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80年代Cafe

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がんばれ森川君2号・ソニー・コンピュータエンタテイメント

2007-03-12 23:11:19 | レトロゲームReview

 『がんばれ森川君2号』は、1997年にソニー・コンピュータエンタテイメントより発売されたPS用ソフトです。製作は、『ジャンピング・フラッシュ』のシュガーアンドロケッツ。ジャンルは、この当時流行っていた育成シュミレーションです。これもちょっと新しめの作品ですが、変ったゲームとして印象に残る作品だったので紹介。


 パッケージ内容物。説明書、育児手帳(AIの育て方)、マップカード、シールと色々付いてて楽しげ。


 このゲームの目的は、『PIT』と呼ばれるロボットに教育を施して『AI CHIP』を集めさせ、9個のステージをクリアすることです。『PIT』は、本格的なAI(人工知能)を搭載しており、プレイヤーは『PIT』の行動に○、×を示す事で、正しい行動を学習させるしくみになっています。こう書くと固そうですが、この『PIT』は、ひよこをなでて喜んだり、うんこの臭いを嗅いで嫌がったりと、かなり脱力系の行動パターンを持っており、プレイヤーはそれにいちいち○だの×だのを出す事になります。基本的に正しい答えはなく、プレイヤーの出す判断が正解だとも言えます。最終面では、プレイヤーは一切手出しをできなくなり、『PIT』の判断のみでステージをクリアしなければなりません。そのため、ある程度的確な行動ができるよう学習させておかないと、ハマリ状態に陥ってしまいます。


 森川氏監修の攻略本『がんばれ森川君2号 お散歩ファイル

 この当時、ちょうど『たまごっち』が流行した時期に当たり、この作品もその波(育成ブーム)にのってかなり売れたようです。この後『どこでもいっしょ』という、育成(教育)型の作品が、大ヒットを飛ばすことになります。『どこでもいっしょ』は、プレイヤーの入力した単語に、あらかじめ用意された答えを返して、会話が成り立っているように感じさせる『人工無能』と呼ばれるタイプのもの。とんちんかんな返答をされたり、とつぜん哲学的な質問を返されたりと、いわば言葉遊び的な会話の面白さがゲームの要となります。それに対して『森川君』は、ゲームとしては初めて本格的な『人工知能』を使った作品だそうです。製作者の森川さんは、当時人工知能の専門家の学会にて講演を行なったほどだそうで、脱力系の外観とはうらはらに、実はかなり本格的な作りになっています。


 また直接操作できないロボットを、プログラムのみで正しい行動を取らせるというコンセプトは、アートディンクの『ハウ・メニ・ロボット』の影響も感じさせます。私は遊んだ事はないですが、当時のPC誌では、ちょっと変わった作品として注目されていました。このコンセプトはアートディンク自身の手によって、操作不可のロボットに自作のプログラムを組み込んで相手のロボットと闘わせる『カルネージ・ハート』という作品として昇華されました。私はまったくの文系ですが、ロボコンなどに関心を持つ理系タイプの方には、この辺りの作品はたまらないものがあるのかも。本田のロボット開発(ASIMOの前身であるP2)が、公式に発表されたのが96年、初代AIBOが発売されたのが99年だったりしますので、この頃は人工知能や、ロボット的なものに注目が集まっていた時期だったのかもしれませんね。


 このゲーム、現在では中古で安く(500円~程度)売られていますから、入手は簡単だと思います。もしこれで遊んだ事がない方で、変ったゲームを探されている場合に結構お勧めです。脳天気な音楽(これもPITが気分でかけ替える)が流れる中、ひよこキウイ(鳥)の頭をなでたり、うんこの臭いを嗅いだりする脱力系の世界観ですので、別にロボットだの、人工知能だの興味がないという方でも、十分に楽しめると思います。

参考:がんばれ森川君2号 お散歩ファイル/新紀元社、ほぼ日刊イトイ新聞


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1 コメント

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Unknown (ぽけまる)
2007-03-12 23:14:55
ゲームクエストはご存知ですか?
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