goo blog サービス終了のお知らせ 

80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

ロボコップ・トータルリコール・(87・90/米国)

2007-06-03 14:15:25 | 映画・DVD・CD

 ロボコップ(ROBOCOP)は1987年、トータル・リコール(Total Recall)は1990年に公開されたアメリカのSF映画です。どちらもその年の話題作として、公開時には注目された作品でした。あまり関連がなさそうに思えるこれらの作品の共通項は、近未来を舞台にした映画であるところと、オランダ出身の映画監督ポール・バーホーベン氏(Paul Verhoeven)が監督を務めていたところです。


 ロボコップ(ROBOCOP)は、2010年のアメリカの都市デトロイト市が舞台。この時代には、巨大企業オムニ社により街の隅々までが支配され、警察までも民営化されていた。オムニ社は、街の治安を維持するために警官のロボット化を計画していた。そのロボット化計画に、犯罪者を追って殉職したマーフィが選ばれることになった・・。設定や物語的には、日本に昔からあるロボット刑事もの(エイトマン、ロボット刑事K、宇宙刑事ギャバン・・・)の流れをくむ作品です。実際に宇宙刑事ギャバンなど80年代の作品は、映画を製作する際に参考にされ、デザインなどにもその影響を見ることができます。しかしエロスとバイオレンスを作風とするバーホーベン監督は、この子供向けの題材を大人の鑑賞に堪え得るような作品として再構築していました。そのため低予算の作品としては、異例のヒットを記録したようです。


 マフィアを追っていたマーフィ巡査は、罠にはめられ殉職するのですが、そのシーンはかなり過激な描写となっています。R指定を避けるため、そういったシーンはかなり削除されていたようですが、それでもロボコップ誕生までの凄惨な描写が、この作品に(ロボコップというキャラクターに)深みをもたらしていました。ロボコップは、マーフィ巡査が蘇った存在ではありません。マーフィの器官を使用しているだけの、法的な権利を一切持たない『機械』(マーフィ巡査は、法的存在としては死者)として描かれています。しかし生前の記憶が時折フラッシュバックして、自分の家族のもとへ向かうなどの行動をとったりします。失ったアイデンティティを探し、取り戻す存在として、どこかぎこちない悲壮感漂うキャラクターになっているんですね。ヒットしたため2作目、3作目と続編が作られましたが、2作目以降は普通の『ヒーローロボット』ものになっていました。ロボコップ - goo 映画


 トータル・リコール(Total Recall)は、90年製作の近未来SF映画。原作は、『ブレードランナー』のフィリップ・K・ディックの短編小説の追憶売ります。主演は、当時ターミネーターやプレデターで、飛ぶ鳥を落とす勢いだったアーノルド・シュワルツェネッガー。のちに氷の微笑で一斉を風靡したシャロン・ストーンも出演しています(氷の微笑もバーホーベン監督)。公開当時、その年のお正月映画としてバンバンCMも打たれましたので、ご記憶にある方も多いのではないかと思います。


 中年女性の顔が割れて、中からシュワルツェネッガーが出てくるシーンが、強烈な印象を残した。


 物語は、人の脳に直接記憶を植えつけたり、疑似体験をさせる事のできる技術が確立した近未来が舞台となっています。建設労働者ダグ・クエイドは、毎夜火星の夢に悩まされています。そこで『記憶売ります』というリコール社の広告をみて、火星旅行の記憶を得ようとします。しかし記憶を植えつけられる前に突然暴れだしたため、トラブルを恐れたリコール社は何もせずに、彼の記憶を消去してしまいます。その後、彼の周りに火星の記憶がらみの様々なトラブルが起こることになります・・。要約しても訳がわからないと思いますが、物語自体は、自分の記憶(自分自身)だと思っていたものが、他人によって植え付けられた偽の記憶だったという、夢と現実が曖昧になってしまうサスペンスものです。ダグの記憶(正体も)2転3転して、いったいどれが正しい記憶(真実)だか、わからなくなってしまう作りになっています。ディック原作の近未来ものということでブレードランナーのような繊細な心理劇を期待して見に行きましたが、シュワちゃん主演ということで豪華に暴れまわるアクション映画になっていたのが少し残念でした。トータル・リコール - goo 映画


 80年代の特撮映画は、(スピルバーグ、ルーカスに代表される)子供向けの娯楽作品という位置づけのものが多かったような気がします。これら2作品は、90年代への時代の変わりめにあたりますので、シリアスな要素もたぶんに含まれています。脳天気な80年代からシリアスな90年代へ、特撮映画も時代の変化ともに微妙に変化してゆくことになります。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