粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

やらせ「世論」調査

2013-12-09 11:15:28 | 反原発反日メディア

朝日新聞8日朝刊の世論調査記事を読んで、本当に考えてしまう。これでは「誘導世論」調査ではないか、と。トップ面の見出しが、国民論議76%「不十分」73%「運用に不安」となっている。

のうち「運用に不安」とした質問の中身はこうだ。


◆特定秘密法案ができることで、政府にとって都合の悪い情報が隠されるなどの恣意(しい)的な運用がされる不安を感じますか。感じませんか。


「不安」に関する「修飾部分」が長過ぎる。しかも「政府にとって都合の悪い情報」とか「恣意的な運用」とか明らかにこの法案のマイナス面が強調されている。質問された側は「不安を感じる法案」だという印象を抱いたまま回答をすることになる。典型的な誘導質問ではないか。この法案に対して特別確信的な認識を持っている人を別として、内容をよく理解していない多くの国民にとっては「不安」と感じるのが73%にもなるのは当然ではないか。

さらにこんな質問があった。


◆この法律は、衆議院に続いて参議院の委員会でも与党が採決を強行しました。特定秘密保護法について与党が採決の強行を繰り返したことは問題だと思いますか。問題ではないと思いますか。


この質問には「問題だ」が65%、「問題ない」が21%であった。むしろ21%が問題ないとなっているのが不思議なくらいだ。採決強行が普通の日本語ではどう考えても「悪いこと」である。まさに愚問の典型と言いてよい。よいと考えている人は池田信夫氏のように日本の議会の現状を理解している人か、よほどの自民党支持者だろう。

同様にこんな質問がある。


◆国会は今、自民党だけが大きな議席を占めています。国会で自民党だけが強い、いわゆる自民一強体制をよいことだと思いますか。よくないことだと思いますか。


この質問では「よいことだ」が19%、「よくないことだ」が68%となっている。これも「よいこと」と考える人が19’%もいるのが奇跡とさえ思える。「自民党だけが」「自民党一強体制」とまるで隣国の独裁国家と同列視するかのような表現である。

こんな世論調査など結論ありきのやらせ質問にしか思えない。特定秘密法案はとんでもない悪法であり、その成立は許しがたい暴挙であるという朝日新聞の報道意図が露骨にみえる。

しかも、朝日新聞は法案が審議されている間中、異常ともいえるネガティブキャンペーンを執拗に繰り返してきた。「識者」とされる人物を毎日各界から総動員させて「法案反対」のコメントを掲載する。一般記事ばかりか社説や天声人語でこれでもかと批判を繰り広げる。まだ赤旗のほうが穏健に思えるくらいだ。

これほどまでに世論誘導

◆特定秘密保護法案の国会での議論は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。(十分だが15%、十分ではない73%)

という質問も白々しい限りだ。

まあ、この朝日新聞の目論みも法案が成立しては「後の祭り」というべきだろう。「負け惜しみ」にも思える。しかし、この機会に世論とは一体何かということを考えるべきではないか。もはやこうした従来の世論調査は意味を失いつつあるように思える。朝日の説明によると無作為にで3212ヶ所の家庭に電話をして1476人に回答(46%)が得られたをものだという。

今はインターネットが普及して、人々が政治に関して様々名主張を発信できるし、同時に自由に多様な意見を知ることが出来る。もはやテレビ・新聞の主張が世論をリードする時代は終わりつつあるといえる。たとえば自分がよく閲覧する「BLOGOS」というオピニオンサイトは、今度の特別秘密保護法案について有名無名を問わず多様な意見が寄せられて、またそれに対するコメントも多数アップされる。コメントの多くは朝日新聞の主張とは真逆で法案を支持する声が圧倒的に多い。もちろん、これが国民の声を必ずしも正確に反映しているとはいえないが、一つの有力な世論であることは間違いない。そしてこのネットでの意見がますます影響を及ぼしていくことも確かである。