goo blog サービス終了のお知らせ 

進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

「暇」と「宗教」どちらが先?

2010-03-12 19:14:58 | 哲学・思想
ギョベクリ・テぺ(Gobekli Tepe)遺跡のこと(極東ブログ)
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/03/gbekli-tepe-c82.html

ネットで有名な文科系の知識リソースの一つに「世界史講義録」(参照)があり、はてなブックマークでは5000近いブックマークがされている。

私も楽しませていただきました(笑)
http://www.geocities.jp/timeway/歴史を読むのは下手な小説を読むよりずっと面白いのです。

さて、極東ブログのエントリ内でfinalvent氏が述べているのは「農耕と宗教と、どっちが先か?」というものです。

世界史講義録の説明は「農耕が先」になっているが、これはfinalvent氏がいうように唯物史観なわけである。
マルクス『経済学批判』の序文にはこうある。
(「宗教的大変革の時代」でも述べてることだが)


私が到達し、かつ、それ以降において、私の研究を導く原則になった一般的な結論は次のようにまとめられる。自分自身の生存を社会的に生産するために、人間は彼らの意思からは独立した、さだめられたさまざまな関係にはいらざるをえない。つまり、それは、さまざまな物質的な生産力の発達段階に対応しているさまざまな生産関係である。これらの生産関係の全体は社会の経済的な構造をなし、その上に法的・政治的な上部構造を生じさせ、社会的意識の特定のかたちが対応する現実的な土台である。物質的な生命を生産する様式は社会的・政治的・知的生活の一般的なみちすじを規制する。彼らのありかたを決定するのは意識ではなく、彼らの意識を決定するのは彼らの社会的なありかたなのだ


それに対して、finalvent氏はギョベクリ・テぺ遺跡の発見により、農耕より先に宗教があったとする説が有力ということを説明するわけだが、私なんかからすると、農耕より先に宗教があったことは考えてみれば当り前なのだが。

「余剰生産物が大きな文明を生んだ」という漠然とした捉え方には同意するのだが、「余剰生産物が宗教」を生んだって説明するには無理がある。
というのも「農耕」と「宗教」ではレベルが違いすぎる。
程度問題なのだけれども。

議論を深堀りするためには「農耕」は「暇」にしないとだめ。
(ここでいう「暇」は労働生産性の向上によってできる時間的余暇の意味)

「宗教が先か、暇が先か」というのは面白い問いだ。

人類の生活は狩猟/採取型から農耕革命によって労働生産性が飛躍的向上したわけだが、生産性が向上して「暇」が拡大したことによって「宗教」も拡大した。
という説明が正しいのか誤っているのかは、議論の余地があるだろう。

要は、「宗教」の元となる精神性のようなものが先天的に人間にビルドインされているものなのか、それとも人間に考える時間ができたから宗教が生まれたのか。

[トヨタ]フェイルセーフは難しい

2010-03-12 12:31:53 | ビジネス
最近のエントリは質が・・

フェイルセイフ(ある女子大教授のつぶやき)
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=3459

近年改善が見られるものの、日本の自動車、電機産業におけるソフトウェアの立場というのは総じて低い。
どの企業の経営者もソフトウェアの重要性について語るものの、いかんせん社内に占める技術者の割合は圧倒的にメカトロニクスや電気系が多いし、また平均年齢もソフトウェア関係者の方が低いため、社内の論理としてはどうしてもソフトウェアの地位は高まらない。

マイクロソフトのビルゲイツは、ソニーに対してこういった。
(ソニーは脅威にあらずという意味で)
「ソニーはソフトウェアが作れない。」と。
それは、ソニーのソフトウェアエンジニアの能力が低いということではなく、ソニーという会社としてのソフト開発力は低いという意味であった。

また、少し前であるが、私はトヨタのソフトウェア担当役員の話を聞く機会があったので、少しこの件について感想を述べたいと思う。
トヨタも例外ではなく、ソフトウェアの立場が低かったようで、近年組織的な改変によって改善が行われてきたようである。
やはり、自動車技術の花形と言われたエンジンなどを長年やってきた人からすれば、「ソフトウェアなんて付加価値でしょ?」という認識しかなく、ソフトウェアが商品やサービスの価値を決めるという発想が希薄なのである。

