
これは、東京創元社より1986年に出版された、ゲームブック版の『ドルアーガの塔』3部作 (1悪魔に魅せられし者・2魔宮の勇者達・3魔界の滅亡)です。これはナムコの『The Tower of Druaga』(1984)を原作としたGB(ゲームブック)で、日本人GB作家の第一人者、鈴木直人氏によって書かれたものです。鈴木直人氏の最高傑作、あるいは国産GBの代表的な作品とも言われています。

原作の『The Tower of Druaga』は、ゲーム作家/遠藤雅伸氏の作品で、60階ものフロアーを持つドルアーガの塔を、各階の謎を解きながら攻略をしてゆくゲームでした。各階それぞれに隠された宝箱を見つけて、装備品を身に着けることにより主人公(ギル)が強化されて強くなってゆく、日本でのRPGの走りとなった作品です。基本的にゲーム内に謎のヒントは無く、プレイヤーは自力で謎を解いて、60ものフロアーをクリアする必要があります。

スライムなどが登場して割と原作に忠実な、悪魔に魅せられし者。

オリジナルキャラなども登場して、物語が加速を始める魔宮の勇者たち。

ある意味原作を超えた展開をみせる魔界の滅亡。
このように原作は、壮大なスケールを持った難解な作品なのですが、このゲームブック版の凄まじいところは、GB内に(双方向に行き来できる)マッピング可能な60ものフロアーを再現してしまったというところでしょうか。(もちろんGBオリジナルのマップですが)。ギルを強化する為の各種アイテムも、原作のイメージを踏襲して再現され、(カイやイシターなど)原作のキャラもきちんと登場してきます。またGBという媒体のためか、主人公に絡むオリジナルの登場人物も設定されています。そのためオリジナルの謎かけがあったり、登場人物達と交渉をする必要などもあります。
私は、これをゲームブックブームが過ぎてしまった90年代前半頃に、古本屋で手に入れて遊んだ覚えがあります。(90年代中頃までは、ゲームブックは入手しやすかった)。さすがにサイコロを振りつつ遊んだのではなく、暇な時間に読み進めるといった感じでしたが、(それでもマップを書く必要はあったので)マップを書きながら驚いた記憶があります。とにかく、細かい所まで良く出来ているといった感想でした。GBオリジナルの物語部分も良く出来ていて、最後の方は結構惹き込まれてしまいました。読書百遍 ここのゲームブックのコーナーに詳細な解説とマップがあります。

ナムコゲームよりの移植ものゼビウス。

ドラゴンバスターとワルキューレの冒険。カイの冒険もありました。
今遊ぶ場合には、創土社より復刊の予定ですから、それを入手するのが良いでしよう。売れた作品なので古本屋でも結構見つかりますが、3冊同時に入手するのはなかなか難しいでしょう。(あっても有名な作品のため、直ぐなくなってしまうことが多いです)。また 勁文社より『ドルアーガの塔・外伝』というのも発売されていました。ゲームブックは80年代を感じさせる、ある意味必須アイテムですが、その中でも特にこれは、それっぽい空気をかもし出しています。

発売と同時に定価で買い、楽しませてもらいましたー
もう一度やれと言われてもやらないけど(めんどくさい)とにかく面白かった記憶は健在です^^
>もう一度やれと言われてもやらないけど(めんどくさい)
確かに今はとてもやれませんね。
無尽蔵に時間があるように感じていたあの頃ならではなのでしょう。
それでも思い出としては、どうしてもひっかかって(くすぐられて)しまう部分がありますね。
おそらく当時、それとは知らずに愛読していたものの中にも、スタジオ・ハードが手がけたものが数多くあったのだろうと思います。