blog-atom 2

…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

秋刀魚漁13 航海目!

2007年09月26日 | モバイル

23日17時30分、女川港に入港し、

24日朝の水揚げまで船は市場前に停泊!

通常、女川魚市場では6時から漁獲してきたサンマの見本を揚げ、

市場での入札後6時半過ぎから水揚げが始まります。

入札では、操業位置の水温等による魚体組成の違いや、

鮮度によって各船、若干浜値が変わってきます。

24日朝の女川港には5隻の水揚げ船がありましたが、

ほとんどが襟裳岬沖を主漁場として操業してきました。

その中でも我々が操業した海区(襟裳岬東側沿岸約20哩付近)が、

一番魚体組成が良かったようです。

(選別機が昨年から禁止、撤廃となった為、魚体の割合は

相場に影響します。それ以前に鮮度が重要ですが!)

揚げ後、氷(砕氷)の仕込み!

1航海に使用する氷は漁獲量によりますが、

満船にするためには約30トンは必要で、

冷水を作る際、魚倉内に積み込んだ清水と海水を

冷水クーラーを通す前に水温を下げ、

(最新鋭の船には大容量で冷却能力の高い

クーラーが搭載されている)

冷却時間の効率を上げ、短時間で冷水が作れるように

使用する冷水用の氷も含め、我々は約45トン仕込みます!

(1t/約7500円)サンマの回遊を追って、

ロシアの200海里内、道東沖、襟裳沖、陸中沖、三陸沖、

金華山沖、常磐沖、房総沖と南下しながら

少しずつ高い水温の海区での操業になります!

サンマの魚体温度も高くなりますので、

魚倉内温度が水揚げまで-温度を保つ事がポイントで

(魚体温度で魚倉内が+温度にならないように

適切に氷の量を調整)

余程漁場~水揚げ予定の市場までが近くならない限り、

氷の使用量は減らしません!

10時30分女川出港、経済速力で北上、

25日朝9時襟裳岬沿岸東側、前航海の操業ポイントで漂泊。

15時45分スタンバイ、集魚灯を広げ準備を整え、

漁労長は水温調査で北上!十勝港広尾沖でストップ、

陽が沈む時間(この時期、17時20分頃)には

氷を揚げ大群操業に備えました。

(今年の盛漁期は例年に比べ群れが大きいため)

17 時40分から1回目!

集魚灯の明かりの下で泳ぐサンマを見ると、

小サンマが多いようだった為、

漁労長は集魚灯の切り替え操作(網への誘導)を

省略しての揚網で、約1トン漁獲!

魚体組成を見る為の操業で2-3-5 水温は17.4℃、

小サンマの割合が多い。

南下調査航走、襟裳岬の東沖水温が17℃台から

16℃台に下がった潮境で、群れに当たり操業開始!

魚体組成が良く、この潮目なりに沖よりに移動しながらの操業は、

次第にうねりが高くなり、網に入っているサンマの重さと

船の揺れで網が破損するトラブルがありましたが、

22時30分、終わり!

20時頃から吹き始めた北西の風が夜明け頃から強くなり、

2007925_012 海峡沖は、うねりも高く、

追風で船は前のめりになりながら大きくローリングを繰り返す。

26日昼からは破損した網の修理作業(入れ替え)を行い、

微速で南下帰途航走、女川港向け。

01時30分、女川港入港!