今日は朝から雨
晩秋の一日は短く、
あっという間に真っ暗になり、
あとは長い夜です。
秋の夜長にミステリー小説でも読破したいところですが、
残念ながら、
本を1冊理解するだけの気力も読解力も
私には、まだありません。
それに、もともとテレビでさえ、
サスペンスドラマとか
殺人事件や血生臭いドラマは嫌いで、見ませんし、
ましてやミステリー小説など、
今まで読んだこともありませんでした。
元気なころ、深夜までふとんの中で読んだ小説は、
みな、平和で安心できる物語ばかりです。
でも、交通事故にあって
「脳脊髄液減少症」にとりつかれて以来、
小説など、頭が混乱してなかなか理解できなくなり、
本は縁遠くなりました。
学びや仕事上で、読もうと思えば
なんとか苦労して読めることもあるのですが、
娯楽としての読書は
ほとんどなくなりました。
寝ながら読もうにも、手がだるくて単行本でさえ
本を持ち続けることが、つらく感じるのです。
文章を理解する能力が極端に落ち、
特にこの1年は、
まとまった文章を理解するのがとても困難でした。
そんな私でしたが
この秋、
とある短編小説が、なんとか読めたのです。
その短編小説とは「アタミステリー」
森村誠一さんが、熱海市の観光促進のために
毎年この時期、発表される短編小説です。
http://www.city.atami.shizuoka.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1150434845651&SiteID=1116397943912&FP=toppage
昨年、
「脳脊髄液減少症」の研究に取り組む病院のある街
熱海市のHPを見ていて、
熱海市の企画である
森村誠一さんの短編推理小説の「アタミステリー」の存在を知りました。
この企画は今年で4年目のようです。
歴史ある温泉街、
昔から、病気や怪我に苦しむ人を癒してきた湯治の街、熱海。
もう少し動けるようになったら、あちこちの温泉地に
湯治と観光に行ってみたいと思っています。
(今は温泉に湯治には行けないので、「行ったつもり」で
自宅のお風呂で温度を変えて一日何度か湯治を試しています。)
そうして見つけた「アタミステリー」でしたが
昨年は思考力があまりに低下していて、
さまざまな症状もひどく、
読もうとする気力も起きませんでした。
でも、どんな小説なのか?ということだけは
この1年ずっと気になっていました。
今年は、秋になって体調が上向きになり、
散歩を始めたころ、
この小説のことを思い出しました。
今回は
ブラッドパッチ治療の効果なのか
「読んでみたい。」という気持ちがわき
再度、この小説を探しました。
9月のある日のことです。
今年の短編小説「アタミステリー」を
プリントアウトして、
寝ながらじっくり読んでみたのです。
普通の文章でさえ、以前は文章が数行でわからなくなり、
投げ出していた私。
ましてや、複雑に人物がからむストーリーの推理小説など
以前は読む気力さえ、最初から沸きませんでしたし、
読もうとしても、とても最後まで読めなかったでしょう。
目だけ文章を最後まで追ったとしても、
たぶん内容は理解不能で
ましてや推理などはできなかったでしょう。
しかし、今回は
読もうとする気力が起きただけでなく、
なんと最後まで読み通せたのです。
しかも、犯人は誰だろうと
私の脳が考え始めるではありませんか!
母もその小説が読みたいと言い出し、
母にも渡すと、熱心に音読していました。
しばらくして、二人で横になりながら、
小説の最後にある、私にとって難解な設問の答えも
考えはじめました。
犯人はあの人かも、この人かも・・・と母と推理しあいました。
そして自分なりの推理と設問の答を
母と、あれこれおしゃべりしあいました。
あの日は久しぶりに
母との穏やかな楽しいひとときでした。
こんなしみじみとした時間が
もっともっとほしいと思いました。
母に時に怒りをぶつけてしまう私ですが、
怒りをぶつけられる人は母だけで
他の誰にも、本心はぶつけられません。
だから、母の存在は私にとっては貴重です。
時に怒りをぶつけてしまいながらも
こうして本音を話したり、
同じ話題で話をしたりもできることに感謝もしています。
母なりに私を思ってくれているのはわかっています。
悪気はなく、ただピントがずれている母。
心が近づいたり、
離れたりしながらも
母とだけは、もう少し距離を縮められそうな気がします。
まだまだ希望は捨てません。
あの短編ミステリーが読めた日、
母と寝転びながら、推理をしあったあの秋の日、
あんなに思考が働かなかった
ぼやけた私の脳が、少しいい方向へ変化したのに気がつきました。
気力も思考力も
以前より、回復している自分に気づいた瞬間でした。
本人にしかわからない、微妙な改善なのですが
なんだか、すごい変化に感じ、
とてもうれしく思いました。
読もう、としてもなかなかできなかった私。
文章が、なかなか理解できなかった私。
しなければならない課題を、やらなければといくら思っても
すぐに取り組めず、こなせなかった私。
そんな私が、少しだけ、まともになったことを
この短編ミステリー小説が気づかせてくれました。
この小説が読みこなせた、あの秋の日は、
希望を感じた瞬間でもありました。
熱海市観光課さん、ゆかいなネーミングの楽しい企画をありがとう!
森村誠一さん、私でも読める短いミステリーをありがとう!
母との
おもいがけない穏やかなひとときを与えてくれた
「アタミステリー」。
皆さんも「秋の夜長にミステリー」してみませんか?
まもなく締め切りなので、この小説は消えてしまうかも?
興味のある方は、プリントアウトはお早めに!
