粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

デモに飛びつく人々

2013-12-22 15:21:33 | プロ市民煽動家

あのフリージャーナリストで以前自由報道協会の幹事だった田中龍作氏が「国防軍反対デモ1周年」の様子を取材し記事にしている。国防軍改創設を目指す安部政権に抗議して昨年以来デモを続けているというが、これまでそんなデモ自分自身聞いたことがない。

「安倍政権は予想を上回るスピードで右傾化している。右傾化というより軍国主義化といった」(田中氏)危機感がデモ参加者の間には渦巻いているようだ。田中氏は、参加者の何人かの声を紹介している。


*「彼ら(安倍政権)を思い上がらせたくない」。国会議事堂前で声をからして秘密保護法に反対した大学1年生(女性・都内

*「国民がどんどん声をあげていかなくてはならない」と話すのは『戦争好き、国民敵視の安倍内閣はいらない!』と書いたプラカードを持つ女性(都内・60代)

*北海道から駆け付けた女性(30代)は「(危険な法律が)どんどん可決されて危機感がある。廃案(廃止)を目指して、きょう、ここに来た」。

*「民主主義が終わりかかっている。国会前で抗議していたが、安倍政権がどんどん暴走していった」と語るのは都内在住の女性(30代・会社員)


よく見ると全て女性ばかりである。田中氏が女性の方が聞きやすいから敢えて選んだということもなくはない。ただ女性差別するつもりはないが、こういった反政府的デモに最近女性が目立つのが気にかかる。

昨年夏盛り上がった脱原発デモも結構女性が多くNHKなどでもそうした女性を特集で取りあげていた。たとえば専業主婦だった30代女性で、これまで社会的問題に無関心だったが、「突然目覚めて自発的に」参加するようになったと吐露していた。しかしこの脱原発デモも一時的はパッションで終わり、雲散霧消してしまった。

これと入れ替わるように沸き起こったのが「特定秘密保護法反対デモ」である。脱原発デモと同様そのデモの中核になるのはどう見ても「プロ市民」といわれる確信的活動家であるが、「突然目覚めた」素人がそれに引き込まれてデモが形成されているように思う。

特に学生、主婦など時間的に余裕があって厳しい社会の生存競争とは距離を置いた特定層だ。それも女性が多い。言い方は悪いが情緒的で少女趣味なところがあるのではないか。原発は許せない、現政権は右傾化している、秘密保護法は電代の治安維持法だ、国防軍創設で戦争が始まる…。

正義を単純化してそれに反するのが悪だという発想、これは見方によってはとても危うい考え方ではないか。物事には白黒つけられない灰色が存在する。灰色は善でもあり時に悪にもなりうる。清濁併せ持つという言い方があるが、これが現実の世界である。もちろん理想を掲げて突き進むのは間違いではないが、一度足下を確認することが大事だと思う。

一番始末が悪いのは、そんな単純な正義を大上段に構えて大衆を煽動するマスコミやジャーナリスト、学者である。彼らの本音が実はそうした主張とかけ離れた下世話な利害判断、エゴイズムにあるとしたらなおさら警戒しなければならない。