これは、バンダイより1981年に発売されたFLパックリモンスター PACKRI MONSUTER。
ということで、ハロウィンっぽい(無理やり)ネタの第2弾。これは電子ゲーム初期の頃に、バンダイがナムコのパックマンを勝手に移植したものになります。インベーダーブーム時に、家庭でもインベーダーを遊びたいというニーズに答えて、電子ゲームに次々とインベーダーが登場しました。電子ゲーム業界が、次に選んだのがナムコのパックマン。各社から続々とパックマンゲームが登場しました。中でもこれは、かなり早い時期に登場したものだと思います。
取扱説明書。ぺラ紙を三つ折にしたもので、高価な玩具にしては素っ気無い。
内箱を開けたところ。新品時にはビニールに包まれていました。
本体。他社のものは、パックマンの画面に合わせて縦型が多いが珍しい横型。デザイン優先だったトミーのものも横型でしたが。
パッケージ裏。操作方法などが解説してあります。ゲーム情報誌など無い頃(コロコロコミックくらい)ですから、箱書きもゲームを買う際の貴重な情報源。
同時発売にFLアタックモグラ。少し遅れてFLフリスキートム(日物のフリスキートム)、FLチェンジマン(タイトーのフィッター)、FLクレージークライミング(日物のクレージークライマー)とシリーズが続きます。
パックマンの(勝手に)移植なので、操作も4方向レバーのみとシンプル。このスティクが非常に使いやすく、自機であるパックリモンスターも軽快に動いたため、電子ゲーム版パックマンとしては、非常に遊べた。
画面は、このような感じ。一番の特徴は、迷路がスクリーンに直接書かれていたこと。学研版パックモンスターは、クリアすると迷路の構造自体が変わったりと、後発らしく凝っていた。
実際の画面はこのような感じ。見やすくするため、蛍光表示管のみを出してます。中央がオバケの部屋。赤がパワーえさ。フィールドの広さもあってか、パワーえさは2個。画面の最下段が左右でつながり、ワープトンネルになっています。
スタート音とともに軽快にえさを食べ始めます。
しばらくするとオバケがオバケ部屋よりフィールドに出てきます。自分がパックリ“モンスター”なので、追いかけるのはオバケ。始めは一匹で、レベルが上がると2匹、3匹と増えていきます。
フィールドのパワーえさを食べると、オバケがいじけて一定時間オバケを食べることができます。
基本的にオバケはランダムに動いてますので、あまり追っかけられたり、追っかけるという展開ではありませんが。またアーケード版にあった、性格分けもありません。雰囲気はこんな感じ。操作性もよく軽快。
喰われた!(捕まった)
2面クリアごとに、パックリモンスターとオバケのコーヒーブレイクも入っています。パックリモンスターのスピードと迷路の広さ、えさの数、イジケいている時間など、とても考えられていてゲームバランスがいい。
こちらは海外版。海外でもパックマン人気は凄かった。
国内版に比べて非常にクールで大人びている。
中身は同じだが、本体の注意書きが英語。MADE IN JAPANですな。まだ玩具が国内で製造されていた幸福な時期。
この時期、パックマンは特に北米で大ヒットとなり、アニメ化されたり続編や海賊版が作られたりと、えらいことになっていました。こちらはアニメ化の時に擬人化されたパックマンと、アニメの音楽を使用したパックランド。
こちらは、学研版パックマンのパックモンスター。第2弾としてスーパー・パックモンスターもありました。
ナムコより版権を取ったトミー版パックマン。
これ以外にもエポック社が液晶でパクパクマンを発売するなど、各社パックマンフィーバーを迎えました。当然、ナムコより訴訟が起こされ、この時に槍玉に挙げられたのはバンダイ。まさか一緒の会社になるとは、当時は思いもよりませんでした。これ以降、電子ゲームにもきちんと版権をとった移植ものが増えていきました。またバンダイは、90年代にも版権を取ったパックマンを豆ゲームとして出しています。
当時の思い出としては、パックマンの移植としても早かったため、誰かしらが持っていて、学校でやりこむほど遊べました。オリジナルのパックマンの方は、なかなかゲーセンには行けなかったため、もっぱら駄菓子屋で遊びました。ワープトンネルが増えてたり(ニューパック1)、えさを食べると迷路が消えたり(ハングリーマン)、えさがハートになっていたり(スキャンダルマン)と、こちらも電子ゲームに負けず劣らず賑やかでしたね。
ということで、電子ゲーム版パックマンの中でも、かなり良く出来ていた逸品、FLパックリモンスター PACKRI MONSUTERでした。
参考:Wiki パックマンの項、帰ってきた電子ゲーム
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます