粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

武田教授の新春初煽り

2012-01-05 00:04:21 | 煽りの達人

放射能煽りのカリスマ武田邦彦中部大学教授、今年もその煽りは健在のようだ。教授の1月4日付のブログには江戸川区にある小学校の旅行の「危険性を警告」していた。まずともあれ、都内の一小学校の一行事を探知する「情報収集能力」には驚いた。この旅行は2月14日、1ヶ月以上先の話だ。「福島女子駅伝への警告」が開始の18時間前に過ぎなかったのに比べて雲泥の差だ。おそらく教授の賛同者である小学校関係者(父兄?)の通報によるものではないか。

3泊4日の小学生たちの国立那須甲子青年の家(福島県)への旅行を学校が「強行」しようとすることに教授が食いついたのである。彼のブログを読むといつもそうだが怒りと共に呆れる思いがする。

教授が問題にしているのは例によってその周辺の放射線量だ。毎時0.25マイクロシーベルトは危険な場所と決めつけている。学校側は実際は平均すると0.14マイクロシーベルトで安全としているのに、最も高い地点を基準にして論理を進めている事自体強引だ。年間ベースでは2ミリシーベルトとしているが、これは旅行する東京の子供たちには全く関係ない数値だ。また教授の0.25学校側の0.14はあくまでも戸外の数値であり、そこで生活している人は1日の半分以上は家か事業所などの室内にいると言ってよいだろう。室内は戸外の40%の被曝量とされ、さらに年間の被曝量は少なくなるはずだ。

また国際放射線防護委員会(ICRP)が規定している年間被曝量1ミリシーベルトは自然被曝量を引いた数字だ。この青年の家も自然被曝量を除けば問題になる年間被曝量はさらに低くなる。したがってこれらを判断する限り、この場所は住民にとって(子供も含めて)全く安全(1ミリシーベルト以下)といってよいだろう。ちなみに自分が住む埼玉県川口市で除染が必要とされる場所は毎時0.23マイクロシーベルト以上である。青年の家の0.25はわずかにそれより高いが、前に述べたように局地的な場所であって、0.14マイクロシーベルトが通常とみれば安全そのものだ。こんな数値は首都圏でも方々で観測されている。

つまり武田教授の進言はそこの住民たちに対して全く迷惑千万であり、まさに風評被害の何ものでもないし、損害賠償裁判ものといってよいだろう。

教授の暴言は続く。

考えられないが、もしかすると「那須の人の生活費」を確保するために「自分の学校の児童を被曝させる、健康と交換」という論理なのだろうか?

ここまでくると自分は教授の「品格」そのものを正直言って疑わざるを得ない。以前にも書いたが、教授のブログは決して現地に赴いて正確な科学的データに基にしているのではなく、あくまでも机上の計算にすぎない。彼が青年の家周辺へ行って実際に線量を測って、毎時0.25マイクロシーベルトを確認したならばまだ納得するがその形跡はない。以前の駅伝の時と同じだ。まして「那須の人の生活費を確保する」なんて話は全く下手な空想小説にしかならない。

教授がブログの結びでこんなことを述べている。

教育とは、一つ一つのことに他人の言動や政府の方針に盲従せずに、また自分の栄達などを中心とせず、善良で人格の高い人材を育てることを目的としている。

自分の片腹が急に痛みだしたのはいうまでもない。