脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

闘病記で生きる力を。

2008年02月15日 | つぶやき

1月30日のNHKの朝の番組「生活ほっとモーニング」で

闘病記で生きる力を」と題する放送がありました

その中で 骨肉腫を患った人が、亡くなる前家族に向けて書いた本である

「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」 (井村和清 著 )

の中の文章が紹介されていました。

病人にとって、大変に苦しいことが3つあると思います。

そのひとつめは自分の病気が治る見込みのないことです。


ふたつめはお金がないことです。


みっつめは自分の病気を案じてくれる人がいないことです。

この3つめの不幸が一番苦しかろうと思います
。」

これを聞いて、脳脊髄液減少症の私は本当にそうだとおもいました。

脳脊髄液減少症と診断がつく前は、

たとえ今すぐ命を奪われるわけではなくても、

広い意味では

この3つのすべてがそろっていたからです。

今は「治る見込み」はあると思えるようになったので、

ひとつめの苦しみは消えつつありますが、3つめの

自分の病気を案じてくれる人のいないことや、

病気の苦しさを理解してくれる人のいないことは今まで

病名判明までの長い長い年月、

症状よりも何よりも、苦しいものでした

医師や他人はもちろん、家族も、友人にも、兄弟にも理解されることのなかった、脳脊髄液減少症の数々の肉体的、精神的な症状の苦しさ・・・。

やっと病名がついても、同じ病気の患者さんたちにすら理解してもらえない苦しさや心の葛藤・・・。

お金がないことももちろんつらいことですが、

人にわかってもらえないこと、案じてもらえないことは

人間なら誰でも、一番つらいことなのではないでしょうか?。



番組では、エッセイストの岸本葉子さんという方が
主演されていました。

私は、この方がどういう方なのかそれまで全く知りませんでしたが
この方ご自身も虫垂がんになった経験があり、

闘病記を書かれているようです。

 ご自身がガンで闘病された経験があるせいか、
この方の発する言葉のひとつひとつが 、私の心に響きました。 

朝の早い時間の番組で

ご覧になれなかった方も多いと思いますので、

以下、岸本さんが番組でおっしゃった言葉を
一部紹介させていただきます。

なお、かっこ( )内は私が書き加えた言葉です。

     

本当に闘病記はいろんな読み方をされている。

患者本人は(闘病記から)リハビリの仕方といった具体的な情報を得ると同時に、

さらに進んで、生き方や心の構え(などの情報も得て

そうなるともう自分と同じ病気でなくても学ぶことがある。

そして、さらにご遺族もまた、一種の心のケアみたいなものを

本から得ているんだなと感じました。

(闘病記は)たくさん読みました。

やはりその書いた人は体験談なので

同じことを、もしかしたら、お医者さんの書いた本にも書かれているかもしれないけれど(読み手の)受け取り方が違うんですね・・・。

リハビリの仕方も、もしかしたらお医者さんの書いた本にも

「こうなれば回復しますよ。」ってことが書いてあるかもしれないけれども、

闘病記はやはり体験者だから「こうなれば回復しました。」って

自分のことで書いてある。

そうすると、なんか説得力もあるし、

あ、自分もやってみようかなという強い動機づけになるような気がします。

(私は闘病記を)書くことで自分の心の処方箋を探していた、
その記録だったんだなと思います。

とてもドキドキして不安、でもその

この不安って何だろうかと書き出してみることで、

私が不安に捕らえられているのではなくて、

私がこの不安を捕らえた、 というような感じに、逆転して、

不安に立ち向かっていくみたいな気持ちになりました。

 

不安そのものは、なくならないんだけれども、

でも、私は、これが何だかつかんで、

それに向かっていこうとしているんだ、という気持ちになりました。

書く側にとっても、
それを受けとってくれた人も、
きっと、この人はこうしたんだ、こう思っているんだと知ることで、

またそのご自身の、

心の処方箋を探していく手がかりになるのかなと思うんです。

病気になると、ともすると
あなたはいいけど、私はこう・・・・というような

違いが気になる時もあるんですけれども、

その違いを乗り越えて、
何か共有できることがあるんだなぁ・・・。

本当に、
闘病記を通じて、

同じ病気でも患者って、ひとりひとり違うんだ、
ひとりひとり違う生活背景があり、
価値観があり、
生き方がある。

(闘病記の書き手の)この人はどんな治療法を選ぶかな、という感じで、
コミュニケーションが良くなり、
そして、

患者の意思が、

医療現場に取り入れられるようになればいいな、と思います。

VTRを見て
(闘病記は)異なる医療現場の情報交換にもなっているような気がしました。

闘病記って、
いろんな人をつなげる媒介になる可能性があるなって思いました。

医療現場の人と患者
(をつなげ)

