『影の伝説』(The Legend of Kage)は、1985年にタイトーより発表されたアーケードゲームです。アーケード版より有名かもしれないFC版は、翌1986年に登場。横スクロール型のアクションゲームで、FM音源を使用したBGMも印象的でした。写真のFC版の箱絵には、ポスターやチラシ等にも使用されたキャラが使われており、この前年に発売されたLDゲーム『忍者ハヤテ』(84)をどこか連想させる部分もあります。(あるいは一休さんの新右衛門さんとか)。調べてみたのですが、キャラデザインが同じ人なのか、またはなんらかの関係があるのかはわかりませんでした。美しい画面と個性的なキャラ、BGMも含めて、トータルでのイメージ作りに成功した作品といえるのかもしれません。
物語は、忍者“影”を操作してさらわれた“霧姫”を救い出すというもの。影は、刀と手裏剣の2種類の攻撃方法をもっており、刀を振っている時には敵の攻撃を防ぐことが可能です。また主人公が忍者ということから、かなりの跳躍力を持っています。ゲームはステージ制になっており、森→水路→城壁→城内と変化します。城内から姫を助けた後、ボス敵との対決になり、双幻坊、霧雪之介、雪草妖四郎で一周クリアとなります。(パワーアップの概念もないなど)この時期のアーケードゲームとしては、かなりシンプルな作りで、美しい画面と、印象的なBGMなど、世界観(雰囲気)を楽しむゲームだといえるかもしれません。アーケード版に登場するアイテムは、敵を全滅させる巻物のみでしたが、FC版では家庭用ということや、時期的なこと(隠れキャラやパワーアップアイテムが流行っていた)もあってか、水晶玉(パワーUP)、点丸(得点)、術丸(術が使える)、増丸(1UP)というアイテムが追加されていました。ただアーケード版も、FC版も、攻略して極めるといった類のゲームではなく、(他のゲームに遊びつかれたら)ちょっと気分転換に遊ぶといった感じのものだったように思います。
このゲーム、有名なわりには続編や移植例が少なく、FC版(86)以降では『タイトーメモリーズ』(PS2/2005)、『タイトーメモリーズポケット』(PSP/2006)、『Let's!TVプレイCLASSIC』(2006)、続編として2008年『影之伝説 THE LEGEND OF KAGE2』(DS)くらいしかありません。ただ個人的には、忍者特有のアクションや、跳躍の楽しさを引き継いだ『ストライダー飛竜』(カプコン/89)が、ある意味での続編のようにも思えたりします。上の写真左は、勁文社から発売されていたゲームブック版(86)。アドベンチャーヒーローブックスというシリーズで、同時期に『ドルアーガの塔 外伝』、『チャレンジャー 秘宝よ永遠に!』等も発売されていました。当時のFC人気やゲームブックブームを見越して登場した作品と言えるでしょう。副題が“魔神バラコンダの謎”となっており、雪草妖四郎を倒した後の話(続編)になっています。巻末に城下町のマップも付属していて、ほとんどオリジナルといってよいものになっています。こんなとこからも、当時のFCの熱が伝わってくるような気がします。
個人的には、あんまり熱中して遊んだ記憶はないです。この時期は、ナムコ全盛期でキャロットハウスによく行っており、“ドルアーガ”や“ドラゴンバスター”などに熱中していたように思います。また、友達の家でPC-88に夢中になっていたり、ゲームブックやPB-100(ポケコン)などで遊んでましたので、FC版でも特によく遊んだという覚えもありません。その割には、この独特の世界観や、BGMが印象に残っていたりして、どこか不思議な感じもします。
参考:Wiki 影の伝説、忍者ハヤテの項
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