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組織の意思決定を分析するための「視点」

2013-07-16 16:45:51 | AKB48_経営戦略・組織論系
組織の意思決定を分析するための「視点」についてのお話。


外交政策の専門家グレアム・アリソンは、キューバ危機を分析した『決定の本質』で、政府の意思決定を分析するための3つの「概念レンズ」を提唱した。

合理的行為者モデル:

このモデルは、政府の行動を合理的に統一された行為として見る。
政府は、明確な目標の下に選択は行い、行動を起こす。
この視点に立つと、政府が何をしたか、これから何をするかについて、特定の目的に照らし合わせて予測可能である。


組織過程モデル:

このモデルでは、政府の行動を、政府内部のシステム(組織構造、プロセス、ルーチン)に基づいた組織的な出力として見る。
組織には、その組織としての強みがあり、得意な行動パターン(勝利の方程式のようなもの)がある。
この視点に立つと、意思決定は意識的なものというより、行動様式の結果として見ることができる。


政府内政治モデル:

このモデルでは、政府が何をしたか、これから何をするかは、政府内にいるプレーヤの交渉ゲームの結果として見る。
政府内にいるプレーヤは、それぞれの立場に基づいた利害関係を持っており、意思決定は、それらのプレーヤの相対的力関係と能力に基づいて理解される。
この視点に立つと、一般に「政局」によって意思決定は行われると見ることができる。


上記3つのモデルは異なる次元の分析をもたらすが、相互補完的なものである。

つまるところ、組織の意思決定というのは「戦略」、「組織構造」、「組織文化」という3つの次元の統合された結果として見ることができるのである。

何の意図もなく、参考までに。




「戦略」の意味するところが「合理的」とは限らないのだが、本エントリの文脈としては、組織の意思決定を合理的な意図として見るという立場からすれば、組織の「合理的行為者モデル」は「戦略」なのである。

「戦略」には「意図的戦略」と「創発的戦略」があることは、当Blogでも何度か触れていることである。

調査研究によれば、意図的戦略のまま成功を収めることはほとんどない。

ほとんどの場合において、当初立案した「戦略」には、「修正」「無視」「破棄」が必要となる。


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1 コメント

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ものづくり千年 (グローバルサムライ)
2024-03-26 20:36:39
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考・思想を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。多神教的で多様性を許容するようなどこか日本らしいなつかしさがある。
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