患者と患者 (をつなげ)

そして、

患者の側も医療現場のことを理解するようになりたい。

たとえば、お医者さんにかかるときって

(闘病記を書いた)この患者さんはメモして(受診して)た、
じゃ私もそうやって、スムーズにいくようにしようとか、
何かそういった、相互理解が進んで、

病気を治すという目標に向かって、

一緒に向かっていけるようになる、

材料になればいいなと思います。』

    

 

NHK生活ほっとモーニング「闘病記で生きる力を」(右上の2008年1月30日のところをクリック)

岸本葉子さん公式ホームページ

テレビ出演

作品リスト  

番組で紹介された本の一部紹介

飛鳥へまだ見ぬ子へ」井村 和清  祥伝社

「今を駆け抜けろ」宮沢 翠

脳出血から二度生還して

脳梗塞を治す本

生きて輝いて(自費出版のため、読んだ方のブログにリンク)

最初のころの10分間は見ていないので、他にも何か本が紹介されていたかもしれません。

生活ほっとモーニングは再放送しないのが残念です。 

岸本さん、素敵な言葉と気づきをありがとうございました。

私も不安や怒りや心の葛藤を書き出すことで、

自分の心の処方箋を探していたような気がします。

治療によっての脳や、体の症状の改善のおかげか、

書きだしたことでの心の処方箋のおかげか、

今はかなり、気持ちも、生きることも楽になってきています。 

 

追加:

生活ほっとモーニングでの予告版の番組説明

1/30(水)闘病記で生きる力を
今、全国各地の図書館や病院で、闘病記を集めた専門のコーナーが設けられ、人気を集めています。

2年前、日本で最大規模のコーナー「闘病記文庫」を設置した鳥取県立図書館は1200冊の蔵書数を誇り、一月でのべ300冊が貸し出されています。

闘病記を読むのはがんや脳卒中などの大病と向き合う患者やその家族です。

週に1回、闘病記文庫に通う75歳の男性は、30冊を読みました。

4年前脳卒中で倒れ左半身まひになったこの男性は、人生の先行きに絶望し、リハビリにも取り組みませんでした。

しかし、妻のすすめで、二度の脳卒中を経験したものの見事復帰した同年代の男性の闘病記を読んだことがきっかけで、持ち前の明るさを取り戻しました。

自分より重い病状の人が逆境を乗り越えたことに勇気をもらい、また、回復への道筋が見えたことが希望につながったといいます。

以来、リハビリに積極的に取り組み、立山連峰の登山に成功するまでに回復しました。

一方、闘病記を書く側にも理由があります。

12年前、乳がんと診断され、左乳房を全摘した63歳の女性は、患者に役立つ具体的な情報を伝えたいと闘病記を書きました。

自身が読んだ闘病記が、抽象的なキャッチフレーズを書いたものばかりで参考にならなかったからです。

この女性は、がんの治療と仕事を両立するための具体的な工夫や再発の不安を乗り越えるための気持ちの持ち方など自分自身の体験をもとに詳細に記し、多くの読者から感謝の手紙が届きました。

闘病記の利用を始めた医療界の最新の動きも交えながら、そのパワーをお伝えします。

 

 

 

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毒入りギョーザと脳脊髄液減少症

2008年02月08日 | つぶやき

農薬入りギョーザ事件が毎日テレビで報道されています。

見ていてふと、
毒入りギョーザ事件と脳脊髄液減少症は似ているな

と思いました。

なぜかって?

症状が似ているから?

いえ、いえ、
その、
体調不良の真の原因発覚までの経緯が

です。


つまり・・・


生きた人間が体調不良を訴えている。

しかし、
検査ではその原因が特定できない。

だから、
その体調不良の真の原因や

他の原因を追究することもなく、

安全だとか
異常なしだとか、安易に判断して、 放置してしまう。

そして問題が大きくなってから
その深刻さに気がつく・・・というところが・・・。

似ていると思いませんか?。

 

