粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

天声人語の誤用

2013-12-02 14:29:35 | 反原発反日メディア

現代国語の大学入学試験問題?「次の例文中の誤りを正せ」

不安が渦巻く中、自民党の石破幹事長が、法案反対のデモをめぐって「絶叫はテロと変わらない」という旨をブログで述べたのには驚いた。有力政治家と違って市民には、叫ばねば届かぬ声がある。権力の驕(おご)りここに至れり、の感が強い。(12月2日付朝日新聞の天声人語)

正解は、 (誤)感が強い→(正)観が強い である。

朝日新聞の天声人語を毎日チェックしている須田早氏が本日指摘したものだ。現在出版社社長でこれまで400冊以上を手がけた編集のプロが毎日ツイッター形式で天声人語の内容を批評しているものだ。題して「文章を書く人の為の天声人語批評」だ。

ツイッターのプロフィール「天声人語は朝日新聞の一流のコラムですが、けっこう出来不出来があります。毎日必ずツイートして明確に指摘していきます」とある。

自分自身も結構毎日天声人語をチェックしているのだが、須田氏のツイートを見るまではこの誤用には気づかなかった。そういわれてみれば確かに誤用となりそうだが、自分も天声人語同様、「感が強い」と書いてしまいそうだ。自分のことを棚に上げて他人様の記事にケチをつけるのも何だが、ここは須田氏の記事を加勢にして今日の天声人語を考察してみたい。

須田氏にとって今日の天声人語の「出来不出来」をどう判断しただろうか。ツイートでこの誤用を指摘する前に「本当に気概のあるマスコミなら、スクープ連発で法を骨抜きににすることもできるが、法案一発でやる気のナシになるのか?」と檄を飛ばしているのが印象に残った。どうも今日の場合は「不出来」かもしれない。

朝日などの最近の左翼メディアは、この特定秘密保護法案が通ると治安維持法で国民の自由が抑圧された戦前が再現されると盛んに喧伝している。事実本日の天声人語もそれに言及しているのだが、須田氏はすぐ法案が通ったくらいでやる気をなくすマスコミに歯がゆさを感じているように思う。

それが「感が強い」という言葉に集約されているのではないか。「感が強い」という表現にはどこか、法案をやたら情緒的に捉えて理詰めで批判する気概に欠けているのではないか。法案の条文のどこが国との安全保障との関連で問題でなのかという具体的な視点が不足しているように思えてならない。

特にマスコミがあくまでも「観」で物事を見なければならないのに、ややもすれば「感」で読者の訴えている。そんな報道姿勢が今度の天声人語の「誤用」に繋がっていると思う。

直接的には石破茂自民党幹事長のブログに反応した感想であるが、そんな「感」だけでは石破氏には簡単にやり込められてしまいそうだ。石破幹事長はその後のブログでは「テロ行為」という文言は撤回したようだが、喧噪極まる議員会館前のデモには相変わらず釘をさしている。老獪というべきこの人物の目にはこうしたマスコミは「やる気ナシ」と映っているかもしれない。