二年前にも「病名という名の隠れみの」という記事の中に書いたけど、
脳脊髄液減少症はさまざまな症状が出るために、
脳脊髄液減少症の多彩な症状をよくわかっていない医師が診ると、
その患者の訴える症状ごとに、実にさまざまな病名が付けられてしまう可能性を
私は強く
強く感じています。
脳脊髄液減少症と診断されてもなお、治りきらない残った後遺症に、
別の診断名がつけられても少しもおかしくないのが脳脊髄液減少症だと私は感じています。
最近、整形外科医によって、慢性腰痛の診断基準ができたみたいだけど、
脳脊髄液減少症でも、慢性腰痛にもなります。
脳脊髄液減少症で認知症のようにも、なるけれど、
先週のNHKドクターGの「様子がおかしい」という番組の中でも、
研修医たちが考える「治る認知症」の病名リストの中にも、
ビタミン欠乏や脳腫瘍や脳炎や神経梅毒やパーキンソン病や肝不全・腎不全、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症はあげられても、
ついに脳脊髄液漏出症は出てきませんでした。
脳脊髄液は増えすぎても減っても脳はダメージを負うはずなのに。なぜそのことに気づかない、
ドクターGよ。
脳脊髄液は漏れて減っても、漏れていなくてもなんらかの原因で髄液が減っても、髄液圧が低下しても、認知症みたいになったり、記憶障害などが出ることは、
体験した患者と専門医なら知っていることなのに、
一般的な医師にもあまり知られていないのが現状なのかもしれません。
脳脊髄液減少症は
原因不明の病あるいは慢性疾患のようにもなるけれど、
それを実際の患者から学び、充分にわかって知っているのは、
ごくごく一部の脳脊髄液減少症専門医だけでしょう。
慢性腰痛の専門医も、認知症の専門医も、パニック障害や線維筋痛症や
慢性疲労症候群の専門医も、
脳脊髄液減少症のことを、あまりわかっていないのが現状でしょう。
そのことに私は危機感を感じています。
本日から、
読売新聞の医療ルネッサンスで、
「見えない胃腸病」が連載されます。
今日は、ひどい吐き気があっていくら病院を回って検査しても原因がわからないため、
最後に機能性ディスペプシアと診断された患者の例が出ています。
「原因不明の機能性の胃腸病」と診断されて、患者はやっとほっとしたことでしょう。
「ああそうか、私の症状の原因は、現代の医学では原因不明の病だったんだ。」と患者が納得して、その医師を信頼し、対症療法を続けて、はい、めでたしめでたし。
でも、はたしてそれでいいのでしょうか?
脳脊髄液減少症の可能性はきちんと専門医によって否定された後ならそれでもいいのですが。
「原因不明の病」なんて診断にたどりつくのは、
現代で考えうるすべての病名を当たってからでも遅くはないのではないでしょうか?
医師が考えうることの中に、「髄液の漏れ、あるいは髄液の減少で起こる人体の精神的肉体的なさまざまな症状」という情報はあるのでしょうか?
記事を読んだ限りでは、
原因不明の吐き気に苦しむ患者さんが、
いくつもの病院をめぐって検査した、そのいくつもの病院の中に、
脳脊髄液減少症の専門医のいる病院があったとは、私は感じられませんでした。
因があるからこそ症状が出ているのに、
現代の医学では原因不明、と思われても、
実は現在の医学でも今までの医学概念とは全く違う視点で患者を断治療をしてみれば
回復可能な症状だってあるのに。
あまりにもあまりにも脳脊髄液減少症の実態が医師にもわかっていないから、
病名を探る時、頭にも浮かばないのではないでしょうか?
特に頭痛もなく、内科的な症状だけ、精神的な症状だけで医師を受診した場合、
日本中の内科系医師、精神科や心療内科の医師の頭の中に、
脳脊髄液減少症の病名が必ず一度は浮かぶかといったら、非常に疑問です。
浮かばないのがまだ普通なのではないでしょうか?
本日からの読売新聞医療ルネサンス、ぜひお読みください。
もし、脳脊髄液減少症で頭痛などがなく胃腸症状だけを経験し、脳脊髄液減少症の治療で治った人がいたら、
読売新聞に教えてあげてください。
よろしくお願いします。