もっとも脳脊髄液減少症が抱える問題の深刻さは

まだ世間に気づいてもらえないようですが・・・。

毒入りギョーザの検査の指示を出した企業が
記者会見で言っていたこと、

「細菌検査はしたが、有機リン系農薬の検査はしなかった。」
「細菌検査で異常なしだったため、その他については
異常なしと判断してしまった。」

精密な生命維持装置を持つ人体が異常を感知しているのに
検討違いの検査だけで異常が発見されなかったからといって
異常なし」と結論づけられて、放置されてしまう。

そういう意味で
毒入り餃子事件と脳脊髄液減少症の
症状の真犯人にたどり着くまでの経過がとても似ていると

感じています。

脳脊髄液減少症の存在を否定する

否定派医師や
否定派保険会社や、
その深刻な事態に気づかない医学界や国は

被害を拡大させた 危機管理体制の甘い企業と
同じ間違いを犯している

と私は感じています。

一刻も早く、
このあやまちに気がついて
被害拡大を防ぎ、人命優先の姿勢を示してもらいたいものです。

このままでは、
医学界や保険会社という巨大権力のプライドや権力維持のために、
人命が後回しにされかねない事態が続いてしまいます。

それは薬害エイズや
薬害C型肝炎、
そして過去の公害病と同じ過ちを犯してしまうということです。

さらに、今回の毒入りギョーザ事件で感じたことは

検査というものは、
検査を指示する人間の予想の範囲でしか行われるものにすぎない」という
当たり前のことです。

その当たり前のことを、忘れ、検査結果を過信するのが不幸のはじまりです。

検査とは
人がその人の過去の知識の中にある異常の原因を予測して
その仮説を確かめるための検査方法を選び
検査を依頼するのです。

だから、検査といっても、
ごく一部の検査にすぎないのであって、
一部の検査で異常がないからといって、「異常なし」とは限らないのだということを忘れてはいけないのだと思います

その検査を依頼した人の予測、仮説が当たっていればいいですが、
人間の考えることですから、ハズレていることもあるのです。

その最初の予測、仮説自体が間違っていれば、
その間違った仮説にしたがって検査方法を選んで検査をしても、
異常は何もでてきません。

ギョーザに有機リン系農薬が混じっているかいないかの検査をしなければ
有機リンの存在が判明しないのです。

同じ検体のギョーザでも、
いくら細菌の
検査をしても、
有機リンの混入という原因は判明しないのです。

農薬ジクロルボスにはジクロルボスの
農薬メタミドホスにはメタミドホスの
ベンゼンにはベンゼンの
それを検出する検査がなければ、その存在が判明しないです。

いくら人が体調不良を訴えても、
原因が特定できなければ
今回のように、毒入りギョーザをすぐさま回収できず、

流通したまま、 放置されてしまったのです。

脳脊髄液減少症も同じです。

いくら体の異常を訴えても、
病院を受診してその症状を訴えても、

診た医師の頭の中に、「脳脊髄液減少症」という概念や
その症状や検査方法に対する知識がなければ、
「脳脊髄液漏れ」を検査する指示を出すこともできないのです。


たとえ、検査画像に脳脊髄液減少症を思わせる異常が映っていても、

それを読み取ることさえできないのです。

今回の農薬入りギョウーザが細菌検査で「異常なし」とされたように、
異常がある人体でも、検討違いの検査をすれば
「異常なし」と出てあたりまえです。

その異常の原因に対する知識がなければ
たとえどんな検査をしても、
検査結果から異常を読み解くことができないのは、あたりまえです。

人の感じた異常の真の原因を、見落とし、
ごくごく一部の検査にすぎない検査結果だけで、
「異常なし」と結果づけてしまう怖さ。

検査結果を過信して、検査というものそのものに限界があることを、

すっかり忘れている方がたがいることへの怖さ。

現代は検査数値を過信しすぎています。

もっと人体のセンサーを信じてほしいものです

検査結果よりも何よりも、
人体のセンサーが感じた「異常」の方が、
どんな最新の検査機器による、
科学的な検査方法よりも、どれほど精密で正確だということを、
今回の事件で改めて感じました。

命ある生物が、
自分の命を守るための、危機から、身を守るための精密な機能は
おそらく、どんな科学的検査方法よりもすぐれているのだと思います。

毒物が体内に入ろうとする時に
人体が感じる、におい、味、手触りの異常、

謝って毒物が体内に入ってしまっても、
嘔吐や下痢で、体の外に排出して、被害を食い止めようとする機能、

人体には、危険から人体を守る ための
さまざまなすばらしい仕組みがそなわっているのです。

だから、
もっと人間の生の声に耳を傾けてほしいです。

否定派医師や否定派保険会社
そして、
ノンキな国会議員や国のお役人、

脳脊髄液減少症の治療経験もないのに
患者の生の声を聞こうともしないまま、
脳脊髄液減少症研究者にのうのうと名を連ねている先生方

このへんで、考えを改めないと、
被害を拡大させ、
墓穴を掘った企業や組織と同じ運命をたどると思います。

このままでは、

客からの「異常を感じる」という知らせに
あらゆる手をつくして、原因究明しようとしなかった、
毒入りギョウーザの流通と同じ間違いを犯してしまいます。

今回は消費者の声をまじめに受け取ったものの、
検討違いの検査のために、真の原因究明が遅れただけなのだと思いますが、

中にはこうした消費者の声に、
頭から「クレーマー」と疑う企業もあるかもしれません。

まるで交通事故後の被害者が体の異常を訴えているのに、
頭から、「保険金目当ての詐病」と疑って、真剣に対応しない医師や保険会社のように・・・・

もう、いいかげん、人命軽視の姿勢はやめてもらいたいものです

確かに、そういう悪いことをたくらむ犯罪者は後を絶たないのかもしれません。
でも、それは一部の人間にすぎないのです。

そのことを忘れないでほしいです。

すべて、最初から疑いの目見られたのでは
誠実に生きている人々が救われません。

原始的かもしれませんが、
人体の感じる異常は
機械の検査結果よりすぐれている。

このことも、決して忘れないでください。

そして、 人にかかわるお仕事をしている
企業や個人は

目先の利益や、プライドや、メンツや、社会的地位や
そんなものを優先させないで、

いつも人命優先で、人に優しく生きる努力をしてほしいです。

消費者や患者、被害者の生の声に耳をかさず、
最初から疑ってかかり、

真剣に原因究明しようとしなかったり、
真摯な姿勢で誠意を持って対応しようとしなかったりすれば 


 いつか必ず
その個人や企業にマイナスの影響を与えてしまうと思います。

人に優しく真摯に耳を傾け対応する姿勢を
常に貫いて生きていれば、

人でも企業でも、
どんな危機でも、必ず乗り越えられ、

長い目で見て、
決してマイナスにはならないと私は思います

 

関係者の皆様には

一日も早く脳脊髄液減少症の抱える問題の深刻さに気づき

救いの手をさしのべてくださることを

願っております。

 

よろしくお願いします。

 

 

参考:

のぶさんの記事 赤福と賞味期限と私

       毒ギョーザ警告メール 保健所“放置”6日間も

中国製ギョーザ:コープ、検査結果放置…千葉市の女性提出

放置された「千葉市の母子被害」、市保健所へのメール内容明らかに

 苦情電話、3000件超の勢い ジェイティフーズ

JT子会社に半年前にも苦情

 

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春、遠からじ

2008年02月01日 | つぶやき
2月になりました。
早いものです。

私の人生の春も、少しずつ近づいてくる予感がします。

どんなに絶望しそうでも、
どんなに苦しい症状が続いても、
どんなに毎日が
精神的にも肉体的にも生き地獄のようであっても、

生きてさえいれば、
寒い冬が必ず終わって、芽吹きの春がくるのです。

交通事故からの、何十年もの
長い長い冬がやっと終わり、
ようやく、雪解けの季節がきたような思いです。

さまざまな症状で苦しみ続け、
つらく、悲しく
失うものも多かった人生でしたが、

今、失ったものと同じくらい、
得られたことがあったことにも
気づきはじめています。

命が尽きるその瞬間まで、
とりあえず生きてみようと自分に言い聞かせて、

つらくても歯を食いしばって生きてきて、
本当に良かったと思います。

「生き抜くこと」にこそ意味があったのだと
今、思います。

やっと、今、
近づいてくる
夜明けのような、
春の訪れのような予感があります。

同じ脳脊髄液減少症で苦しむ皆様方も、

病名は違っても、似た症状の、
うつや、慢性の頭痛や肩こり、
慢性疲労や全身を動き回る痛み、次から次へと現れる全身の不調
吐き気、めまい、だるさで苦しむ方がたも、

病気でなくても、
何かの原因で生き続けることが大変に困難に感じている方も、

どんなに苦しくても
どうか絶望だけはしないでください。

希望だけは捨てないでください。

自殺だけはしないでください。

生きてさえいれば、いつか必ず光は見えてくるのです。

今はダメでも、
未来はいい方へ変わっていく可能性をも秘めているのです。

最後まで、生きてみなければわかりません。

生き抜いて生き抜いて、
たとえ光が見えないまま、命つきても、
そこまで精一杯生き抜いたことに意味があると思います。

だから、
どうか生き抜いてください。

私も、
これからも
どんなに苦しいことがあっても、

とりあえず、自分の命だけは守り、

生き抜いていきますから・・・。

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