総選挙が終われば誹謗中傷レベルの批判が出てくるのは想定していましたが、これはもはや恒例行事のようなものと思うようになりました。
誹謗中傷は当たり前、むしろ誹謗中傷されなくなったら総選挙の価値がなくなったということで終わりだと思います。
批判されないということは注目する価値もなしということですから。
これは恒例行事です。
そして、当Blogでこれらをいちいち取り上げて何が問題なのかを議論することを恒例行事にしたいと思います。
大人気ないと言われようがBlogの価値を貶めると言われようが毎年やっていきます。
踊る阿呆に踊らぬ阿呆、どうせ阿呆なら踊らにゃそんそん
第二弾は↓これ。
前田号泣!1位奪還!AKB17億円総選挙 (3/3ページ)(サンスポ)
http://www.sanspo.com/geino/news/110610/gnj1106100509022-n3.htm
漫画家、やくみつる(52)の話
「投票している方々をテレビで拝見して、早く現実に戻れよと思った。現実のしがらみの中で生きている大人から見ると、疑似の世界だね。投票したアイドルには会えるかもしれないけど、リアルに付き合える人はいない。メンバーの1人ひとりはいい子ばかりだけど、前田敦子は振り向かないよ。もっとリアルな世界があることを知ってほしいな」
スポーツ新聞の記事に噛み付いてどうする?と言われるかもしれないが、この例はとても良い事例だ。
(スポーツ新聞の記事の信憑性がどれだけあるか知らないが)
突っ込みどころ満載な発言であり、成熟した大人とは思えない不見識なことを堂々と述べることができるなと感心するくらいの内容である。
スポーツ新聞的な煽りなのかもしれないが、特にAKB批判派の中には何気にこの意見に納得している人たちも多いのではなかろうか。
しかし、この意見、大人の意見というにはあまりに恥ずかしい、未成熟な大人の意見である。
こういう大人が日本に増えれば増えるほど、日本という国は硬直性を増し、収縮・破綻への道を歩むことになるだろう。
やくみつる氏のコメントは、大きく2点の誤解を含んでいる。
1つは、AKBオタは「現実」を理解できないのに、なぜか自分は「現実」を理解できると考えている点である。
もう1つは、AKBオタの目的を男女の「付き合う」ことに勝手にすり替えている点である。
順に説明する。
1つ目。
根本的に「現実」に関する認識が誤っている。
あなたは「現実」というものが、どういうものかご存知なのか。
あなたのいう「現実」とは何か。
あなたは「現実」と「仮想」の区別がつけれるのか。
あなたの脳は「現実」と「仮想」の区別がつけられないのに、あなたはどうやって「現実」と「仮想」の区別をつけるつもりでいるのか。
あなたの考えている「現実」は果たして現実だといえるのか。
そもそも「現実」かどうかがそれほど重要なのか問いたい。
あなたは、日々の暮らしの中で「現実」と「仮想」なんて意識していないのではないか。
なのにどうしてAKB48総選挙にだけ「現実」指向を求める。
あなたが認識しているのは「現実」ではなく「事実」である。
ただし「あなたの事実」である。
「事実」は腐るほどあり、人の頭数以上にある。
例えば、福島第一原発で起きている現実をあなたは理解できるか。
あなたが認識しているのはマスコミや人から伝え聞く情報を基にしたあなたの事実であって現実ではない。
しかし、現実を理解していないのに原発や放射線汚染などについてわかったつもりで論評するではないか。
あなたは現実ではなく事実を基にしてあらゆることを判断しているのだ。
その「事実」が、「現実」なのか「仮想」なのか、あなたに判断できるか。
人間にとって認識している「事実」が「現実」か「仮想」かなどということは、どうでもよいことである。
「現実」にこだわるのは、物理学者か哲学者で十分だ。
人間は見たいものを見、聞きたいものを聞き、考えたいものを考え、そして信じたいものを信じているだけだ。
2つ目。
自分のことは棚に上げて言うが、世の中には知りもしないのに、さもわかった振りをして人を見下してモノを語ろうとする輩が多い。
2つ目の論点は、1つ目の「現実」に関する話と深いかかわりがある。
やくみつる氏のコメントが致命的に説得力がないのは、自分の視点でしか物事を考えていないからである。
自分の考えを現実に近づけようとするのではなく、自分の側へ事実を持ってくる暴挙、まぁ人間なら程度の違いはあれど誰しもやってしまうことをやっている。
こんなコメントでは、AKBオタの心に全く響かないだろう。
現実から程遠く離れたところで発せられた言葉であり、何も言い得ていないからだ。
AKBオタの心に届かないのであれば、では誰の為に発せられたコメントなのか。
総選挙に関心を持っていない人に向けられたものか?
それだと、それこそ無意味なコメントになってしまう。
つまり、このコメントには顧客(相手)がいない。
ほとんど意味のないコメントである。
紙面を埋めるための存在価値のないコメントでありながら、AKB関係者を悲しませるという、損しか生まないコメントなのである。
実に面白い。
AKB商法を批判する前に己の行動を自省してみたらどうであろうか。