↓
アタミステリー紀行 新生の館
晩秋の一日は短く、
あっという間に真っ暗になり、
あとは長い夜です。
秋の夜長にミステリー小説でも読破したいところですが、
残念ながら、
本を1冊理解するだけの気力も読解力も
私には、まだありません。
それに、もともとテレビでさえ、
サスペンスドラマとか
殺人事件や血生臭いドラマは嫌いで、見ませんし、
ましてやミステリー小説など、
今まで読んだこともありませんでした。
元気なころ、深夜までふとんの中で読んだ小説は、
みな、平和で安心できる物語ばかりです。
でも、交通事故にあって
「脳脊髄液減少症」にとりつかれて以来、
小説など、頭が混乱してなかなか理解できなくなり、
本は縁遠くなりました。
学びや仕事上で、読もうと思えば
なんとか苦労して読めることもあるのですが、
娯楽としての読書は
ほとんどなくなりました。
寝ながら読もうにも、手がだるくて単行本でさえ
本を持ち続けることが、つらく感じるのです。
文章を理解する能力が極端に落ち、
特にこの1年は、
まとまった文章を理解するのがとても困難でした。
そんな私でしたが
この秋、
とある短編小説が、なんとか読めたのです。
その短編小説とは「アタミステリー」
森村誠一さんが、熱海市の観光促進のために
毎年この時期、発表される短編小説です。
http://www.city.atami.shizuoka.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1150434845651&SiteID=1116397943912&FP=toppage
昨年、
「脳脊髄液減少症」の研究に取り組む病院のある街
熱海市のHPを見ていて、
熱海市の企画である
森村誠一さんの短編推理小説の「アタミステリー」の存在を知りました。
この企画は今年で4年目のようです。
歴史ある温泉街、
昔から、病気や怪我に苦しむ人を癒してきた湯治の街、熱海。
もう少し動けるようになったら、あちこちの温泉地に
湯治と観光に行ってみたいと思っています。
(今は温泉に湯治には行けないので、「行ったつもり」で
自宅のお風呂で温度を変えて一日何度か湯治を試しています。)
そうして見つけた「アタミステリー」でしたが
昨年は思考力があまりに低下していて、
さまざまな症状もひどく、
読もうとする気力も起きませんでした。
でも、どんな小説なのか?ということだけは
この1年ずっと気になっていました。
今年は、秋になって体調が上向きになり、
散歩を始めたころ、
この小説のことを思い出しました。
今回は
ブラッドパッチ治療の効果なのか
「読んでみたい。」という気持ちがわき
再度、この小説を探しました。
9月のある日のことです。
今年の短編小説「アタミステリー」を
プリントアウトして、
寝ながらじっくり読んでみたのです。
普通の文章でさえ、以前は文章が数行でわからなくなり、
投げ出していた私。
ましてや、複雑に人物がからむストーリーの推理小説など
以前は読む気力さえ、最初から沸きませんでしたし、
読もうとしても、とても最後まで読めなかったでしょう。
目だけ文章を最後まで追ったとしても、
たぶん内容は理解不能で
ましてや推理などはできなかったでしょう。
しかし、今回は
読もうとする気力が起きただけでなく、
なんと最後まで読み通せたのです。
しかも、犯人は誰だろうと
私の脳が考え始めるではありませんか!
母もその小説が読みたいと言い出し、
母にも渡すと、熱心に音読していました。
しばらくして、二人で横になりながら、
小説の最後にある、私にとって難解な設問の答えも
考えはじめました。
犯人はあの人かも、この人かも・・・と母と推理しあいました。
そして自分なりの推理と設問の答を
母と、あれこれおしゃべりしあいました。
あの日は久しぶりに
母との穏やかな楽しいひとときでした。
こんなしみじみとした時間が
もっともっとほしいと思いました。
母に時に怒りをぶつけてしまう私ですが、
怒りをぶつけられる人は母だけで
他の誰にも、本心はぶつけられません。
だから、母の存在は私にとっては貴重です。
時に怒りをぶつけてしまいながらも
こうして本音を話したり、
同じ話題で話をしたりもできることに感謝もしています。
母なりに私を思ってくれているのはわかっています。
悪気はなく、ただピントがずれている母。
心が近づいたり、
離れたりしながらも
母とだけは、もう少し距離を縮められそうな気がします。
まだまだ希望は捨てません。
あの短編ミステリーが読めた日、
母と寝転びながら、推理をしあったあの秋の日、
あんなに思考が働かなかった
ぼやけた私の脳が、少しいい方向へ変化したのに気がつきました。
気力も思考力も
以前より、回復している自分に気づいた瞬間でした。
本人にしかわからない、微妙な改善なのですが
なんだか、すごい変化に感じ、
とてもうれしく思いました。
読もう、としてもなかなかできなかった私。
文章が、なかなか理解できなかった私。
しなければならない課題を、やらなければといくら思っても
すぐに取り組めず、こなせなかった私。
そんな私が、少しだけ、まともになったことを
この短編ミステリー小説が気づかせてくれました。
この小説が読みこなせた、あの秋の日は、
希望を感じた瞬間でもありました。
熱海市観光課さん、ゆかいなネーミングの楽しい企画をありがとう!
森村誠一さん、私でも読める短いミステリーをありがとう!
母との
おもいがけない穏やかなひとときを与えてくれた
「アタミステリー」。
皆さんも「秋の夜長にミステリー」してみませんか?
まもなく締め切りなので、この小説は消えてしまうかも?
興味のある方は、プリントアウトはお早めに!
↓
アタミステリー紀行 新生の館