粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

ミャンマーの民主化

2012-01-14 08:23:20 | 国際時事

自分自身、ミャンマーの動向は88年の民主化運動が軍部により弾圧されて以来注目してきた。長年軍事独裁政権が続いてきたが、昨年後半からの一連の民主化の動きは目を見張るものがある。ティンセイン大統領のもとでの総選挙実施、最大野党党首アウンサンスーチーさんの軟禁解除、政治犯の釈放、少数民族との停戦合意など。

軍人が議会で最初から4分の1の議席が割り当てられているなど、まだまだ政治的に課題があるが、いずれ解決していくものと楽観している。反体制のアウンサンスーチーさんも現状を認識し過激な行動を慎みながらも、自分たちの主張を実行に移そうとする現実的対応に好感が持てる。

ミャンマーはかつてのインドネシアのように軍事政権から健全な民主国に定着した道を辿ると思う。なにより隣国のひとつに世界最大の民主国家インドがある。

2014年の東南アジア諸国連合の議長国にミャンマーがなれば、東南アジアの安定化に大いに寄与するだろう。いまだ独裁国家であるベトナムやラオスにもその影響が波及することが考えられる。

ミャンマーにとって今でも何よりも近隣の大国中国の存在も大きいが、これまでの中国一辺倒で追従の立場からは脱却していくだろう。そのためには、日本を始めアメリカ、欧州連合が経済制裁を解除して全面的な協力関係を構築しミャンマーの民主化を影で支えていく必要がある。

中国はこれまで地域の独裁国家が欧米先進国の制裁で苦しむ間隙を狙って、経済援助などアメをちらつかせ自分たちの利権を広げようと躍起になってきた。時にそれが自国の利益目的の強引な手法のため、独裁国家の現地民の反感を買うことも多い。ミャンマーでも同様のようだった。ミャンマーの民主化は中国の影響からの脱却のモデルケースになるだろう。