「痛みの原因」がなく、

「異常の場所を特定できないという意味では「意味のない痛み」かもしれませんが
痛みを感じるのは「脳」であるのですから、

研究者は「脳」の未知の病が痛みを引き起こしている可能性だけは
忘れないで研究を続けてほしいし、

慢性的な痛みや疲労や不調に苦しめられている患者さんは、
その原因が、体の各部の病や心の病と決め付けない手、
その大元の総元締めである、脳の病、脳に悲鳴と
疑うことも忘れないでほしいと思っています。

    

ためしてガッテンへの感想はこちら
どうぞ、脳脊髄液減少症やその他の慢性痛に苦しむ患者さん自身の声、または
慢性痛患者さんを身近に接している方がたのいろいろな生の声を、

ためしてガッテンスタッフに伝えてさしあげてください。

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