粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

40代姉妹の死

2012-01-26 12:28:56 | 事件・事故・時事

今日の産經新聞社会面の小さなベタ記事が目に入った。札幌のマンションで42歳と40歳の姉妹の遺体が発見されたという。姉は病死で死後1ヶ月前後、妹は凍死で死後2~3週間。姉は知的障害の妹の面倒を見ていたが、昨年11月から料金滞納でガスを止められていたこともあり、看護疲れと生活苦がもとで病死したようだ。姉を失った妹には、北海道の厳寒のなか凍死しか残っていなかった。姉妹は妹の障害者年金月7万円で暮らしていたという。

この姉妹とは自分自身全く面識がない。ただこの小さな新聞記事で知るだけだ。しかしこの姉妹は一体これまでどういう生活を送ってきたのだろうかとつい考えてしまう。おそらく知的障害の妹の世話で姉は結婚には縁がなかったのだろう。でも仕事はどうしたのか。親はどうしたのか。親戚はどうなのか。次々疑問がわいてくる。しかし姉妹ともまだまだアラフォー女性、妹はともかく姉には可能性が一杯だと思うが。

同じ産經新聞の埼玉県地方面には木嶋佳苗事件の裁判の模様が報じられていた。結婚詐欺の果てに相手の男性3人を、練炭自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたあの事件だ。木嶋と付き合っていた別の男性(木嶋に大金を貢いでいた)もホテルで睡眠薬を飲まされ詐欺と確信したことを証人で語っていた。これに対して木嶋は直後のブログで「これからも、自分が幸せな気持ちでいられる人と接していこうと思った」と綴り、その男性との交際が真剣であることを弁護側が反論した。木嶋は37歳で同じ北海道出身、病死の姉妹よりは若干若いが「アラフォー世代」であることには変わりない。

「幸せになりたい」といって詐欺を繰り返す女と、幸せとは縁遠く悲惨な最期を送った姉妹、同郷で同世代の女たちの人生はあまりにも対照的な展開になってしまった。


議員削減は参議院で

2012-01-25 10:37:59 | 国内政治

昨日(24日)のコラムで衆議院議員の議席を減らす動きに対して異論を唱えたが、むしろ参議院議員を減らすべきだと思う。正直言って今の参議院は衆議院の暴走をチェックする本来の機能を果たしていない。「第二衆議院」にしか過ぎない。

衆議院との選挙に時間差があり、当時の世論の反映に時間的誤差が出た結果、衆議院との「ねじれ現象」となっている。つまり衆議院では与党が圧倒的な議席を確保しているのに対して、直近の選挙で与党が大敗した参議院では、野党が過半数を占めている。それが政局の混乱を引き起している。

自分は今の参議院では存在意義はないと思う。むしろいつも選挙を念頭に置いた党利党略が優先されて弊害ばかりが目立つ。本来の政策論争がないがしろにされていると思う。

そこで自分の独断と偏見で提案したい。まず参議院は現在の議員数242を200に減らす。次に選挙でなしに推薦制にする。まず47都道府県知事からの推薦で一律2名を選出する。そして産業界、消費者代表から各8名を、さらにそれ以外の18分野から各5名を選ぶ。教育、芸術、科学、スポーツ、マスコミ、医学、福祉、宗教、…などあらゆるジャンルの有識者を募る。さしあたってそれぞれの団体の推薦でいいだろう。

そして参議院はあくまでもチェックに徹して法案は予算案と同じく衆議院が優先する。しかし衆議院で議決されても参議院で否決されれば衆議院に差し戻して再度審議し直す。異議を申し出て衆議院に戻すだけでもプレッシャーになると思う。いやプレッシャーになるほどに参議院の「良識の府」の権威を高めていかなければならない。そして任期6年は同じでも2期のみとする。参議院は選挙とは無縁のものとして、政党色を極力抑える。選挙のための政争の具にしない。つまり衆議院とは全く選出方法や選出者が異なる新しい立法府として生まれ変わる必要があると考える。

訂正:「47都道府県からの推薦」(誤)を「47都道府県知事からの推薦」(正)と改めます。訂正してお詫びします。


議員定数削減は過疎地いじめ

2012-01-24 10:06:39 | 国内政治

今日から通常国会が始まる。野田内閣はこの国会で消費税増税の関連法案成立を目指している。ただそのためには国家公務員の人件費削減などの行政改革や国会議員の議員定数削減が課題になっている。しかし安易な議員定数削減は問題が多いと思う。与党民主党は衆議院議員の「小選挙区5減比例区80減」を提案している。小選挙区は山梨、福井、徳島、高知、佐賀の定数を各1人減らすものだ。比例区80人削減は公明党などの反対で成立は困難だが、小選挙区の方は通過しそうだ。

いわゆる1票の格差が選挙区により2.7倍にもなりこれが憲法違反だと最高裁で判断されたためである。しかし単純に有権者数の比率だけで判断していいものだろうか。削減の対象に挙げられた県は人口が100万人以下の過疎県だ。たとえば佐賀県は人口84万人、東京都の15分の1だ。小選挙区の定数は3人、東京都25人。これを1人減らすと2人。単純に考えると東京都の12.5分の1となり人口での不平等は解消されるかもしれない。

面積ではどうだろう。佐賀県2439k㎡、東京都2187k㎡よりも広い。これが佐賀県が過疎県である理由だが、過疎ゆえの都会との生活の格差は大きい。たとえば県民所得の差、1人当たり雇用者報酬は古い資料で恐縮だが東京638.3万円に対して、佐賀県440.5万円でなんと年間約200万円近くの差が出ているのだ。いうまでもなくこれは雇用の格差である。東京などの都会は高収入の雇用を得る機会に恵まれていることは一目瞭然だ。雇用に限らずたとえば医療などの福祉をみても機会や質で都会のほうが優遇されていることは明白だ。つまり「生活の格差」が厳然と存在しているのだ。

