こちらは、メディアソフト社より2015年11月に発売されたJK☆B 女子高生×バイクイラストレイテッド。タイトル通り、女子高生とバイクという近年流行っている、艦これのようなメカニカルなもの+萌えという系統の本です。漫画にばくおん!!というバイクと女子高生の組み合わせをテーマにした作品が、2016年よりアニメ化されるなど人気を博していますので、こちらもその路線を狙った一冊だと思います。
艦これやメカ+萌えものには、あまり関心がないし、ばくおん!!自体も見たことがないため、普通であればふ~んとパラパラとめくって終わりなのですが、これは書店で見つけて心に引っかかった。この本を出版しているメディアソフト社も、クロスワードパズルとかそういったものを主に扱っている出版社なので、バイク専門誌というわけでもない。
レイアウトとしては、バイクと女子高生のイラスト+そのバイクの簡単な解説、時代背景などの解説になっている。何が引っかかったのかと考えると、バイクのラインナップが現代のものからだけではなく、多くを80年代周辺のバイクブームの頃のものから引っ張ってきていること。YAMAHA TZR250R後方排気などという、バイク好きをくすぐるチョイスがなされている。
こちらは、YAMAHA FZ400R。FZRでないとこが渋い。いったいどんな年齢層の読者を対称にしているのだか。
このような感じで、いわゆる旧車と呼ばれるもの、それも有名な名車ではなく、知る人ぞ知るみたいなチョイスがされていて楽しい。もうひとつは、このような旧車、ビンテージバイクを扱った書籍というのは珍しくなく、数多く出版されているのだけれども、伝説の名車とかクラッシックみたいな扱いで紹介されていることがほとんど。この本では、女子高生と組み合わせることで、(例えば)MVX250Fが発売された現役当時、若者に求められていた頃の輝きが表現されていると感じた。MVX250Fの発売当時の輝きなんて私自身も知らないのですが、バイクが若者のものであり、憧れでもあった頃の輝きが表現されているよう感じられた。この頃は大変なバイクブームであったため、女性専門のバイク誌レディースバイク(今でもあります)やレディースライダーズマニュアルとか、女性がバイクに乗っていても不思議ではない時代背景がありました。
アマゾンでの評価も高評価が付いており、バイク専門出版社のものではないのに、各バイクの解説も読んでいて楽しい。逆にバイク専門誌でないということで、自由な発想ができたのかも。ということで、バイク好きな人にはお勧め。まだ店頭にあると思われますので、興味のある方は一度手にとって見られることをお勧めしたい一冊になってます。
JK☆B 2 女子高生×バイクイラストレイテッドは、2015年に発売されたJK☆B 女子高生×バイクイラストレイテッドの第2弾。ばくおんに代表されるバイク+女子高生という、メカものに萌えの要素をプラスしたムック本。前作JK☆B 女子高生×バイクイラストレイテッドがバイク本として見てもなかなか良かったということと、帯付きが1,000円を切る価格で売られていたため購入。
このシリーズのポイントは、前述のとおりバイクの車種の取捨選択が絶妙だという点。最新のものに織り交ぜて、バイクブームの80年代~90年代から通常のバイク雑誌などではまず取り上げない、マイナーな車種やマニアックな車種などを集めている。今のレトロバイクを扱った書籍だと、今でも高値で売れるいわゆる名車といわれるものがほとんどだが、こちらはそんなことおかまいなしに絶妙に懐かしい車種が多数収録されている。
個人的にツボだったのは、昔所有していたFZ250フェザー、今も所有しているドリーム50、はじめてのバイクであるヤマハJOGが収録されていた点。女子高生のイラストは普通だと思いますが、バイクのイラストはかなり精巧に描かれていて出色の出来。この頃の大学生なんかはスクーターを足代わりにしてることも多く、学生街ではあちらこちらにスクーターが溢れている光景が見られた。バイクブームの少し前には、HY戦争なんてホンダとヤマハのバイク販売合戦が繰り広げられたりもしたそうです。最近、ヤマハのスクーター(原付)をホンダから調達するというニュースが流れましたが、この頃の熱さが嘘のような話になっている。そのような熱気を少しだけ、今に伝えてきてくれる。
イラストだけでなく、当該車種の紹介、時代背景なども解説してありますが、これもなかなかの良い出来。メディアソフト社はパズル誌などを出版しているところでバイク専門誌を出版している出版社ではないのだが、縛りがない分ライター氏の思い出や思い入れなど独特の視点が加味されている。
ということで、80年代~90年代のバイクブームにはまった人には、なかなかのお勧め。今はバイクを降りてしまった人でも、バイクが青春の象徴であった頃の輝きを取り戻していて、忘れていたことを思い出せてくれる楽しめる一冊だと思います。
参考:JK☆B 女子高生×バイクイラストレイテッド&JK☆B 2 女子高生×バイクイラストレイテッド・メディアソフト社
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