な、なんとWSJらしくない記事か。
こんな記事を載せて大丈夫か?
AKB48「総選挙」報道過熱―騒動の裏側分析ほとんどなし(THE WALL STREET JOURNAL)
ただ、冷静に見れば、この選挙の本質は票を金で買う「金権選挙」「買収選挙」でしかない。当落すれすれの議員候補が、金にあかせて有権者に札束をばらまく構図の逆バージョンなのだ。金権選挙が言い過ぎなら、熱を上げたホストを店のナンバーワンにしようと、ドンペリを抜く女性客と変わらない。いずれにしても、本来は趣味人同士がひっそりと行う行為ではないだろうか。
この手の勘違いについては、過去に何度も説明したので今更語らない。
とりあえず↓を読んで頂きたい。
『【
AKB48】 なぜAKB48は批判されるのか、わかりやすく説明しよう。』
ただ、私がこの記事に噛み付くのは、この時期がWSJの記事として配信されているからだ。
この人はWSJにしては珍しく資本主義を否定するつもりらしい。
その理屈で従えば「株式」だって金権選挙や買収選挙になる。
(ちなみに私はアイドルを株式会社化すればという提案もしている。『「
育てるアイドル」とアイドルの株式会社化』)
この記者が根本的に勘違いしているのは、次の箇所だ。
「本来は趣味人同士がひっそりと行う行為ではないだろうか。」
なぜ?
どこで、どのような理由でその線を引くのだ。
AKB48の総選挙は芸能界の話題にすぎないという見方もあろうが、そうはいかない。この騒動を社会的な現象としてメディアが取り上げた以上、その瞬間から普遍的な問題になったのだ。そうであるならば、このイベントが持つ構造的怪しさをえぐってみせるメディアが1社くらいあってもよさそうなものだ。「政治とカネ」の問題を追及する100分の1の気概と労力があれば、この選挙の構図を暴けそうなものである。
ジャーナリストなのだから、100分の1の気概と労力をかけて取材して欲しい。
是非、選挙の構図を暴いて欲しい。
そうすれば、AKB48の素晴らしさも理解できるでしょう。