しかし国会で法案を採決するとき、佐賀の議決2に対して東京25では明らかに都会部に都合の良い法案が採決されることは必至ではないか。それによって過疎地の意見が切り捨てられる恐れがある。ただでさえ「3割自治」といわれる地方自治だ。政府に従属を余儀なくされている中央集権体制の現状では、こんな議員削減は「過疎地いじめ」そのものではないかと思う。


大相撲初場所を終えて

2012-01-23 10:15:19 | スポーツ

大相撲初場所は把瑠都の初優勝で終わった。表彰式の冒頭で歌われる君が代がなぜか空々しく聞えるのは、日本人の力士が余りにも優勝から遠ざかっているせいだろう。身長198cm、体重188kgの巨体で怪力の持ち主、女手一人で苦労して育てた母親を助けたくて単身異国で頑張ろうという強い決意、故国の極寒で鍛えられた精神力など、日本での成功の条件は揃っていた。初土俵から2年で新入幕するスピード出世は当然かもしれない。

なかなか今の日本人力士ではこんなわけにはいかない。多少技で優れても基礎体力とハングリー精神では当面勝てそうにない気がする。思うにもはや日本人云々を論ずるのは無意味なのではないか。把瑠都の昨日(22日)の優勝インタビューを聞いているとたどたどしいながらもしっかりとした日本語できちんと答えていた。観衆の盛り上げ方もなかなかうまい。日本人力士の場合は単調で面白みがないことが多い。何よりもの日本人受けする家族への強い想いがストレートに出ている。自分の母親と妻への素朴な感謝の言葉はじんときてしまった。

外国人でもいい。大相撲を盛り上げて表彰式でも日本人を感動させるのなら、それはそれで相撲という日本の文化を継承していくことになるのではないか。例えていえばテニスの全英ウィンブルドンで英国以外の選手が憧れの大会で歓喜の声を挙げるのに似ている。依然英国の輝かしい伝統は継承されていく。

日本人、外国人関係なく日本国内で日本の文化を盛り上げ、全世界に発信していく。それで日本が世界で一目置かれる、あるいは憧れ尊敬され続けることになればいいのではないか。ある意味で今後日本の存在意義となりうると思う。

たとえばKPOPの歌手が日本をめざして日本語の歌詞で聴衆を魅了しようという動きも、その一環として歓迎してよいのではないか。

反面今話題のダルビッシュのメジャーリーグ移籍は複雑なものを感じる。日本の逸材が次々とアメリカに引き抜かれていく。日本の選手がメジャーで活躍するのはうれしいが、やはり日本のプロ野球が骨抜きになっていくようで淋しい。国内でのプロ野球が盛り上げることが急務であり、それが日本の文化の興隆につながると思う。

東京大学が今後9月入学を採用する方針を発表したが、世界の優秀の才能を日本に呼び寄せて日本の学術を高めるためには火急の策であろう。これも時代の流れでやむをえないだろう。桜の季節に入学するという日本の季節感にはそぐわない気もするが。


福原愛メダルへの期待

2012-01-22 11:54:09 | スポーツ

意外だったが、卓球の愛ちゃんは全日本の選手権で今回が初めての優勝だという。それなのに五輪に2回も出場しているのは不思議と言えば不思議だ。国内の大会では弱いが世界の大会では結構頑張っていて実績があるためのようだ。一時は世界ランク7位にまでランクされていた。また中国での最上位のリーグにも単身加わり活躍していて、中国での人気は絶大のようだ。一昨年中国の胡錦濤主席が訪日した時、早稲田大学の講演の折、余興で福原と卓球の対戦を試みたことがあった。主席が福原に「あなたは私のことを知らないかもしれないが、私はあなたのことをよく知っている」と声をかけたという。なかなか中国の国家元首も粋なことを言う。ただ逆に日本の首相ではどうだろう。野田首相がたとえば韓国にいってスケートのキムヨナに「あんたは私のことをしらない…」と同じことを言ったら、「そうですか」とキムヨナに頷かれそうでこわい。

それはともかく彼女は中国の有力サイトでは「世界卓球8大美女」の一人にも選ばれた。8というのはちょっと微妙な気がする。5大美女ぐらいにしてくれないかと思う。ともかく彼女の愛くるしさは23歳の今も健在で僕も昔からファンだ。

なぜか今まで彼女はミキハウスの専属だと思っていたが、既に契約が切れ5年前からANAに所属しているという。ミキハウスというと福原愛と共に和歌山カレー事件の林某を思い出してしまう。ANAの専属なら愛ちゃんのCAの制服姿がCMで見られるかもしれないと勝手に想像してしまう。結構似合いそうだと思う。それはともかくANAの飛行機のごとく今年のロンドン五輪では大きく飛び立ってほしい。まだ日本は五輪の卓球でメダルを取っていない。彼女がその第1号になってほしい。あるいは石川桂純とのダブルスも期待出来そうだ。女子卓球では福原、石川を始め次々と天才卓球少女が誕生しているようで今後も期待が持てる。女子フィギャースケートとともに人気のスポーツになっている。

ただ天才少女もどこかの武道の選手のように将来政界に進むのはどうも。小沢さん、まさか卓球の天才少女に食指が動いてないでしょうね。お願いだから…。