これまで日本輸出製造業が世界に誇ってきたのはハードウェアの力であり、ソフトウェアの力ではなかった。
その視点に立てば、「ソフトウェアなんて付加価値でしょ?」と思うのも当然かもしれない。
「商品」をつくる「事業部」からすれば、ソフトウェアも「部品」の一つなのであり、「部品」のくせに「商品」の価値を決するかごとき論理は、彼らにとってみれば暴論なのである。


実はそれだけではなくて、新しい技術への心理的抵抗がある。
人間は「わからないこと」について寛容ではない。
知らないことを認められる人は、それほど多くなく、たいていは「よくわからない=嫌い」と情緒的判断を下してしまうのだ。
これは、ヒトが生きていくために備えた機能でもある。
人間は知らないことについて合理的に判断できない。
しかし、生きていくためには、その時々の環境に応じて判断しなければならない。
知らない食べ物、未開の土地、未知な他民族、などなどだ。
滅亡リスクを考慮にいれると、漸進的にしか行動様式を変えることはできない。
新しいものについては、少しずつ、恐れながら取り入れていくということだ。

まぁ、なんにせよ日本企業でソフトウェアの重要性が認知されてきたのは、ほんと最近のことであり、ソフトウェアに対する認識が広がるのはこれからなのである。
これは外部要因による強制的構造変化になるだろう。
幕末の黒船は、今は新興国である。

で、トヨタのフェイルセイフがどうなっているのかだ。
詳細を知っているわけではないが、思うところを述べてみる。

まず、ソフトウェアについて知っている人なら誰もが認めることであるが、「不具合ゼロは有り得ない」である。
どんなに優秀なエンジニアと、十分な資金とスケジュールを確保したとしても、不具合はゼロにはできない。
いや、これはソフトウェアに限ったことではないが、人間が作ったものに完璧など存在しない。

もちろん、ソフトウェアにも品質があって、不具合の質と量の違いは出てくる。
単に不具合が存在するといっても、致命的な不具合と些細な不具合との差はある。

当然、トヨタがつくる車に搭載されているソフトウェアにも不具合が多数入り込む。
これは、誰もが認める事実である。
だが、重要なことは「最終的に車の走行に影響がないこと」であり、不具合の有無ではない。
なので、ソフトウェアを開発するにあたっての方針としては、「不具合も想定して、最終的に走行に支障が出ないこと」であるはずだ。

例えば、これは単純すぎる例だが、
「ブレーキ制御システムに不具合がみられる場合は強制的に油圧ブレーキを効かせる。」とか。
しかし、
「Aというエラーが起きたら安全策としてA-Aという方向に倒す。」
「そうすると他のデバイスとの状況矛盾が起きるので、そちらも初期化する。」
などとやっているとその初期化処理に不具合が発生したりする。
そう、不具合処理が不具合に起こる可能性も想定しなければならない。

また、
「Aというエラーが起きたら安全策としてA-Aという方向に倒す。」
「しかし、A-Aが動かない場合はどうするのか。」
という問題も想定されるわけである。

つまり、
「じゃA-Aが動かない場合はA-Bでいきましょう。」
「でも、A-Bも動かない場合は?」
などという無限ループにはまるのである。

さらにいえば、
「AとBというエラーは想定していたが、まさかCエラーが起きるとは・・」
という話も往々にしてあるわけあ。


ソフトウェアを設計する際には「何を問題として想定するか。」ということが非常に重要となるが、これは結局「どこまでを問題として想定するか。」という問題に置き換わる。

実はこれ、当Blogで繰り返し述べている「科学」についてのお話全く同じである。
カール・ポパーの「反証できなきゃ科学じゃない。」、転じて「科学的理論はどこかに必ず反証可能性がある=完全理論は存在しない」なのである。

不具合が存在しないシステムは存在しない。
だから、システムを開発するためには、どこまでの不具合を想定するかという設計が重要である。
システムの品質の良し悪しは、その設計段階で決まるといってよく、その設計段階で失敗するとどれだけ完璧に近いプログラムコードを記述できても不具合は発生する。

ゆえに、ソフトウェア開発は知的産業なのであって、誰にでもできるわけではない。
本当に優秀なソフトウェア設計者は数が少なく、シリコンバレーなどいけば給料も高いのである。
優秀なプログラマーが優秀な設計者とはならないのである。

話がそれてしまった。
トヨタでも同様に、考えられる不具合を想定して、その場合の処理が定められている。
なので、基本的に"考えられる"不具合に対して最低限の対応はできているのである。
特に、車の場合は、どんな不具合でも、つまり想定仕切れていない不具合に対しても、システムがどう転んでも安全方向に倒すように設計してある。

たまに、その対応の仕方が、一般消費者とズレていることもある。
技術者からよく聞くのが「それは不具合ではありません、(設計通りの)仕様です。」
技術者からしてみれば、「それがいいと思ってやったのに」という思いもあるだろうが、何がいいかを決めるのは技術者だけではないので言い訳にしかならないのだろう。

最も危険なのは「想定仕切れない不具合」の、さらに想定漏れなのだが、もう話が長くなってきたのでおわり・・。

[就職]権威主義を排すると人気職業はこうなる

2010-03-12 10:01:35 | ビジネス
あくまでもアメリカの話だけど、面白い。
「権威主義」を排すると、ランキングがこうなるのか。

シリコンバレーで今最も優位な職業はソフトウェアエンジニアだそうです。
ITバブルがはじけてから、コンピュータ・サイエンスの人気は低下傾向だったようですが、最近はCSの学位を持つ人は待遇がいいそうです。

アメリカの職業別勝ち組ランキング(GIGAZINE)
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100311_best_job_in_usa/

The Best Jobs In America(http://www.focus.com/)
http://www.focus.com/images/view/7362/


柔軟性やストレス、将来性・満足度などを総合したランキングになっており、必ずしも収入が多い職業が上位にランクインしているわけではないようです。

1位はシステムエンジニアで、年収の中央値は8万7100ドル(約790万円)、最大年収は13万ドル(約1200万円)になっています。
システムエンジニア以上に収入が多い職種があるにもかかわらず、1位になるということは、最もバランスがよい職種とされているからなのかもしれません。

2位:医師助手、医師よりも助手の方がランクが上なのが意外。
3位:大学教授、
4位:ナース・プラクティショナー、
5位:ITプロジェクトマネージャー
6位:公認会計士(Certified Public Accountant)、
7位:理学療法士(Physical Therapist)、
8位:コンピューターネットワーク・セキュリティー・コンサルタント(Computer / Network Security Consultant)、
9位:情報アナリスト(Intelligence Analyst)

10位:セールス・ディレクター(Sales Director)
11位:麻酔専門医(Anesthesiologist)
12位:ソフトウェア開発者(software Developer)
13位:薬剤師(Pharmacist)
14位:作業療法士(Occupational Therapist)
15位:麻酔専門看護師(Nurse Anesthetist)
16位:ソフトウェア・プロダクト・マネージャー(Software Product Manager)
17位:IT企業アナリスト(Business Analyst , IT)
18位:弁護士(Attorney / Lawyer)
19位:内科医/一般診療(Physician / General Practice)
20位:人事部長(Human Resources Manager)
21位:上級証券アナリスト(Senior Financial Analyst)
22位:内科医/産科医/婦人科医(Physician / Obstetrician / Gynecologist)
23位:臨床心理士(Clinical Psychologist)
24位:精神病医(Psychiatrist)
25位:獣医(Veterinarian)
30位:テレコミュニケーション・ネットワーク・エンジニア(Telecommunications Network Engineer)
33位:有価証券トレーダー(Securities Trader)
34位:記載無し
35位:教育/トレーニング・コンサルタント(Education / Training Consultant)