
トゥルーラブストーリー True Love Storyは、1996年にアスキーより発売されたプレイステーション用ゲーム。いわゆる恋愛ゲームだが、育成要素はなくジャンルとしてはシミュレーション+AVG。

プレイステーションやセガサターンでときめきメモリアルが大ヒットしたのを受けて、この頃に急速にジャンルとして成立した恋愛ゲームのひとつ。それまでにも、ギャルゲーというジャンルはあったが、ゲーム性としてはアダルト寄りの内容のものが多かった。変り種としては、エニックスが85年にTOKYOナンパストリートという作品で女性を口説く要素をゲームに取り入れていたが、こちらも恋愛の要素は無かった。92年にアダルトゲームながらストーリー性を持った同級生が発売され、94年にPC-エンジンで発売されたときめきメモリアルでは、学園生活を送りながら女の子と仲良くなっていく過程をゲームとして抽出し、ひとつの新しいジャンルを切開くことに成功した。ときメモの大ヒットを受け、雨後の筍のごとく恋愛要素を持ったゲームが発売されるようになり、その頃に老舗のアスキーより発売された作品。

プレイステーション1の時期は、それまでゲームをしなかったライトな層を取り込もうということで、それまでのゲームという枠組みを超えた実験的なゲームが数多く発売された。元はアダルトから発達してきたこのジャンルのゲームも、この時期に急速に一般的なものとなった。

古くはMSXというPCの統一規格をやり、ファミ通という看板を持っていたアスキーのものなので、やはり他社の物とは一線を隔した出来だった。

ときメモでは、3年間という時間をかけて自分自身のパラメーターを上げ、擬似的な学園生活をおくるというシミュレーションだったが、こちらは転校までの一ヶ月間。プレイヤーは、青空高校2年生の男子生徒となり、転校までの1ヶ月間に彼女を作ることが目的となる。

当然、パラメーターを上げる時間はないので、育成の要素はなし。学園内をうろついてお目当ての子と出会い、親密度や好感度を上げるという流れ。同級生や同級生2のようにストーリを追っていくタイプのアドベンチャーではなく、断片的なイベント(物語)が繋ぎ合わさって一つの物語が成立するという形になっている。

ときメモのように優等生から幼馴染、文学好き、芸術家タイプ、スポーツ好き、下級生など一通りのキャラが揃う。学校という限られた狭い範囲が舞台で、休み時間、昼休み、放課後、寄り道と一日4回しか行動が選択できないので、難易度は低くかなりライトな作り。一ヶ月という短い期間なので、春夏秋冬の4つの季節が選択できる。

本作最大の特徴が、下校会話モード。ここは、リアルタイムのシミュレーションという作りになっている。帰宅するまでの道のりにおいて、リアルタイムで会話のネタを選択して、好感度を上げる。キャラには、ときめきゲージとドキドキハートという2つのパラメーターがあり、事を急ぐあまりドキドキさせすぎても逃げられてしまう。もちろん盛り上がらないと、逆にしらけられてしまう。ドキドキさせすぎないように、しらけすぎないように会話を維持し、ときめきゲージを上げなければならない。

ゲームショップの棚に、恋愛・育成シュミレーションなどという新たなジャンルを生みだすほどの影響を誇ったコナミのときめきメモリアル。元は、94年にPCエンジンSUPER CD-ROM2用として、PC-エンジン末期の目立たない作品として発売され、95年にプレイステーション、セガサターンに移植されたことで大ヒット商品となった。元々は恋愛ゲームでなく、学園生活を疑似体験するゲームとして企画された。実は、ゲーム性としてもよく出来ている。恋愛ゲーム界のドラクエ。

それぞれのキャラごとに好感度と物語性を持つシナリオを持たせたことで、ヒット作となった同級生2。元はアダルトのアドベンチャーゲームだったが、アダルト要素を取り除いてプレイステーション、セガサターン、果てはSFCにまで移植されたほどヒットした。1作目の同級生は、TOKYOナンパストリートと同じようにナンパをする行為をゲーム化したものとして企画されたが、キャラごとにバックボーンとなる背景(物語)を付けた事により、恋愛ゲームの元祖となった。

同級生、同級生2の続編といえる下級生。システム的には、同級生2と大体同じようなもので、こちらも元はアダルトゲームだった。

今となっては、この作品の最大のトピックは、女優の仲間由紀恵さんが主題歌を歌い、CMにも出演していたこと。ドラマデビューして2年目だったみたいです。ゲームの主題歌としてゲームの内容に沿って作られた歌詞ですが、仲間さんも沖縄から出てきたばかりの頃なので、一般的な別れの歌として聞いてみても良い曲。この頃は、沖縄出身のタレントが流行ってましたので、そんな中の1人だと思っていましたが、ここまでの大物女優になるとは・・・。

ということで、大ヒットしたときメモと比べても、一ヶ月という短い期間なので、気軽に遊べることも特徴でした。登場するキャラもあっさりめで、とことんライトに仕上がった佳作だったと思います。それにしても、ここに紹介する作品としては新しめですが、もう18年も昔のゲームなんですね。
参考:Wiki トゥルーラブストーリー True Love Story、ときめきメモリアル、同級生、同級生2、恋愛ゲーム、仲間由紀恵の項
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