粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

カラオケばんざい!

2012-01-08 01:03:05 | 音楽

50をとうに過ぎて最近カラオケに凝っている。知人の女性が東京池袋駅北口数分のところでカラオケ喫茶を始めたというので早速訪ねてみた。彼女とは30年近くの知り合いで、主に夜のスナックのホステス後半はママと客の関係が続いていた。といっても彼女が一時店を閉めたり、田舎へ帰ったりでそれほど頻繁に会っているわけではない。会っても他愛のない話をするだけで残念ながら?それだけの付き合いだった。酒の勢いで彼女の手を握ろうものなら、逆に平手打ちを食いそうな姉御肌のママである。4?歳になるのに年の割には相当若くみえる新潟美人だ。

カラオケといってもいわゆるボックスではなく、喫茶店にカラオケが設置されていて、客が交互に歌う単純なものだ。したがって最初は他人同志が歌うのだが、自然と歌を通して知り合いになってくる。客層はほとんど50歳以上の男女でどうしても演歌系の曲が多い。

しかしこうした店に訪れるくらいだから、カラオケには格別思い入れの強い客が多い。特に女性は60歳を過ぎているのに歌に艶があり、自然と聴きほれてしまう。これまで自分の女性の「守備範囲」は15歳から59歳?ぐらいだったが、60を過ぎた女性の色気もいいなと勝手に思ったりする。

60を過ぎてもカラオケで熱唱する女性は、あまり生活臭がなく元気だ。快活なおばさんとの会話は楽しく、すぐに自分自身親しくなってしまう。カラオケには若返りと色気のエキスが混入されているのではないかと想像したりする。

快活さでは若干劣るが男性陣も負けてはいない。男性は研究熱心な人が多く、カラオケリストをノートに克明に記録したりする人も少なくない。歌唱法も自分なりの流儀をもっていて確かにうまい。中には芸能界に長年携わり今も現役の69歳の男性は、歌唱に入る前の語りや曲中のセリフが絶品で、さすがだなと思う。彼のファンになった女性がいるようで、同席する前日は美容院にいくという「かわいい」人もいる。

ただときどき困ったお客も希にいる。いわゆる「エロ親父」だ。80は過ぎているかに見えるおじいさん(実は70そこそこらしいが)は、「面食い」でめざとく好みの女性を見つけては、トイレの戻りにその女性の隣席に首尾よくすわる。精力的に話しかけてデュエットをねだる。晴れて歌う段になって、いやがる女性の手を強引に握ってしまう。それをママにひどく注意されたようでその後は来ない。おじいちゃん、もう少しおとなしくしようね!

ともあれカラオケは楽しく、若返った気分になる。そして特に中高年には絶好の社交の場になっている。今後社会の高齢化がすすんでいく上で、こうしたカラオケ喫茶は、絶好のサポート役を担うのではないか。

もちろん、若いお客もどんどん楽しんで欲しい。いま「一人カラオケ」というのがはやっているらしい。狭いボックスで自分の音響だけが返ってくるのは淋しすぎる。カラオケ喫茶なら、乗せ上手のママや陽気なおばさんの盛大な拍手が待っている。音痴もおだてりゃ天にも昇る?失礼しました。<歌声喫茶やっこの部屋>