粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

秘密保護法成立日の二つの報道番組

2013-12-07 10:49:43 | 反原発反日メディア

マスコミが大騒ぎした特定秘密法案がついに成立した。途中特別委員会までは、国会は紛糾して強行採決の言葉が躍ったが、昨日の参議院本会議の採決はあまりにもあっさりしていて、拍子抜けするものだった。さすがに朝日新聞の本日朝刊も「強行」の文字はどこにもない。「知る権利損なう恐れ」という悔し紛れの?の見出しに留まった。

昨日、この特定秘密保護法案を巡る報道で二つの情報番組はその報道姿勢で極めて対照的だった。午後2時からの読売テレビ系の「情報ライブ・ミヤネ屋」と夜のテレビ朝日系「報道ステーション」である。結論からいって前者がバランスがとれて比較的公平だったのに対して、後者は一方的な偏った見解に終始していた。

まずミヤネ屋だが、重要な機密を保護すべきという根本的スタンスで法案を報じていた。その上で、具体的に個々の条文のどこが問題で検討が必要なのか、比較的建設的な解説を加えていた。司会の宮根誠司もバランスがとれた立ち位置で話を進めていた。コメンテーターのうち森永卓郎はこの法案に否定的であったが、タレントのガダルカナル・タカと大島智子は中立というか冷静に評価していた。電話で登場した時事通信社の田崎史郎も(この法案にはともかく反対というジャーナリストが圧倒的に多いが)非常に公平とも思えるスタンスで解説していた。

これに対して夜の報道ステーションは出演者が全て法案反対の人物ばかりであった。古館伊知郎、朝日新聞記者、そしてゲストの中島岳志北海道大学准教授。特に中島は左翼雑誌週刊金曜日の編集委員であり、その発言内容は予想通りだ。

そして、国会前反対デモなど各地のデモの参加者にいちいち発言させる報ステお決まりの手法だ。石破自民党幹事長が「テロ行為に近い」と酷評したが、太鼓やドラをがなり立てる光景にはうんざりする。脱原発デモの騒擾と重なりあう。彼らは本当に法案の中身を理解しているのだろうか。左翼的で皮相的なムードに流されているように思えてならない。

そしてこの日の報道ステーションでは、自民党OB数人がこの法案に疑問を表明していることを紹介していた。野中広務、古賀誠、白川勝彦、そして河野洋平、皆親中派の人物ばかりだ。実際この秘密保護法案では、敵対国へ日本の機密が流出することを防ぐことが第一の趣旨ともいえる。その点では今後中国はその最大の対象国に違いない。廃案になって一番喜ぶ国はどこか。これら親中派のOBが法案に反対する意図が透けて見えるような気がする。

ところでOBの中で河野洋平については、さらに問題がある。例の河野談話の作成者である。これがいかに日本の国益を害していることか。保守派論壇からは「国賊」呼ばわりされている。メディアが当時の実態を本人に取材しようとしても彼は頑にこれを拒否している。そんな彼がこの法案に知る権利云々で反対を表明しているのは笑止千万というしかない。

報道ステーションもこの期に及んで出演者の「人材枯渇」を露呈させてしまった。これまで各界から法案反対者を動員させてきたが、河野洋平がトリではまさに「ネタ切れ」といってよいだろう。

法案を巡る報道の意図的な誘導、偽善と利害、皮相的な騒擾、まさに現実のドロドロとした世界が垣間見える。報ステの直前にはフィギュアスケートグランプリファイナルの男子フリーを中継していた。パトリック・チャンの巻き返しの滑りも素晴らしかったが、羽生結弦の演技は圧巻だった。超人技の結晶といってもよい氷上の芸術は、日常のドロドロした騒乱とは対極にある。まさに純粋な天上の世界ともいえる。今夜はわれらが真央ちゃんが、この芸術技をその華麗さで披露して、世事に疲れた我々を癒してくれることだろう。