TBSドラマ『半沢直樹』の話題で盛り上がってますね。
知人に面白いと薦められて3話目くらいから観ていました。
フィクションだと割り切って観ていたのですが、最終回の最後のシーンに妙にリアリティがあってなんとも言えない気分になりました。
私は原作を読んでいないので話がわかっていないのかもしれませんが、実に面白いというか、リアルな構図だなぁと思います。
ストーリーは、正義のヒーローである半沢が敵方のボスである大和田常務を如何にして倒すか、という水戸黄門的な勧善懲悪になるわけですが、これがストーリーとして成立するには「如何にして銀行という民間企業の中で善悪を定義できるか」にかかっているわけです。
これは極端な考え方ですが、もし東京中央銀行がコンプライアンスよりも短期的な利益を重視する企業風土を持っているなら、ひょっとしたら大和田は正義かもしれません。
ドラマ中では、全体を通して「真なるバンカーとは」という理念が、その評価基準になっていたわけですが、後半は銀行のトップたる中野渡頭取が正義の担保者になっていた側面がありました。
そのため、最後のシーンで正義の担保者たる中野渡頭取から出向が命じられた時に衝撃が走ったわけです。
(どんな思惑があったのか次回作を観ると理解できるのかもしれませんが)
「組織のトップ=正義」は古今東西使われる構図ではあるのですが、それが現実的かどうかは様々な意見があることでしょう。
そんなことを考えると、やはり、この問題は企業の存在意義というところに尽きるのであり、その意味で「ビジョナリー・カンパニー」の意味を噛み締めるのでありました。